部屋に戻り、日が沈み、空に星が浮かび始めた頃になっても、先程の光景が頭から離れない。もしかしたら明日もずっと同じ事ばかり考えてしまうかもしれない。それ程までに、あの世紀末覇王の知らない顔は衝撃的だった。
そして、フラフラと纏まらない思考はある方向へと向かい出す。もしも、私なら、と。

「あ……ぁ……トレーナーさん、ごめんなさい……」

もし自分が、自分のトレーナーとあんな関係になったら。想像を働かせてみても、真っ先に口をついて出たのはトレーナーへの謝罪の言葉。
イメージの中でも自分は彼と口付けを交わすどころか、その直前ですっ転んでしまうばかりで。そんな自分を気遣いながら手を取って起こしてくれるトレーナーの姿が思い浮かぶ。
オペラオーのような雰囲気作りは無理だろう。

「でも……」

もし、トレーナーさんが、あんな風に私の頬っぺたに手を添えてくれたなら。あんな風に私を抱き寄せて、キスしてくれたなら。
所詮想像に過ぎないと言うのに、ドトウの胸の中は、まるで大好きなソフトクリームをたくさん食べた時のような気持ちで満たされた。

「おい、いつまでそうしてンだ？」
「は！？　ご、ごめんなさい……！」

甘い想像の時間は、同室のシャカールに声を掛けられて終わりを告げた。シャカールとしては何やら同居人がいつにも増してボンヤリしているし、口元が妙にニヤけているし、頬がやたらと赤いしで心配になったに過ぎない。
しかしドトウはつい条件反射で謝罪の言葉を口にして、いつものようにペコペコと頭を下げて。

「あ、そ、そうだ……そのぅ……シャカールさん」
「あァン？」
「シャカールさんは──」

シャカールさんは、恋とかした事ありますか？　
ふと、ドトウの頭に浮かんだ疑問。自分の編み出したロジックに基づいて行動するシャカールに、色恋沙汰の経験はあるのだろうか。
くだらねェと一蹴されるか、或いはとっくの昔に済ませているのか。
もしかして自分の知らないところで、オペラオーと同じように自分のトレーナーとやる事はやっているのだろうか。だとしたらいつ頃からだろうか。
そんなことが、ふと気になって。

「──シャカールさんは、いつからトレーナーさんとキスとかしてるんですか？」

口に出た疑問は、やや掛かり気味になっていた。本当は恋をした事があるか、とそう聞くべきだった。これではシャカールが彼女自身のトレーナーと恋愛関係にある事が前提になってしまっている。
しかしドトウは自分のミスに気付かず、シャカールは──

「な、ンな……！？　テメ、何で知ってやがる……ッ！？」
「え？　ええ！？　ご、ごめんなさい〜〜〜！！」

──顔を茹で蛸の如く染め、ドトウへと詰め寄った。ドトウとしては素朴な疑問のつもりだったのだが、どうやらシャカールのウィークポイントに触れてしまったらしい。
何が何だか分からず、ドトウは繰り返し頭を下げ、今までに無い形相を浮かべて迫るシャカールから逃げ出した。

「はぁ、はぁ……また、やっちゃった〜……！」

駆け出したものの、当然ながら行く先も何も決まっていない。無我夢中で走り抜け、辿り着いた先はとある神社。そこはかつて、ドトウがトレーナーと一緒にお祈りに来たところ。

「……あれ？」

何となく石段を登ってみたら、見覚えのある二つの人影。片方はドトウのトレーナー。そして、もう片方は。

「アヤべ……さん？」

ドトウが尊敬している同級生の一人、アドマイヤベガ。かつて、ドトウが奮起するきっかけとなったウマ娘。

「どうして……？」

そんな彼女が、自分のトレーナーに、抱き止められている。

声が出ない。喉元がきゅっと絞められたように息苦しい。胸が痛い。彼と彼女が何をしているのか、それがわからない。

「どうして……」

メイショウドトウに、恋はわからない。

みたいな感じで始まるベタベタなラブコメが読みたい

オオオ
イイイ

大丈夫？ドロドロしてないちゃんとしたラブコメになる？

アヤベさんコケそうになったの抱き止めたとかそういう奴！！

急にコーナーを曲がって加速するな

勘違いだといいなぁ

それぞれのトレーナーとの姿を見るだけなら平和だったのに！

わからないまま終わる恋いいよね…

救いは無いですね

つまりアヤベとドトトレが近い距離感で二人きりで階段を登ってたってことか…

>大丈夫？ドロドロしてないちゃんとしたラブコメになる？
ベタなラブコメならこういうのは大抵ドトウの勘違いなので……

>つまりアヤベとドトトレが近い距離感で二人きりで階段を登ってたってことか…
どうやってもこれやっぱりさ…

あーロジカルに考えるとそりゃセックスだな

>>大丈夫？ドロドロしてないちゃんとしたラブコメになる？
>ベタなラブコメならこういうのは大抵ドトウの勘違いなので……
それなら大丈夫かな…大丈夫かも…

救いはありまぁす！！

救いある続きはないんですか！？

勘違いしてなりふり構わなくなったドトウはいないんですか？…いない？…そう

諦めが悪いから…

奥手な女の子が勘違いから積極的になる展開は私合性

そりゃお前転びそうになったのを受け止めただけだよ
なんなら滑った弾みでドトトレに頭突き食らわしただけだよ
でも勘違いしたドトウは意を決して突っ込んでくるよ
かわいいね

ここにきてまだヤってないはずですからヤれば勝ちですぅとか言い出したら笑う

ぐずぐずみっともなく鼻水出すレベルで泣き散らかして
それでも最後の芯は折れずにこの恋愛レースだけは勝ちたいと奮起するドトウが見たいのですが

出歯亀されたオペラオーや偶然地雷踏みぬかれたシャカールと被害者が多い…

>ここにきてまだヤってないはずですからヤれば勝ちですぅとか言い出したら笑う
私が抱きまぁす！

中学生1人ならセーフだったが…

>わからないまま終わる恋いいよね…
美しいよね

一回ヤったら一気に強気になるドトウ…

いい…

二人とも何をしてるんですかぁ

>>わからないまま終わる恋いいよね…
>美しいよね
いや、多少みっともなくても大団円のほうがいいね！

脚が弱点なので重点的に攻めますぅ

スペさん「いいですか！そういうときはこう言うんですよ！あげません！！って」

メイショウドトウは諦めない…

ベッドヤクザドドウは強すぎるから禁止されたはずでは

このドトウはURA制覇できてないのか…

レースで諦めず勝利を掴んだ子が恋愛で諦めて身を引くのもそれはそれで…

ベッドヤクザとまでは言わないけどソウルの影響で迷いあんまりなさそうだし好んでるフシはあるかも

サイコクラッシャーの練習だよドトウ

>スペさん「いいですか！そういうときはこう言うんですよ！あげません！！って」
実際のスペちゃん言ってない定期

定期て…

あのオージが自分のトレーナーとイチャついてる光景は刺激が強いな…

>ぐずぐずみっともなく鼻水出すレベルで泣き散らかして
>それでも最後の芯は折れずにこの恋愛レースだけは勝ちたいと奮起するドトウが見たいのですが
ドトウにはトレーナーがくれたお守りがあるからな…

>実際のスペちゃん言ってない定期
もの申すならお客人
壺訛りを直してからにして頂きたい

メイショウドトウに、恋はわからない。
故に──

「大丈夫か？」
「う、うん……」

ベガはいつものように星を見に来て。トレーナーは今後のドトウの活躍の祈願のために。それぞれ別の目的を抱いて来た彼らが偶然鉢合わせして。
ベガの脚の調子を心配したトレーナーが、何があっても対処できるように側で待機したところ、予感が的中し。
結果として抱き止めるような形になったのだが、そんな想像すら出来ず。

「す、救いは……ありませぇえええん……！！！」
「ドトウ！？」

最早自分でも何に驚いているのかすら分からず、ボロボロと泣き出してしまった。

当然ながら愛バのそんな姿を放って置けるトレーナーではなく、すぐにドトウへと駆け寄る。彼女が何故泣いているのかわからないが、自分には彼女の涙を止める義務がある。
しかし彼もドトウもベガも、この場の誰もが失念していた。ドトウのドジっぷりを。そして逃げ癖を。

「トレーナーさあぁあああぁ──！？」

足元がやや不安な石段に立つ、情緒が不安定なドトウ。そんな彼女にトレーナーが駆け寄れば、ドトウはつい逃げ出してしまうもので。
つい先刻のベガの再現のように、ドトウはトレーナーの胸へと抱き止められた。

「んんっ！？」

更に、それだけに留まらず。勢い余って、ドトウとトレーナーの唇が重なり。
何とか怪我は避けようとドトウを抱いて身を捻ったトレーナーは、彼女の下敷きになる体制で生垣へと突っ込んだ。

むっ！

「だ……大丈夫！？」

真っ先に動き出したのはベガ。一連の流れを呆気に取られて見ていたが、すぐに倒れ込んだ彼らへと駆け寄る。

「あ……あ、あ！！」
「ドトウ、怪我はない！？　トレーナーさんも！」
「痛っ……俺は、大丈夫。ドトウは──」
「ごめんなさい！　ごめんなさい──アヤべさぁああああん！！！」
「え？……なんで、私に謝るの……？」

ベガが見たところ、彼らに派手な怪我は無い。だけどワンワン泣き出すドトウは止められなくて。しかも謝る先は普通ならトレーナーの筈なのに、ただひたすらに自分へと謝り倒してくる。

「誰か……説明して？」

溜息を吐き見上げた空では、一番星が煌めいていた。

アヤベさんはこういう被害被る

流れ弾すぎる…

被害者が多すぎる…

アヤベさん完全に被害者では…

アヤベさんはそういう星の元に生まれてる

「えっと……つまり、私とこの人がキスしてると勘違いした？」
「はいぃ……」

ようやく泣き止んだドトウを挟み、石段へと腰を降ろしたベガとトレーナー。
単純な事情を説明するのに随分と時間がかかってしまった。空には一番星どころか沢山の輝き。
門限はとっくのとうに過ぎた。寮にはトレーナーが連絡を入れてくれたが、お小言は免れまい。

「救いはありましたぁ……」
「まぁ……よくわからないけど、良かったよ」

メイショウドトウに恋はわからない。故に、自分が何でこんなに安堵しているのか。
頭を撫でてくれるトレーナーの手のひらに感じる温もりも。
勘違いで良かったと心の底から抱いた理由をまだまだ知らないし、これから沢山の山と谷が待ち受けている事を、今の彼女はまだ知らない。

🖕（｀🍥ω🍥）🖕トレーナーさんは私のものでぇぇぇぇぇぇぇす！！！！！！１１１１

そして。

「でも……結構、逞しかったな……」

アドマイヤベガが仄かに染めた頬の色を、メイショウドトウはまだ知らない。

>「誰か……説明して？」
ﾛﾘｳｪｰ

アヤベさん…

みたいな感じのベタベタなラブコメが読みたいって思いついた続きを投げた

いいぞいいぞ！

ウワーッ！？

ドトウ！（ﾊﾞｼｲ）

こ
お
始

>これから沢山の山と谷が待ち受けている事を、今の彼女はまだ知らない。
当面はシャカールだな…

はーっはっはっは！
救いはありませぇぇぇぇん！
誰か…説明してよ…
ｼﾞｬｯｼｬｯｼﾞｬｯ ﾛﾘｳｪｰ

>当面はシャカールだな…
ドトウと違ってシャカールには山も谷もないだろ

二人で共有財産にしちまえばいいんだ

アヤベさんは担当女性トレーナーなんだろうな…

>アヤベさんは担当女性トレーナーなんだろうな…
つまりここからドトトレ×アヤトレの可能性が……？

やめろー！

>>アヤベさんは担当女性トレーナーなんだろうな…
>つまりここからドトトレ×アヤトレの可能性が……？
なんでさらに状況混乱させるような真似を！？

まあラブコメならヒロインが3人くらいいてもおかしくはないが…

コメディだよな？ちゃんとコメディなんだよな！？

>>アヤベさんは担当女性トレーナーなんだろうな…
>つまりここからドトトレ×アヤトレの可能性が……？
すべってますよ

山はいいけど谷はあんまりなくていいぞ
浅いやつにしとけ浅いやつ
水たまりくらいの

ドトウヒロインなんだからToLOVEる現象多発でもおかしくない

>山はいいけど谷はあんまりなくていいぞ
>浅いやつにしとけ浅いやつ
>スズカさんくらいの

ヒロイン側からラキスケしてくラブコメ…アリだな！

定期的にダークネスしてもいいぞ！

（毎回裸にひん剥かれるトレーナー）

>（毎回裸にひん剥かれるトレーナー）
むっ！

二人のウマ娘とのハーレムか...
イイね！！