ふひひ、ドンマイですなお嬢様。 せっかくこのホストクラブトレセンに来たというのに目当てのホストが予約済みであったが故、このハズレホストと名高い「オタク」に対応される事になるとは・・・まあ愚痴ぐらいは聞くでござるよ? うむうむ、やはりトレーナーがついたウマ娘の皆さまは模擬レースでも実力が飛び抜けているでござるからなぁ・・・それでも6着というのは健闘したと自分を褒めるべし!追い込み型の汝はレースのセオリーが当てはまらないが故悩むのも分かりますぞ! ふむ、何故レース結果と走り方を知っているかとな?それは勿論、拙者が「オタク」だから以外に他ありませぬ!日頃トレーニングに励む姿もバッチリ把握済み、これでもトレーナーの端くれなので! ははは、キモいと言われるのも仕方が無いでござるが職業病と趣味が混ざったものが故にどうかお見こぼしを!おっと拙者の眼鏡にまで唾が、はしたないでござるよ?ちょっと失礼して眼鏡を拭くべし拭くべし・・・ うん?どうしたのかな? あはは、イメージ変わったからビックリさせたかな、ごめんね。これボクの担当から贈られた物でさ?いくらダサいって言われても外すつもりは無いんだ。 これからも推し続けておくからさ、自分にもファンがいるって事忘れないでよ!それじゃ、また明日学園で!気が向いたらトレーニングの相談とかも乗るから! ★☆☆☆☆ 目当ての人が指名できなかったのでオタクさんに回されましたが最低でした、喋り方もキモいですし何より眼鏡が致命的に似合っていません 絶対絶対絶対にこれから行く人は指名しないでください 周りと不釣り合いで可哀想なので私はたまに会いに言ってあげる事にします ────── 噂では大人の男性が苦手なウマ娘のお客様向けのコースとして、桃色の髪で小柄なウマ娘が清楚な口調で自分の良い所をひたすらに言って褒め続けてくれるというサービスが存在するらしい。 「リボンちゃん」と呼ばれるその娘は頭に何もリボンを付けていないのに何故そう呼ばれているかは永遠の謎である・・・ 「おっとこれはこれは本日一度も指名が無かったリボンちゃん殿、調子はどうですかな?」 「はー?そっちこそお零れでウマ娘ちゃん対応する事になっただけじゃ無いですかオタクさん?まあデジたんは良いんです、キャストの人たちにお客様のウマ娘ちゃんたちのデータを渡すのがメインなんですから」 「それもそうですな、拙者も久々の対応過ぎてお客様の目の前で眼鏡を外してしまいましたぞ!しまったしまった!」 「は?」 「トレーナーさん、その娘の名前教えてください、早く」 「ああその娘ですか、分かりました・・・次からは今回のお詫びとして人気のキャストさんに回して貰うように言っておきます」 「ど、どうしたのですかなデジたん?様子がおかしいですぞ?」 「うっさいです、今度からは絶対に眼鏡外す事が無いようにしてください。あなたの顔他のウマ娘ちゃんに毒なんですから」 「う、ううむ・・・まあデジたんが言うならその通りにするでござる・・・あ、そういえばチップとして貰ったペア割りの遊園地チケットが」 「チッ、やっぱり狙われてる・・・それはあたしが一緒に行きますから!」 ──────