自分も整体やマッサージ、ストレッチの勉強をしていたのと、
近頃腰辺りに疲労を感じていたため、マッサージ屋に興味が沸いていた
だが、その勲章とやらには無縁であったため、対価を払う事ができない

ならば、自分が世話しているたぬきにやらせたらいいのではないかと言う
……今思えば、完全な悪ノリを思いついたのだ…

自分は今、サイレンススズカ似のたぬきの世話をしている
コイツは足が速く、その分足まわりの筋肉はしっかりしているはずだ
刺激があるほど施術の効果があると言うのは、今では疑問視される話なのだが、
それでも自分に対してするなら、プラシーボ効果も狙ってちょっと強めでやってみたい
つまりこのスズカたぬきなら最適ではないかと考えたのだ

しかし、コイツは勲章はいらないが、走る事しか考えて無いようで、人の話を聞かないと言う問題がある
背中の上で足踏みをしてくれと言う単純な願いだって無駄だろう

そこで簡単な…工作とすら呼べない案を実行に移した
まず、部屋を駆け回っているたぬきを捕まえ、無理の無いようロープの片方を体に縛り付ける
次に天井にあるフックにそのロープのもう片方を通し、先を引っ張って吊るすような形でたぬきを引き上げてみる
うまく固定できているようで痛がっている様子も無く、元気に空中で足をパタパタと動かしていた

これで持っているロープの上げ下げでたぬきの高度も変わる
後はたぬきの下でうつ伏せになって、ロープを調整しながら上手く背中を踏ませると言う算段だ

……そして案の定、失敗した

「ぎゃわああああああああ！？」
背中を踏ませる事自体は成功したのだが、コイツの脚力を舐めていた
たぬきの足が背中に触れた瞬間、風を切る音と共に激痛が走る…勢いが良すぎたのだ
背中がえぐれるかのような感覚に、つい持っていたロープを手放してしまう
後はもう、自由になったたぬきが再び部屋中を駆け巡りだす…寝転がっている自分も踏みつけながら

「いででで…」
結局あの後、たぬきが靴を履いて外に飛び出すまで、自分は床と同化していた
今回は完全に自業自得だ…怪我をしたからってたぬきのせいではない
とは言え、この痛みを放っておくわけにもいかないので、学園の医務室に向かう事にしたのだ

「…すいませぇん」
「はーい、どうかいたしました？」
扉を開けると芦毛のウマ娘の校医さんが出迎えてくれた
近くの椅子に座るよう促されたので、おとなしく座る
「ちょっと背中とかを怪我しちゃって…酷ければ病院に行こうと思うんですが、その前に見てもらえれば」
「わかりましたわ……あら…あらあらまぁまぁ…」
校医さんは、驚いた様子で自分の首に手を伸ばす
「いでっ」
「真っ赤になっていますわね、ふふっ」
触れられたところに痛みが走る…どうやら背中だけではなく首元もあの足ギロチンの餌食になって、擦り切れていたみたいだ

校医さんは消毒液やガーゼを取り出し、まずは首元の治療にとりかかってくれた
「…聞いてもよろしいのかしら？このキスマ…いえ、怪我は誰にやれまして？」
「実はたぬきにやられまして…あっ自分サイレンススズカに似ているたぬきの世話をしてて…」
「たぬき！？あの小さい方のスズキさんにですの！？」
「あ、知ってますか？…はは…いや今回は無理やり扱おうとした自分が悪いのですが」
「無理やり扱う！？」
なんかすごく驚くなこの人
「えぇ、アイツにマッサージをやらせようとしましてね」
「マッサージ…スズキさんに？…えっと、マッサージリフレと言う物かしら？そういう『付随効果』がついているお店もあるとは聞きますが…」
「それです、それです、自分もそういう店に興味があったのですが、中々縁が無くて…」
「…ずいぶんとはっきり嗜好を語りますわね…それでスズキさんにやってもらおうと？」
「？…はい…たぬきがやっている店の噂を聞いたんですが、できるならもっと刺激がある方が良いかなと思っちゃって」
「え…たぬきのお店…刺激のある…えっと、そうですの……あ、首の方は終わったので、服を脱いで背中を見せてくださいます？」

首の治療を終えたらしく、次の指示がきた
言われた通り服を脱ぎ、後ろを向いて背中を見せる
「その…ずいぶん激しかったみたいですわね？」
背中の消毒と触診をしながら校医さんは会話を続ける…言い方からして結構酷い傷なのだろうか
「ははは…まぁ怪我自体はいつもの事ですけどね…」
「いつも！？いつも怪我をするほどのハードな事を！？」
そう、アイツのヤンチャっぷりはいつもの事
今回ほどじゃないがアイツの走りに巻き込まれて軽傷なんて言うのもそれなりにあった

「いったいどうやって『マッサージ』をしようとしたのかしら？」
「えーっと、まずアイツをロープで縛って吊るして…」
「本当にいきなりハードですわ！？あの子痛がるのが好きですの！？」
「？いえ、終始痛がってなかったですよ？むしろ宙に浮くような感じが楽しそうでしたし」
「テクニシャンですのね！！？」
ずいぶんと強い声で変な褒め方をされる…何なんだ…

「…それは大変お盛ん…いえ、怪我を見ましたけど軽い打撲と擦り傷だけですわね、このまま治療いたしますわ」
「？…あ、はい」
ぺたぺたとガーゼが貼られていく感覚が背中から伝わる
「……その…人と人との関係と言うのは色々ありますけれど、スズキさんは今回の事もそこまで嫌ではなかったとわたくしは思いますわ」
「？？？えっと…そうなんですかね…？」
「だって、あの子が嫌がって本気を出したらこんな傷じゃ済まないはずですわ」
「それは…そうですね」

確かによくよく考えれば、アイツの脚力はそれこそウマ娘並だ
本気で駆け回るのに巻き込まれたら骨折どころか下手すれば死ぬだろう
そうはならなかったのは、あいつが室内と言う事を認識してパワーセーブをしてたと言う事なのかもしれない
そうじゃなければそもそも部屋の中が大惨事になっている…

アイツも何だかんだ自分との生活に慣れてきたと言う事だろうか

「ですから、今回の事もちゃんと謝れば許してくれると思いますわ」
「…それは…そのつもりです、先ほども言いましたが今回は完全に自分が悪いので…アイツの場合、謝る言葉も我関せずって聞かなさそうですけど」
「ふふっ…それでも行動で示すのは大切ですわよ？」
「わかりました」
今日の夕飯はニンジンハンバーグに決定
それで機嫌が良くなるのを祈るとしよう

「あ、でも…そもそも、アイツ何やらさせられてんのか分かってなかったとも思うんですけどね…」
「それはそれで問題ですわ！？一心同体に反してましてよ！！！」

こいつはこいつでクソボケすぎる…

ウソでしょ…シティどころか校内でもイメージプレイしてる…

メジロかと思ったらアンジャッシュだった

>こいつはこいつでクソボケすぎる…
トレーナーもスズキも色ボケしてないからなおのことたちが悪い
勘違いしてる保険医さんが問題でもあるが

メジロシティのマックイーンがツッコミ役だと！？
…ツッコミでいいのかこれ

緊縛プレイ大好きなペド野郎のそしりを受けてしまうのでは？

このシリーズいつも癒やされるから助かる

ひどい話だけど笑ってしまった

どこにでもいるなこの芦毛…

部屋の中ではちゃんと靴を脱いでいたとか
さりげなくトレーナーとの生活に馴染んだ様子とか仕込んでるのかなこれ
オチは相変わらずひどくて大好きだが

>どこにでもいるなこの芦毛…
女医プレイとか普通にしてそうだし…

トレーナーと遊び終わったからきちんと靴履いてお出掛けしたんだな…
しかもちゃんと戻ってくるって思ってるから気にせずトレーナーも医務室行ったんだな…
ｷﾃﾙ…

アンジャッシュウマ娘久しぶりに見た…ウマ娘？

>アンジャッシュウマ娘久しぶりに見た…ウマ娘？
アンジャッシュしてるのはクソボケと芦毛のウマ娘の女医さんだから何ら問題はない

マックイーンがうまぴょいしたのかって聞けばすれ違いが起きなかった
悲しい事件だった

空中で楽しそうでなにより

スズキとトレーナーの日常自体はどたばたしながらもほのぼのしてるんだがな…
それにメジロを絡ませられるんだからある意味すごい

本気で蹴られてたら呼吸出来なくて死んじゃうだろうしな…
それはそれとして拘束されたのは嫌がってるけど

このスズキとトレーナーの関係がすごく好きだ

多分だけど嫌がってたら拘束にも宙吊りにもされる前に暴れて抜け出すだろうし
遊びかなにかと勘違いしてそう

自由だなスズキは

スズキ何かんがえてるのかわからんし…

たぶん普通に頼めば背中を踏んでくれる
そして(加減をしなくて)失敗する

スズキは〜♪と背中の上で普段走ってる時の脚で踏みまくる
トレーナーは死ぬ

>「？いえ、終始痛がってなかったですよ？むしろ宙に浮くような感じが楽しそうでしたし」
>「テクニシャンですのね！！？」
これヘブン状態と勘違いしてない？

このトレーナーキスマークと勘違いされそうな傷を晒したまま学園内を歩いたの？…大丈夫？

スズキがキスマークのつもりでつけてたらいいな…

>スズキがキスマークのつもりでつけてたらいいな…
もしそうだとしたら
スズキトレーナーじゃなく普通のウマ娘トレーナーがやばい
自分の踏み跡がマーキングと言う事になるわけだから…

>自分の踏み跡がマーキングと言う事になるわけだから…
スズキ自身はそのつもりはなくてその噂だけが独り歩きした方が展開的にありそう…

>>自分の踏み跡がマーキングと言う事になるわけだから…
>スズキ自身はそのつもりはなくてその噂だけが独り歩きした方が展開的にありそう…
ゴルシがいらん勘違いされちまうー！！

>ゴルシがいらん勘違いされちまうー！！
…それは本当に勘違いですか？

この芦毛のウマ娘さんもいいキャラだ

🐴芦毛の女医さんに診察していただきたいですね…

多分君が知っている人物ですよ…

むぅ…蹄マーキング…！
なんかもうすでにそんな怪文書ありそう

>🐴芦毛の女医さんに診察していただきたいですね…
ジャスタウェイお前…

ただの擦り傷をエッチの痕と勘違いした保険医が悪い
でもこの保険医だとしょうがないと言う説得力がある

スズカたぬきはウマ娘に近い生態と言えなくもないのか…

自重がかかっても食い込む縄が痛くないとか地味に器用なことしてるなこのトレーナー…
それはそれとして今度は何のプレイですかメジロ饅頭…

メジロシティがあるんだ
たぬきくらい誤差よ

今回は新規開拓と一心同体違反と相殺で割引貰えてなさそう

>今回は新規開拓と一心同体違反と相殺で割引貰えてなさそう
そもそも校内の保健室だぜ！
いやちょっと待て学園内で何やってんのあの人たち

ロープで縛られてる時に嫌がるんじゃなくて「？？？？」ってなりながらも大人しく受け入れるスズキを想像して和んだ