今日は珍しく真面目にトレーニングをしようと思ったのにトレーナー室に行っても彼の姿は無かった。 なるほどこれがすっぽかされる側の気持ちか、なんて考えながら不貞ること数分。がらがらと勢いよくドアを開けてトレーナーさんが戻ってきた。 ……何か二人ほど抱えて。 片方は見覚えのある制服を、もう片方はフリル多めの黒いドレスを身に纏っている。どちらにも尻尾があるのでウマ娘だろうが…… 「……トレーナーさん。言いたいことは色々ありますけどとりあえず、その人ら誰ですか。」 「おうごめんなスカイ。ちょっとこいつら獲りに行ってたんだよ」 「だから誰ですか!片方ウチの生徒だし!」 「待てって、とりあえず降ろすから」 わっせわっせと運んできてソファに降ろされた二人組を見る。どちらも短めの緑がかった髪に、右耳のシュシュ付きメンコ、タンポポの髪留め……って 「……私?が、二人…???」 そこに居たのは紛れもなく自分自身だった。ドレスの方はそのままだが制服の方はよく見ると髪がちょっと黒い。 両方とも顔を真っ赤にして目を回し気絶しているようだった。 「このドレスを着ているのがブラッドスカイだな。ウマネストから獲ってきた」 「待ってください」 「こっちの制服の方がブラックスカイ。なんでもお前の煩悩やらが分離した存在らしい」 「私の解説はいいんですよ。いや私じゃないけど」 「そんでこっちがちっちゃいスカイだな」 「私ツッコミキャラじゃないんですけどぉ!?」 足元からひょいとミニチュアサイズまで出してきてしまった。じたばたしているけど生き物……? 「まあこれは抱き枕かな……」 「あの、いや、そろそろ説明をですね……?」 「ほら、今日は丑の日だろ?」 「ええ、はい。ウナギ準備してありますけど食べます?」 「あとで頂くよ。それでな、ウの付く物を食べて精を付けるというじゃないか」 「はい、だからウナギを……」 「お前もセイ”ウ”ンスカイだからアリだなって思ったんだよ」 「ほぇ?」 「……ほぇ?」 「えっじゃあその子ら解体して食べるんですか」 「いや性的に食べる」 「はあああぁぁ!?ちょっ、ずる──」 「お前もだぞ」 「いっ……はひ?」 「今夜外泊届だしとけよ」 「……はい…っ」 じくじく疼き始めたお腹が誘うままにオッケーしちゃいました。 その晩3人纏めて美味しくいただかれました。 ちっちゃいのは抱いて寝ると暖かかったです。 「うー…ここは……?」 目が覚めてもそこは真っ暗だった。水音と誰かの悲鳴がどこかから聞こえてくる。 危険を感じて、現状把握のためもうろうとする頭を振って今までの記憶を辿った。 (えーっと、魔王様が居なくなって、それからレイジョーと別れてふらふらしてたら……、!) そうだ、なんだか無性に心魅かれる人がやってきて抱きしめられて…… 「と、とりあえず離れないと……魔法も使えないし……」 手探りで壁伝いに立ち上がりなんとかドアを探り当てた。それを開けると、 「あっ…あなたは!」 「お、起きたかブラちゃん」 あの時私を抱きしめてノックアウトした人が私を見下ろしていました。裸で。 「ぶっ…ブラちゃんなんて気安く呼ばないでください!ていうかなんで裸なんですか!?」 「反応が冷たい……そうか、君は俺のこと知らないよな……」 口ぶりからして私のことを知っているようですがそれどころではありません! 闇に眼が慣れてきたせいで…その…おまたにそり立つものが……うぅ……っ 「はっ、早くそれ隠してください!」 「うーむ…黒ちゃんは記憶を引き継いでいたから良かったが、こっちはダメか……」 「なんの話ですか!?その状態で考え込まないで下さい!」 「分かった、君には手を出さないよ。夜が明けたら帰すから、それまでこの部屋にいてくれ」 「えっちょっ、えぇっ!?」 そのままドアが閉じられて、しばらくするとまた悲鳴のような声が壁越しに響いてきました。 夜が明けたら帰してくれるそうですが、それまでの時間は暇です。いや捕まる前も退屈はしてたんですけど…… (寝よ……) 目を閉じて、意識をシャットダウン。瞼の裏にとりとめもない光景を浮かべ……浮かべて…… 「あーっ!もう!変なもの見せるせいで眠れもしないじゃないですか……!」 下手に目を閉じると延々あのご立派が浮かんで落ち着けない。思い出すとその周りも結構締まってていい体…… 「くぅ……何なんですかもう……っ」 駄目だ、あの人のことを考えるとおかしくなりそうだ。一体あの人は誰なんだ…… 眠ることもできずぐったりぼんやり外の音に耳を澄ませていた。普段はうっとおしく感じる蝉の鳴く音もよくよく聞けば趣があるように感じられていい。 ただその中に水音と、ときおり聞こえる悲鳴が混じるのだけがいただけない。 「拷問でもしてるんですかね?水攻めとか……」 そんなことを独り言ちっていると、なんだかその悲鳴に妙な聞き覚えを感じた。 気になって耳を澄ます。何かをリズムよく押し付けられているような、そんな悲鳴。 いいや、悲鳴ですらない。いやいやと拒絶しているように聞こえても、その声音には歓び?があるような…… というか…… (私の…声……?) ちょっとトーンが違うような気もするが、あの今は余裕の無い、余裕ぶってそうな声は自分の物によく似ていた。 その発想に至ったが最後、扉の向こうで自分が拷問されているのを盗み聞きしている奇妙なシチュエーションで脳が固定される。 ほっとけばよかったものを、つい気になって扉を覗いてみてしまった。 寝台に組み伏せられた私そっくりな女の子が、裸で腰を突き出している。 そしてその腰をさっきの男がわしづかみして、あの反り立った凶悪なものをそのお尻に突き立てる所だった。 (な、なあっ……!?) 穴に入れるには太さも長さも規格外に見えるアレがぴったり彼女に収まってしまう。 そんなものを受け入れても、彼女は苦しそうな、嬉しそうな声を上げてふりふりと尻と尻尾を媚びるように振っているだけである。 男がソレを何度か突きなおす度に、あの子の体はびくびくと跳ねて歓びの嗚咽を漏らすばかり。 (な……な……) 眼前で全く何が行われているのか分からないのに、それでもその行為から目が離せず、ただ沸きあがる未知の感情に困惑していた。 ウマネストは剣と魔法のファンタジー世界である。 故にその世界には生殖の概念は無い。なのでえっちなことの概念も無い。 しかし、現実世界に無理やり引っ張ってきたことで機能だけが備わってしまい、結果として『無知だけど肉体は食べごろのセイウンスカイ』が爆誕したのだった。 ちなみにセイウンスカイなのに変わりは無いので例外なくトレーナーに対して被特攻持ちである。 目の前で行われている行為の熱に当てられて彼女の体も発情を始める。秘裂には蜜が滲み、血流が巡って全身が火照り始める。 (なにあれっ…なにあれぇっ……❤) 情事ののぞき見はやめられないまま、調子の狂う体を鎮めるために手を回す。 けれど撫でさすっても、つねってみても、びりびりと甘い痺れが回るばかりで余計拍車がかかる。 痺れは脳に届き、脳はそれに反応してもっと腹の底に熱を貯める。自我は意味を理解しなくとも、無意識はきちんと用途をわきまえている。 (……っ……❤ふっ……❤) 滾々とおへその裏から蜜が分泌され、下着を濡らしていく。何が起こっているか、何をしているのかも分からぬまま自分を鎮めるために必死で手を動かした。 彼の腰のペースが速くなり、それに合わせて彼女の声も短く高くなる。自分の中の昂ぶりも同時に上がっていることには気づけない。 「スカイ……っ、出る……っ!」 「あぁっ❤出してぇっ❤いっぱい出し…っい”───────ぅ❤❤」 (……あっ❤なにか……っ!?) 男の竿が一番深くに叩き付けられ、女の体が大きく反りかえる。それと同時に自分の中で快感が爆発した。 (~~~~~~っ❤❤❤❤❤) 暗い視界が明滅し、ふわふわとした心地よさに満たされる。がくがくと体が痙攣し、その震えすら気持ちよくて仕方がない。 体から力が抜けて、物音を立てながら崩れ落ちてしまう。そしてそれに気づいた彼と、覗き見していた視線がかち合う。 (やば……❤) 横向きの視界の中を、彼が歩いてくる。 「……のぞき見しながらイッちゃった?」 「……わ、わかんにゃひ……❤」 べっとりと汁で汚れたそれから目が離せない。捕まったが最後彼女のようになるのは目に見えてるのに、体が言うことを聞かない。 「…杞憂だったっぽいね。やっぱり君もスカイだ」 「しらにゃひ…っ…❤」 抱き上げられてベッドの上に連れていかれる。あそこからでは見えなかったもう一人、髪の黒い自分が、同じく裸でみっともなく股から汁を垂れ流していた。 恍惚とした表情の二人を脇に、寝かされた自分のスカートを彼が無遠慮にまくり上げる。 「だめっ……」 「前戯は……いらないな」 下着もなされるがままずり下げられ、見るばかりだった業物が下腹部にあてがわれる。 直に触れるそれは先端から先の残りをにじませて、今にも破裂しそうに震えていた。 「ブラちゃん」 「はっ…はひ……」 「挿れるよ」 「っ❤」 このままでは、自分のそっくりさん二人の二の舞である。あの棒で叩きのめされて躾けられてしまう。 元とはいえ私も魔王軍の幹部。こんな人間にいいようにされたとあっては再会したときにレイジョーに馬鹿にされるに決まっている。 そう、なんとかして逃れなければ──────── 「や、」 「や?」 「やさしく……してください……❤」 「あうぅっ❤」 勢いよく、用途不明だった穴に肉の杭が撃ち込まれる。 「ひどいっ❤❤やさしくしてって言ったのに❤❤」 ぶちぶちと体を引き裂かれる感覚はあったし、異物が入り込んで圧迫感だって凄まじい。 だがそれ以上にあるべきところに物が収まった充実感と、彼を受け入れることができた多幸感で全てがどうでもよくなる。 「ひっ……ぐっ……❤」 「ほら、ここに全部収まってるぞ」 「あああっ❤だめっ❤なでちゃだめっ❤❤」 大きく、ごつごつした手が強く下腹部をさする。内から外から圧迫され、安心感で脳がふやけてしまいそうになる。 「さすさすいやっ❤おかしくなるっ❤」 「弱点もまんまスカイだ。お前はこうされるの好きだな」 「あああっ❤❤」 執拗に、慈しまれるように手の平がお腹を包み込む。ただ撫でられてるだけなのに、お腹に入っている芯と合わせて気が狂いそうな感覚が彼女を襲う。 自分がどこかへ行きそうな、さっき感じたのより一回り大きいものの存在を感じてたまらない。 「ほらほら」 「だめっ、ほんとにっ❤やっ❤あっ!ああああぁ~~~~~っ❤❤❤」 シーツを全力で握りしめ全身の感覚が浮き足立つのに耐える。自分の中から何かが抜けていく感覚、その恐怖が快楽に塗りつぶされる…… 波が収まり、ぴったりハマっているお腹の中の軸と、いまだに当てられている手のひらの温かみを頼りに徐々に自分を手繰り寄せていく。 「はっ……はひ……❤」 呼吸の感覚を取り戻し、ようやく視界も安定してきた。繋がってる股のあたりが飛沫でも散ったかのように冷えている。 体勢を立て直す間、彼は何のつもりかじっと待ってくれていた。 「……ひっ……ふぅ……もう、満足でしょう」 「何言ってるんだ、本番はこれからだろ」 これから、その一言が持つ圧力に脳が理解を拒む。 そうしている間にも、ゆっくりとそれが引き抜かれていく。解放されるなんて呑気な考えはできず、むしろ──────── 「ふんっっ」 「~~~~~!?❤❤❤❤❤❤❤❤」 悲鳴すら出ない、圧倒的な一撃。 先ほどのすら軽々超える、自覚できない絶頂が意識をもみくちゃにし、魔王の幹部を一人の女に叩き落す。 それが、何度も何度も襲い来る。 「あっ❤あっ❤あっ❤ひゃだっ、ほんとに❤これいじょうだめぇ❤❤❤」 一番奥に穂先がめり込むたびに思考がショートし、自分が幹部たる誇りある自分を忘れていく。 喪失の絶望も一突きで塗り替えられ、それを嘆く暇だってどこにもない。 絶叫じみた嬌声が部屋中に響き渡る。それがさっき盗み聞きしていたものとそっくりなことも、もう分からなくなっていた。 息も絶え絶え、全身の感覚は常に浮遊し、自我の所在も怪しくなったころ。 「スカイ……そろそろイくぞっ……」 その声だけがはっきり脳に届いた。 詳しい意味は分からないが、そのニュアンスははっきり理解する。 あの子をのけぞらせ、撃沈させたアレが来る。 あんなに恐ろしく見えた行為なのに、それが今は待ち遠しくて仕方がない。 震える手を伸ばし、精一杯に、乞い願った。 「はひっ❤トレーナーさんっ❤大好き❤」 「ぐっ……!」 最後に深々と穂先が最奥に突き刺さり、直後胎内でそれが爆発した。 (熱っ❤❤あっ❤いまいっぱいでてるっ❤❤) はっきりと脈動を感じる。何かが自分の一番深くに注ぎ込まれていく。 反応した子宮がそれをぐんぐん吸い上げ、その袋を彼でいっぱいに満たしていく。 注入された熱が体中を震わせる。 (しあわせ……❤) 今もまだ、固さを持って自分とつながっている人に完全に心を許した瞬間であった。 ……~❤ (……?何か……) 言い表せない感覚を覚えた。劇的な快楽を生むものではなかったが、抱きしめてるだけで、じんわり心が温かくなるようなそんな感覚。 何でもいいから抱きしめたくなって、余韻に浸っている彼を抱き寄せる。 「……ブラちゃん」 「トレーナーさん……❤」 トレーナー。彼は一度も名乗っていないのに、確かにそう呼ぶべきだと感じた。 「トレーナーさん、それでこれどうするんですか……」 「私はセイちゃんの中に還ればいいんですけど」 「……❤」 翌朝、三人のセイウンスカイに囲まれてトレーナーは将来設計に苦悩していた。 セイウンスカイとは一生添い遂げるつもりなので問題ない。黒ちゃんも半分くらい同一存在なのでいいだろう。 ただブラッドスカイはゲームの中に帰らずここに居座る気満々だ。今も腕に抱き着きながらうつらうつらと微睡んでいる。 そうすると、色々問題が出てくる。突如湧いて出た人間の戸籍とか身分とかどうするのだろうか…… 「ていうか、いつまでくっついてるんですかブラちゃん!離れてください!」 「そうですよ!セイちゃんもちゃんと抱きしめてください!」 「黒ちゃん余計なこと言わないで!」 「うるさぁい……」 ……まあ何とかなるだろうと高をくくるトレーナーであった。