二次元裏@ふたば

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109921 B21/08/26(木)23:27:57No.839503797+ 00:28頃消えます
「突然ですが、お兄さんの女性遍歴をお聞かせさせてもらってもよろしいでしょうか」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/08/26(木)23:28:10No.839503871+
俺の部屋にやってきて早々、俺が担当するサトノダイヤモンドは真剣な顔をしながらそんなことを聞いてきた。
なんでも、ウマ娘専用のグループラインがトレーナーの女性遍歴の話題で盛り上がっていたのを見かけ、自分も気になって眠れなくなってしまったのだとか。
……なるほど。たしかによく見ればいつものメイクの下に、僅かだがうっすらと隠しきれていない隈が見えるような。
「……あ、あまり見ないでください」
「ああ、ごめん」
ダイヤは隈に気づかれたことの恥ずかしさからか、頬を赤く染めて顔を逸らしてしまう。
それを見て謝るが、後の言葉が繋がらず、流れが止まってしまった。
221/08/26(木)23:28:30No.839503985+
「「…………」」
数秒ほど気まずい空気が流れる。
どう切り出そうか。そう悩んでいる間に、俺先に彼女の方が沈黙を破った。
「……それで、どうなんですか?」
相変わらず顔を逸らしたままそう尋ねてくる。頬はまだ赤い。
だが彼女の耳と瞳はしっかりとこちらに向けられていた。
そんなに気になるのだろうか。
この分だと、きちんと答えなければまた眠れぬ夜を過ごしそうな雰囲気だ。
トレーナーとしてもパートナーとしてもそれは非常に困るので、素直に答えることにした。
321/08/26(木)23:28:55No.839504131+
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「高校の頃と、大学の頃ですか」
「ああ。そうだよ」
「……しかも、両方とも向こうの方から告白されたのですね」
「別れを切り出したのも向こうの方からだけどね……」 
どちらからも、告白されてから一年経った記念デートの次の日に別れ話を切り出されたのでよく覚えている。
どちらも理由は『大事にしてくれているのはわかるけど、キス以上の事を何もされないのは……』というものだった。
トレーナーになるという夢を叶えるまで無責任な事はしまいと、何もしなかったこちらが悪いかもしれないが、ちょっとあんまりじゃないだろうか。
421/08/26(木)23:29:13No.839504233+
「……ふーん、そうなんですね」
ダイヤは俺の言葉にそっけない返事を返すと、ツンと唇を尖らせてそっぽを向いてしまった。
「……ダイヤ?」
声をかけるが返事はない。
顔を覗き込もうとしても、こちらから逃げるように逸らされる。
どうやら俺の答えがお気に召さなかったようだ。
「酷いです。私はずぅっとお兄さんの事だけを想っていたのに、お兄さんはそうじゃなかったんですね」
「それは」「違いませんよね」
ぐうの音も出ない。
だけど、まさか再会してこうなるとは思っても居なかったのだから、仕方ないじゃないか。
そう思いはしたがたが口にはしない。
彼女の機嫌を更に損ねるのは目に見えていたし、自分が初めてであってほしいという彼女の気持ちも、わからなくは無かったから。
521/08/26(木)23:29:31No.839504335+
しかし、黙っているだけでは何も終わらないので、俺は許しを請う事にした。
「……どうしたら許してくれる?」
「証をください」
「え?」
「証です。私への想いの証を」
そう言うと彼女はようやくこちらを向いてくれた。
621/08/26(木)23:29:46No.839504417+
「……それだけじゃ足りない?」
ダイヤの左手を見る。
その薬指には、俺の付けているものと同じ指輪が嵌められている。
それは、生まれて俺が初めて自分から愛する者へ贈った誓いの証だった。
「これも嬉しかったですけど……もっと愛がほしいです」
「と言われてもな……」
彼女は、何かを期待しているような目をしていた。
……愛がほしいとはおそらく"そういう"事なのだと思う。
確かに既にダイヤは充分に魅力的な女性だし、俺としてはそういう事もやぶさかではない、
だが彼女はまだ学生の身だ。
いくらレースの調整の為に出されている経口薬がそういう事の為の効能が含まれていると知っていても、俺は卒業までは手を出すつもりはなかった。
721/08/26(木)23:30:14No.839504591+
――ああ、そうだ。
どうしたものかと悩んでいると、ひとつある事を思いつく。
マーキングだ。
証が欲しいと言うのであれば、そうしてあげればいいのだ。
彼女が望んだとおり、分かりやすい場所に。
「いいよ。そんなにほしいなら」
「……いいんですか?」
何かを念押しするかのような彼女の問いかけに苦笑する。
恐らく、彼女が期待していることとは違うからだ。
「違うよ、そう言うのじゃなくてね」
「……?」
ダイヤは俺の言葉に小首をかしげる。
これはやって見せた方がわかりやすいだろう。
   
そう思い、そっと彼女の首筋に顔を近づけた。
821/08/26(木)23:30:34No.839504727+
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「おかえり、ダイヤちゃん!」
「ただいまキタちゃん」
寮へ帰宅したサトノダイヤモンドを出迎えたのは、彼女の親友キタサンブラック。
うんうんと悩んでいた彼女に対し直接聞きに行こうよ、と発破をかけた張本人である。
「どうだった?」
「二人居たんだって。二回ともお兄さんが告白されたって言ってた」
「へー! お兄さんモテモテだったんだね!」
「……そうだね」
キタサンブラックの言葉に、心ここにあらずと言った感じでそう返事をするサトノダイヤモンド。
921/08/26(木)23:30:49No.839504835+
「もう、気持ちは分かるけどダイヤちゃんは気にしすぎだよ! 過去は過去!今を大事にしようよ」
きっと自分が初めてであってほしかったんだろうな。
そう考えたキタサンブラックは、元気づける様に彼女に言葉を掛ける。
「……それもあったんだけど、ちょっとね」
「ちょっと?」
「うん」
1021/08/26(木)23:31:16No.839505048+
違うのなら、なんだろう。
やはり浮かない顔のサトノダイヤモンドに首を傾げていると、ふと彼女の首筋に目が行った
「……あれ。ダイヤちゃん、首に虫刺され出来てるよ」
「!?」
キタサンブラックはそう言って、彼女の首筋に指をさす。
何故か動揺しているサトノダイヤモンドの首筋には確かに、いくつもの痕が付いていた。
「あちゃー……結構噛まれちゃってるね。薬、持ってこようか?」
「あ、後で自分で塗るから大丈夫!」
「そう? 塗るなら早い方がいいよ?」
「だ、大丈夫だから!」
そう言って顔を真っ赤にしながらなんでもないよ、と首を振る。
1121/08/26(木)23:31:28No.839505166+
その虫刺されの痕は、よく見れば人が唇で吸いついた様な形をしているようにもみえた。
1221/08/26(木)23:32:44No.839505732そうだねx2
終わり
お兄さん(婚約済み)の女性遍歴を今更聞いて拗ねるサトちゃんが見たい人生だった
1321/08/26(木)23:33:49No.839506135そうだねx5
めんどくさいなあ!
1421/08/26(木)23:35:44No.839506898そうだねx5
思春期の女の子だからね
1521/08/26(木)23:37:49No.839507800+
JCに婚約指輪を…?
1621/08/26(木)23:39:16No.839508407+
>JCに婚約指輪を…?
成人後に結婚すればいいし…
1721/08/26(木)23:40:27No.839508869そうだねx1
先んじて婚約すればきっと掛かり気味のサトちゃんも落ち着くはずだし…
1821/08/26(木)23:41:23No.839509269そうだねx5
>先んじて婚約すればきっと掛かり気味のサトちゃんも落ち着くはずだし…
また掛かってますよね?
1921/08/26(木)23:45:30No.839510974+
マーキングしたら一応帰ってくれたしこのサトちゃんはきっとそこまで耐性はないんだろう
2021/08/26(木)23:51:06No.839513278+
首筋のキスの意味を調べて真っ赤になりそうなサトちゃんいいよね…
2121/08/26(木)23:51:20No.839513393+
>マーキングしたら一応帰ってくれたしこのサトちゃんはきっとそこまで耐性はないんだろう
でもこれだけのマーキングで我慢できるんだろうか…
2221/08/26(木)23:55:16No.839515011+
ぶっちぎりで先頭走ってても掛かるやつは掛かるからね…
2321/08/26(木)23:56:25No.839515480+
キタちゃんは多分ラオウシンキングなんだろうな…
2421/08/27(金)00:03:49No.839518033+
>でもこれだけのマーキングで我慢できるんだろうか…
脚を溜めて一気に詰めて来そう
いやこのお兄さんゴールはしてるけど
2521/08/27(金)00:18:46No.839523544+
「あの、お兄さん。この間のキスって……」
「……首筋のキスにはいろんな意味があるんだけどね、その中のひとつにマーキングの意味があるんだ」
ダイヤはきょとんとした顔をする。
「マーキング、ですか?」
「そう。こいつは俺だけのものだって、周りにアピールするために付けるんだ」
「あ、あぴーる……!?」
……もしかして、今首筋のキスの意味を理解したのだろうか。
俺の話を聞いた途端、顔をゆでだこの様に真っ赤にして、耳と尻尾をピンと立てている。
「俺はてっきり、わかってるものだから帰ったんだと思ってたんだけど」
「い、いえ……!あの時はあまりに激しいキスだったので恥ずかしくなってしまって、つい……」
そんなに激しかっただろうか。ちょっと強めに吸い付いたのは確かだけども。
「足りなかったのなら、もっとしてあげようか?」
「もっと……!?」
「一回付けても消えちゃうからね。キミが望むなら何度でもするよ」
2621/08/27(金)00:18:59No.839523629+
「もちろん嫌なら嫌で――」
「わ、私も!」
   
「……私も、お兄さんにマーキングしたいです!」
   
その日は一日中お互いの首筋にずっと痕が残っていたのは、言うまでもないだろう。
2721/08/27(金)00:19:37No.839523917そうだねx1
サトちゃんとお互いの首筋にキスマーク付け合いたい
2821/08/27(金)00:23:05No.839525147そうだねx1
本当にキスだけで我慢出来るかな…?


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