URAから数年。すっかり私の本能も鳴りを潜めて、トレーナーさんの朝ご飯を作るのが日課となりつつある今日。私と一緒に退職して家庭に入ったトレーナーさんは、朝が苦手なようでいつも私より遅く起きる。だけど、朝一緒に食卓を囲えるのは、それを帳消しにするほどの幸福だった。 「…おはよう、スカイ。今日もおいしそうだね。」 寝ぼけて目をこすりながらこちらへ歩いて、朝のキスを交わしてから食卓に座る。私の料理の腕も中々に上がったのかな、なんて思いながら私も座る。そうしていると、子供部屋から一人歩いてくるウマ娘がいた。 「おはよう、お母さんお父さん」 眠たげに挨拶をして、自分用の椅子に座る。あと一つの席を残して、家族はほぼ揃った。 「おはよう母さん父さん!ごめん今日は早く行かなきゃだから!」 そういって、食卓の上にあるパンだけを加えて急いで飛び出すウマ娘。一番上の長女で、今年からトレセン学園に入学した期待のホープ。慌ただしい子が一人、ドアを閉めて駆けだしていくと、食卓には少しの笑いがこぼれた。|1 「…あの子も、変わらないよね~、ほんと。」 朝のモーニングを食べながら、トレーナーさんに話しかける。 「スカイも変わらないよな。可愛いところも、キレイなとこも。」 「…もう。」 「…いや、あの時よりはもっと美しくなったかな。」 毎回、こういうずるいことを言うのは反則だと思う。でも、あの時からあんまり変わってないのは、少しうれしい。複雑に思いを巡らせてから、家族団らんの時間を楽しむ。 「それじゃ、いってきます。」 次女を見送って、家には二人だけとなる。食器の片づけをしているトレーナーさんの後ろから、少し軽めに抱き着いてこう提案した。 「…ね、トレーナーさん。デイジーも大きくなったし、さ。…その、もう一人、欲しいかなって…」 食器を洗う手が止まって、濡れた手で私の腕を握る。冷たいはずなのに、温かさが体を巡ってぴんと糸が張る。 「…今夜、出かけようか。夜ご飯は作って、ミライに任せよう。ミライも、いいお姉さんだろうしね。」 誘いが了承されたので、今夜することへの期待を高める。少し抱いたまま食器を洗って、互いにキスし合いながら日常を過ごす。それのせいで高まる興奮を何とか抑え、欲求を溜めに溜めていく。 夕方に日が落ちて、カラスの鳴き声も聞こえ始めたころ。夕食の支度をしながら、出かける準備をする。 トレーナーさんが夕食を作っている間、少し着飾りながら準備をする。右耳につけた耳環を撫でて、胸の高ぶりを無理やり気味に抑えながら、紅潮する頬を隠す。 「…それじゃ、行こうか。」 トレーナーさんの差しだした手を取って、ゆっくり歩きながら向かう。一歩一歩、こつりこつりと響く靴が緊張を高めて、張りつめる糸を引きちぎらんばかりに引き伸ばす。 着いた先のホテルでチェックインを済ませて、上階のそれなりにいい場所に落ち着ける。荷物を置いて、緊張をごまかすためにいろいろ考えていると、トレーナーさんがこう言った。 「…先、シャワー貰うね。」 そういって、シャワー室に。直後流れたしゃああ、という水の切れる音がこれから行われることを自覚させる。 ああ、私は、今から、トレーナーさんと… 何度もこなしてきたこの情事は、好きではあるけどやはり慣れはしない。どきりどきりと痛く弾むそれが、そう示していた。|3 数十分後、体を拭きながら腰にタオルを巻いたトレーナーさんがシャワー室から出てくる。そのあと、そそくさと服を脱いでそのままシャワー室へ。トレーナーさんのものであろう匂いが少し籠っていて、緊張が加速する。 髪をとかしながらシャワーを浴びて、ひとまず汗を流す。シャワーの熱によるものか、期待による熱なのか分からないほどに体は火照り切って、緊張が徐々に解れていく。 シャワー室を出、バスタオル一枚のままベッドに腰掛ける。トレーナーさんも待っていたようで、いつも寝るときのように二人でゆっくりベッドに入る。 「…きれいだよ、スカイ。」 短くぽつり、そう言ってからわずかな主張をする胸を優しく撫でる。周りをゆっくり撫でられて、ぴんとたったそれを焦らすように優しく。右耳のリングを優しく触りながら愛を囁いて、私の体はもうすでに準備が完了しようとしていた。 「…ふ、あ…ん…とれ、なあさん…すきです…っ」|4 精一杯それにこたえるように、キスをねだる。唇がゆっくりと溶け合って、互いに境目も分からなくなったところに舌が入る。ぐずぐずに混ざり合う唾液を味わいながら、糸を作って息を入れる。そうしてまた唇を合わせて、また息継ぎをして。二人が口で交わう中、トレーナーさんは下半身のほうへと手を伸ばしていた。 「…もうこんなに。スカイはえっちだな。」 軽く触って、ねっとりした体液を私の前に広げる。眼前でゆっくり落ちていくそれを見つめながら、どうしようもなく興奮は高まっていく。 そうして鳴らすようにスローな指使いで、体のボルテージを徐々に上げていく。ぴりりとした気持ちよさが来るけど、ぴんと立って主張する胸のそれには遠く及ばず。帯電したように溜まるその不満を、トレーナーさんが優しく発散させてくれた。 「…こんなに立っちゃって。いけない子だね、スカイは。」 そういって、指先でちりちりと刺激する。ぴりっ、ぴりっとした感覚が体を伝って、興奮は最高潮へ。 「んひっ…はぁ、はぁ…だめ、です…っ、きちゃうっ…きちゃいますからっ…」|5 小さく喘ぎながら、それを止めるように懇願する。けど、その指はむしろ加速の一途をたどって。下半身からくるものと合わせて、先に自分だけ達してしまう。 「んひっああっ…!ひぐっ…!」 情けなく布団を濡らし、トレーナーさんの指を体液で染める。快感に浸りながら、トレーナーさんの差し出した指を舐めて更に求める。目つきが変わったトレーナーさんが覆いかぶさって、腰のタオルを脱ぎ捨てる。 現れた、私の体躯に合わないほどの大きさのそれを見つめてしまう。いつも交わっているとき、普段はよく見えないそれは度々こういう時に見せられる。そして、それに貫かれる自分を想像して、甘く快楽に溺れる。 「…ほら、おねだりしてごらん。」 入口でつるつると滑らせて、それを求めるようにトレーナーさんは耳打ちする。既に蕩けきった右耳のカバーを外されて、リングをこりこりと触りながら私を陥落させようとしてくる。 頭と舌が良く回らなくて、精一杯の誘いの言葉も出ない。ほしい、ほしいと暗に仄めかすように、ぎゅうっとトレーナーさんに抱き着いた。 「…よく頑張ったね、偉いよスカイ。」|6 頭を撫でられながらそういわれて、体は限界に昇る。ぷしゅり、という音が私のそこから排出されて、ベッドを汚していく。鼻息を荒くしながら、私にあてがったトレーナーさんがこう言った。 「…子供、作ろうな…っ!」 頭の中が蕩けるような感覚と一緒に、それが一気につきこまれる快楽が頭を巡る。びちっ、とした電撃のような気持ちよさが臀部を中心に全身に広がって、胸にぴりっとしたものが溜まる。慣らすように私の中でぐり、ぐりと内壁を撫でつけていくと、声が自然と漏れていく。 「ひゃぁっ、あんっ…ひぎっ…はぁーっ、はぁーっ…とれーなっあっ…さんっ…!きすっ、してくだしゃいっ…」 舌を伸ばして、キスを懇願する。それにこたえるように、いきなり舌を絡めた濃い口づけを仕掛けてくる。完全にほぐれた身体と緊張をごまかすように、めいっぱい舌を絡めてそれを返す。卑しい水音を部屋中に響かせながら、銀の柱を形成してまた貪る。|7 そうして長くキスをしてから、トレーナーさんの下半身が動き始める。準備の整ったそこからは、溢れるような愛液が掻き出されていく。首が浅いところに引っかかるたび、びりっとした欲望が体を駆け巡る。 「…可愛いよ、スカイ。スカイのえっちなとこ、もっと見たい。」 そういって、抱き着いている私の腕を解かずに腰を起こして深く挿す。奥に当たるそれが私の中を圧迫して、あまりの気持ちよさに言葉を失う。 ゆっくり回転させながらぐりぐりと刺激してくるそれは、なんだかじれったくて。胸に宿る欲求も復活し、さらに激しく求める。けど、トレーナーさんは一切激しくしなかった。 「…またおねだりしたら、やってあげるよ。」 そう耳打ちして、ぐちゃぐちゃになっていた思考をさらに溶かす。言葉を言わないと見るや、トレーナーさんは動くのを止めてしまった。 「にゃあ…にゃんで、うごかないんでしゅか…?」 必死に絞り出した言葉をトレーナーさんにぶつける。すると彼は、耳をいじりながらこう言ってきた。 「スカイが言わないと、動けてあげない。」 意地悪な人だ、と思いつつも快楽には抗えず。頑張って、なんとか回らない舌を回して懇願する。|8 「う…ごいて、くだしゃい…っ♡とれーなっ、しゃんとの…こども…くださいっ…♡」 すこし腰を動かしながら、トレーナーさんの顔を見る。私のその言葉に笑ったかと思うと、ゆっくりと抜いて一気に突き刺してきた。 ばちゅん。大きく肉がぶつかる音がして、私の意識がきらきらと光る。間髪入れずに、私の控え目な胸をいじくって、休む暇も与えてくれない。 くりくり、といじくるその指に私は抗えなくて、声を漏らしながら何度か達する。ゆっくり大きく繰り返されるストロークにへろへろになりながら、トレーナーさんを離すまいと腕を解かない。そうして何度か突き上げられた後、中のものが大きくなるような気配を感じる。 「…スカイ、一回出すぞ…っ」 「はひっ♡だひてっ♡あかちゃんつくってっ♡」 すっかり仕立てられた私は、食べられるのを待つだけの魚となってトレーナーさんにキスをする。下品に音を響かせて、密着した胸が擦れて体が熱くなる。数回、打ち付けられた腰が止まって、ぶるりと脈動して精が吐き出される感覚を下腹部に得る。 びゅるるるるるる、びゅくり、びゅくく、ぼびゅり…|9 ぴったり吸い付いた子宮に、大量に吐き出される命の塊は、瞬く間にそこを埋め尽くしていく。出される快感に悶えて、トレーナーさんの肩に寄りかかると、出しているにも関わらず腰を動かしてくる。 「にゃぁっ♡にゃんでっ♡まられてるのにぃっ♡」 それには答えず、先ほどとは違うくらいに乱暴にストロークを続けて、私がしゃべる暇もなくす。そうして間もないうちに、大量なそれが襲い掛かってくる。 「孕め…っ!スカイ…っ!」 トレーナーさんの声しか聞こえない世界で、囁かれる愛の言葉。私の心の余裕はすでになく、それをそのまま受け入れてキスをするしかなかった。 びゅるるる、びゅく、びゅく、ぐびゅう、びゅくっ… 脈動する下半身のそこから微かに聞こえる、愛を成すファンファーレ。どうしようもなく蕩けきった私の体を求めるトレーナーさんが、長いキスをして意識は一旦途絶えた。 ぱん、ぱんと肉を打つ音で目が覚める。目の前には、トレーナーさんがいて。汗まみれでいる二人が、一つに見えるほどにぐちゃぐちゃに交じり合って。突然与えられた快感に、変な声を上げながらおはようのあいさつを唇に入れられる。|10 「ふぎゅっ♡ひぎっ♡んぢゅっ♡ふっ♡とれーなっ♡あっ♡さんっ♡」 互いの水分を交換し合って、上の口でも艶めかしく交じり合う。上でも下でも繋がって、本当に二人で一人のような感覚を覚える。一度口を離したかと思うと、傍にあったスポーツドリンクを口に含みまたキスを仕掛けてきた。 喉からゴクリ、と音が鳴りさらに互いを深めていく。何回目かもわからない、ひどく深い、それでいて幸せに満ち足りた絶頂を迎えて、少量の愛液でトレーナーさんを汚す。 「…っ!スカイッ!スカイッ!」 一心不乱ともいえるその様子に、私はさらに興奮を高めてしまう。トレーナーさんに散々いじられた胸や耳がぴんと立って、トレーナーさんの背中に手を回してさらにねだる。汗でずるずると滑り、胸の周りが熱くなる。 もはやトレーナーさんの体力も限界に近いのか、最後にこう言ってくる。 「…絶対、孕ませるからな。」 普段とは違う、乱暴だけど私を強く求める声。さらに早くなるストロークに私は情けない声を出しながら、トレーナーさんの情けを欲しがる。|11 「はひっ♡とれーなーさんのっ♡あかちゃんうみますからっ♡くだしゃいっ♡とれーなーさんのっ♡こどもっ♡」 最後に密着しながらキスをして、下半身が少し圧迫されるような気がして。そう思ったとたんに、大きな濁流と共に押し寄せた快楽が、私の意識を刈り取ろうとする。 びゅぐっ、びゅるるるるるっ、びゅくっ、びゅちっ、びゅち… 最後だというのに吐き出されるその体液は、濃い匂いを出しながら私の子宮へと叩きこまれる。既にみちみちとしていた子宮から、トレーナーさんの精子が居場所を争って外に漏れる。汗と体液で汚れ切った布団に横たわりながら、トレーナーさんに抱かれてそのまま眠る。その幸せな時間を享受しながら、意識はまたしても闇へと落ちていった。|12 起きたころにはトレーナーさんは帰り支度を済ませていて、私たちの体液で汚れ尽くしたシーツも丸めていた。ぽやぽやと寝ぼけていた私を着替えさせて、立たせようとする。けど、先の交尾で完全に腰が抜けきっていたので、なかなか立つことが出来ない。それを見かねたトレーナーさんは、私をお姫様抱っこの形で持ち上げる。最初は意識がはっきりしなかったけど、徐々に状況を理解して顔を赤くする。 「…もう、恥ずかしいですからっ。降ろしてください…」 「…こうなったのは俺の責任だしさ。今日ぐらい、いいだろ?」 ずるいなぁ、ほんと。そう思いながら、トレーナーさんにキスをねだる。軽くちゅ、とした後にまた今夜な、と言われてまたしても顔を赤くする。 「…可愛いよ、スカイ。一生、離さないから。」 「わっ…私、だって。一生、愛してます。」 チェックアウトして、ホテルから出る二人。その異様な恰好に衆目の関心を引いたけれど、それもなんだか楽しくて。二人でいろんな会話をしながら、帰路についた。|13 後日、ミライから「…そういうことするのに家でやらないのは、いいんだけどさ。」なんてちょっとした諫めを受けちゃって。にゃはは~と受け流すと次女のデイジーには「次は妹?弟?」なんてことをも言われた。その場を切り抜けて寝室に逃げると、トレーナーさんが待っていた。出来てるといいね、なんて言われながらお腹を撫でられる。何故かそれに興奮しちゃって、少しお情けをもらう。 更に後日、妊娠検査キットで調べたところ見事に命中していたことが分かった。それをトレーナーさんと喜んで、さらにミライやデイジーにも打ち明ける。デイジーは純粋に喜んでたけど、ミライはなんだか複雑な表情を浮かべていた。 日に日に大きくなっていくお腹を撫でながら、トレーナーさんと月日を数えていく。すっかりミライも慣れ切って、次に生まれる子のために色々興味を持ってくれた。また子供が生まれる、ということでおじいちゃんも若干呆れ気味に祝福してくれた。同期も、気遣ってか毎日のように入れ替わりで様子を見に来てくれる。 私は、とても幸せ者だ。|14