「ごめん、ちょっと次のレースについて考えてた」
フジキセキに言い訳を返しつつ、思い浮かべるのは昨日実家から言われた言葉。
電話で近況報告をしたのだが、『落ち着いてきたのなら、アンタもそろそろ結婚を考えてみたら？』などという御言葉をいただいてしまったのだ。
しかしトレーナー業は中々の激務。相手を見付けるのも難しい。
たまの休日に出掛けても気付けばフジキセキとのトレーニングに活かすことばかり考えてしまう。
フジキセキならどう喜ぶか、アレはフジキセキが好きそうだ……などと無意識に考えてしまう中で、マトモに婚活など出来るのだろうか？
少し前まではここまで彼女を意識する事は無かったのだが、ここ最近は不思議と今まで以上に彼女に魅力を感じてしまうようになっていた。
「考え事なら一緒にカフェテリアに行くのはどうかな？　ご馳走するよ」
「ん……ああ、ごめん。大丈夫。ありがとう」
一言謝り、その後は軽く今後について話し合い、トレーナー室を後にした。
流石に本人にこの話を伝える訳にはいかない。

門限も過ぎ、フジキセキとヒシアマゾンも寮長としての業務を終えたであろう時間帯。
ベッドに横になり身体を休ませながらも、頭からは昨日の事とフジキセキの事が頭から離れてくれなかった。
いっそ彼女を実家に紹介──だなんて、そんなのはいくら何でも有り得ない。
相手は年下だし教え子。俺はそういうつもりで彼女の担当トレーナーになったわけじゃない。
……いくら先日、夢の中で彼女に不埒な事をしてしまったとしても、だ。
「……そうだ。もう、いっそのこと……」
ふと、先日ベテランの先輩トレーナーから貰ったあるものを思い出す……確か、アレは……ああ、あった。
「ここで……いや、流石に……でも、彼女にこんな気持ちをぶつけるくらいなら……」
机の引き出しから取り出したるは、『そういうお店』の名刺。
余りにも荒療治であるし、生徒達にも軽蔑されかねないが、これで女性観をリセットする事は出来るかもしれない。
「ま、最終手段だな……」
名刺を枕元に置いて、目を閉じる。
季節の変わり目で疲れているせいか、程なくして夢の世界に飛び立つ事が出来た。

だから、部屋のドアがゆっくりと開いて、誰かが入ってきていることにも気が付けなかった。

私、フジキセキは常にエンターテイナーである事を心掛けている。
ある時はレースで、ある時は舞台で、ある時は手品で。手を変え品を変え、みんなを驚かせ笑顔にする。
その為には日々の研鑽を怠ってはならないし、その裏にある種と仕掛けを悟られてもいけない。
特に、今から私が狙うターゲット……トレーナーさんには。

「お邪魔しまーす……なんてね」

音を立てずにトレーナーさんの部屋のドアを開ける。
警備員さん達には顔パスで通れているし、鍵は『魔法』を使えばすぐに開く。
「良かった。ちゃんとお休みしてくれてて」
ベッドで安らかな寝顔を浮かべるトレーナーさんにホッと一息。
何だか今日のトレーナーさんの様子はどこかおかしかったし、もしかしたらちゃんと眠れていないんじゃないか──だなんて思ったけど、杞憂だったみたいだ。
安心して私は日課に移った。

トレーナーさんのスマートフォンとPCを確認し、怪しげなメールをチェックする。
同窓会のお誘い──削除。きっと出世した彼を狙う不埒な輩に違いない。
温泉へのお誘い──は、私の方から彼女に掛け合って取り下げさせよう。トレーナーさんに気を遣わせるわけにはいけないからね。
その後、一通りメールと履歴の確認を終えて一息吐く。
今度は箪笥を確認する。古くなっているシャツや下着を回収し、新しいものと交換する。
全ては忙しいトレーナーさんの為に。
いつも私の期待に応え続けてくれている彼に尽くす事は、この上ない喜びを私に与えてくれた。

これで一通り作業は完了。
「あとは……っと」
ポケットから小さなスプレー瓶を取り出し、部屋全体に軽く吹き掛ける。内容物はアグネスタキオンに作ってもらった特殊な香水……のようなもの。
私の体液を元に作られたこれの匂いを嗅ぐと、徐々に私の匂いをより好ましいものだと感じるようになる、との事。
最初は眉唾物だと疑ったけど、ここ最近の彼の目線の動きを観察するに、どうやら効果は正常に発揮されているみたいで。
「いつもありがとう。私と一緒にいる時間が君にとっての安らぎになることを祈っているよ」
そして、最後の仕上げ。
「ん、んんっ……『俺はフジキセキを魅力的だと思っている』『俺はフジキセキに好意を抱いている』『俺はフジキセキを抱──」
一つ咳払いをして、彼のモノマネを眠る彼の耳に囁き掛ける。
ここ最近は、毎晩こうして彼に尽くすのが日課になっている。
全てはトレーナーさんの為なのだから、苦になどなる筈もない。
今までも、そしてこれからも、トレーナーさんが一番に接する相手は私なのだから、こうして私に好意を抱いてもらう事で、より彼の仕事を円滑にする事ができるようになるんだ。

二時間ほど囁き続けて、私の瞼も少しずつ重くなってきた。
このままトレーナーさんの隣で眠りたい欲求に駆られるけれどそれはまだ早い。
どんな手品も種と仕掛けが肝心。焦っては今までの仕込みが台無しになってしまう。
彼に余計な気を遣わせない為に、こうして夜な夜な日課に励んでいるのだから。
名残惜しいけど、今夜はここで……おや？
「この、名刺は……へぇ？」
ひらりと、トレーナーさんの枕元から落ちた一枚の紙切れ。
それに示された内容に、私は新しい日課を増やす事を決めたのだった。

し…思念誘導…

洗脳というか催眠というか…

>し…思念誘導…
トレーナーさんの業務がより円滑になることを願ったフジ寮長の心遣いですが？

トレーナーの女性観が破壊される話かと思ったら…

寝てる間にフジに色々されたいよね

トレーナーのセキュリティが破壊されてる…

>一つ咳払いをして、彼のモノマネを眠る彼の耳に囁き掛ける。
>ここ最近は、毎晩こうして彼に尽くすのが日課になっている。
ウワーッ！？
>「この、名刺は……へぇ？」
ウワーッ！？

仕事しろ警備員！

大丈夫？これトレーナーの価値観までダメにされるやつじゃない？

洗脳されている…

こ、怖い…

>ポケットから小さなスプレー瓶を取り出し、部屋全体に軽く吹き掛ける。内容物はアグネスタキオンに作ってもらった特殊な香水……のようなもの。
>私の体液を元に作られたこれの匂いを嗅ぐと、徐々に私の匂いをより好ましいものだと感じるようになる、との事。
いやタキオン何やってるんです…？

露見したらやべーぞ！って思ったけど理事長は黙認ッ！しそうなのがひどい

種と仕掛けの準備は大事だからな…

もしもしアグネスタキオンどうなってるの

>洗脳されている…
マジシャンは身振り手振りで観客の視線や心理を誘導するけれどそれは洗脳とは言わないだろう？
それにこれはパートナーがより働きやすい環境を整えているに過ぎないよ

大丈夫？瞳の色がちょっと怖いことになってない？

どいつもこいつも不法侵入のプロばっかりじゃねえか！

そんな事しなくてもこのトレーナーはフジキセキの事しか頭にないと思う

あくまで相手から来てほしい寮長
これは乙女ですね

寝てるトレーナーさんのハロン棒をうまだっちさせて手ぴょいしてスッキリさせてあげるフジ寮長ください

>どいつもこいつも不法侵入のプロばっかりじゃねえか！
窓から入り込むやつ
魔法をつかうやつ
壁から入るやつ
この学園の治安はどうなってるんだ

…乙女だ

そのうち種を仕掛けてもらおうとしてる……

魔法ってピッキングじゃない…？
>二時間ほど囁き続けて
なそ

鴨を前後不覚にして出し汁と具材が入った鍋に落とし込む…

(この薬をずっと使われているがタキオンの走りこそが至高なので特に影響がないモルモットくん)

名刺の電話番号とかを自分のに書き換えとかしてそう

知らない内にお腹が大きくなるマジックの為に種と仕込みをしちゃうんだ…

鴨葱というか下拵えというか
なんだろうねこれ…

これ鴨がネギどころか鍋背負ってくるように仕向けて誘導してない？

鴨を加工中

精肉してる…

見ろよトレーナーさんの部屋を片付けているフジ寮長の横顔
ありゃどう見ても恋する乙女だぜ

トレーナーも相当惹かれてるけど寮長も惹かれてるからな…

どうせ押せば落ちるから普通に戦え…

>名刺の電話番号とかを自分のに書き換えとかしてそう
デリヘル読んたら来るのか

>どうせ押せば落ちるから普通に戦え…
普通に戦うのは恥ずかしいとかそういう…？

デリヘル呼んだら担当バが来た
とかあの世界のavによくありそうな設定

>見ろよトレーナーさんの部屋を片付けているフジ寮長の横顔
>ありゃどう見ても恋する乙女だぜ
なお実際にやってることはストーカーそのものである
愛怖いなあ！

>この学園の治安はどうなってるんだ
担当バとトレーナーの間柄での事なんだから何も問題ないだろう？

>鴨葱というか下拵えというか
>なんだろうねこれ…
調理？

>デリヘル呼んだら担当バが来た
>とかメジロシティによくありそうな実話

狩りだよ狩り！

鴨が葱しょって鍋にはいるように誘導してやがる
まあフジトレは若干クソボケの気があるから仕方ないな

デリヘルに電話した時点で性欲が溜まってる事とうまぴょいOKという意思表示に他ならない
もうお分かりですね？和姦成立です

(消しゴムでポケットがパンパンの警備員)

必要ないように寝ている一発ヌいておくのか
朝だっち一発するのか

>(消しゴムでポケットがパンパンの警備員)
ウワーッ汚職の現場！？

>デリヘルに電話した時点で性欲が溜まってる事とうまぴょいOKという意思表示に他ならない
>もうお分かりですね？和姦成立です
そうはならんやろがい！

>>(消しゴムでポケットがパンパンの警備員)
>ウワーッ汚職の現場！？
一向に消しゴムですが何か問題ありますか理事長？

夜のうまぴょいはトレーナーと寮長どっちが強いんだろうな…

1個5000円の消しゴム…

>1個5000円の消しゴム…
無関係の古物商に持って行って換金しちゃうんだ…

あくまでフジはトレーナーがもっと仕事をやりやすくなるようにと考えてのことなんだ
何もやましい事はないんだ

>夜のうまぴょいはトレーナーと寮長どっちが強いんだろうな…
一心同体の相手から求められる多幸感に耐えられるウマ娘はいない

どちらも掛かっています、一息つくまもありはしません

この寮長ちゃんとハイライトある？大丈夫？寮長の仕事できてる？

ヤンデレ寮長…？