栄光のURA決勝から幾数年が経った。 あの優勝を先駆けとして、俺が緋色の少女と積み重ねた勝利は最終的には両手足で数えるには足りないほどになる。 唯一無二の女王、ダイワスカーレット。トゥインクルシリーズを総嘗めにした彼女にはドリームシリーズへの期待もかかったものの、マスコミが集う会見で、彼女は一番の一本指を高らかに掲げターフを去った。 俺はその時誓った。最強のままであり続けた彼女の伝説を、終わらせてはいけない。 もーっ。何度聞いたか分からない声がする。 その日、俺は風呂の椅子に座らされ、頭を洗われていた。 仕事熱心なのは良いけど……と言い淀む。担当だった少女と、その子供達を養う為の仕事と家事。トレーナーとして担当を持たず、専ら顧問業として学園を支える日々となったが、多忙を極めるのは相変わらずだった。 遠隔で業務と育児を往復し、引きこもりがちな日々を続けるうち、身だしなみを咎められ半ば強引に風呂場に連れ込まれていた。 子供じゃないんだから、しっかりしてよね。小言を聞き流しながら頭を洗われていると、後頭部に当たる乳房の柔らかさが心地良い。 シャンプー流すわよ、という声と共に頭を下げると、女性らしさと力強さを両立したがっしりとした脚が目に入ってくる。 現役の頃に比べればいくらかふっくらとしているが、何人も子を産んだ身体とは思えない綺麗な身体を維持していた。 そう。引退後、彼女は次にすることはこれだとばかりに早々に籍を入れ、レースの賞金をやりくりして表舞台から身を引くと、子を安産でぽこぽこと産んだ。 レースでの強みだったフィジカルの頑健さは、引退してなおここで発揮されていたようだ。 二人で風呂に入るのは何年ぶりだろう。 現役時代と、学園を卒業してすぐ以来だろうか。すぐに子供の世話に追われるようになってしまったが、こうしてスキンシップをするというのも良いものだ。 そう思いながら、湯船で彼女の片手で収まらない乳を弄ぶ。少し力を入れると、滲み出た母乳がお湯に溶けていく。 赤ちゃんの分なくなっちゃうから、おしまい。早々に乳をしまわれる。役割を主張していた陰茎にも気付かれたが、さっき出したんだから、こっちもね。と呆れられてしまった。 せめてもと別れのキスを軽く交わし、風呂を上がる。お互いの身体を拭いてやるのは、昔と変わらなかった。 廊下の空気で身体を冷ましていると、ドア越しにリビングで子供たちが何かしているのが見えた。 この生活を始める前。この人数での生活を見越して、稼いだ賞金の多くを部屋の数に割くことになったが、それでも子供たちのプライバシーは無いようなものだ。 いい年して風呂でいちゃつく親が言える義理ではないが、親の監督の及ぶ範囲というのは子供の内緒の遊びに重なってしまうのだろう。 中の様子を覗き込み、ドアをそっと開ける。ソファーで、長男の2014が長女の2003に覆い被さって腰を振っていた。 母親の少女と、軽く顔を見合わせる。 鉛筆のように頼りない性器が姉の中を出し入れする度に、2003は母によく似た嬌声を上げていた。 2014も、まだ母親に甘えたい盛りなのだろう。だがその今横にいる母親は、自分より下の子の世話でいつも手一杯だ。そのせいか2003の母によく似たボリュームの乳房を吸い上げ、子宮に還ろうと懸命に腰を振る。 2003は必死の形相の弟を胸に抱き寄せ、弟の子種を腟内に受け止めていた。 事を終えたあたりのタイミングで、大きなため息を一つ。母親の少女が、静かに部屋に入っていく。 もーっ、またお姉ちゃんにそんなことして。2014の濡れそぼった性器を拭いてやりながら叱りつけた。 だが、まだ甘え盛りの歳の子に、お兄ちゃんになるんだからの言葉は酷だろう。 俺は数少ない男家族の気持ちを汲み、たまにはお母さんが一緒に寝てあげなよ。と声をかけた。 ニ、三言葉を交わし、母と手を繋いで子供部屋に戻っていく2014。その性器はまた徐々に上向いていた。 そしてこちらは息が上がったままの2003に、お疲れ様、と声をかける。 はにかんで笑う娘の顔に些かの嫉妬心が湧き、潰れ蛙の姿勢のままの娘に陰茎を挿入すると、2014の子種を塗り潰すべく、中の奥底まで挿し込んで射精した。 そのまま寝息を立ててしまった2003に毛布をかけた頃。お父さん。声に振り向くと、パジャマ姿の2008が子供部屋から下りてきていた。 2014が部屋に戻ったせいで、起きてしまったのだろう。気の毒に。一人が我を通すと、誰かが割を食う。大家族の宿命だ。 だからこそ、自分が調整弁になってやらなければならない。 悪いな、起きちゃったか。娘の母親譲りの栗毛を優しく撫でてやる。寝起きで蕩けた緋色の瞳が自分を見つめ返してくる。 隣、うるさいから。お父さんの部屋で一緒に寝よう? 無邪気な笑顔。もちろん断る理由など無い。兄弟姉妹の不平不満を解消するのも親の努めだ。 腕にしがみつく愛娘の柔らかさを感じながら、夫婦の寝室へ連れて行った。 あの母親が学園に入学する前は、まさしくこんな感じだったのだろう。 2008の、発育が終わったばかりのふわふわの乳房に顔を埋め、グミ菓子のような乳首を舌で弄んでいると、あの時最後の会見場で誓った自分の使命が沸々と滾ってくるのを感じる。 ダイワスカーレットという偉大な勝利者の血を、色濃く遺し次代に繋げる。 いつか俺がこの世からいなくなっても、俺の血を持つ子達がスカーレットの血を継ぐ子と家族として共にあり、共に走り、栄光を分かち合う。 そして愛しい愛バに抱かれ、血を繋いで何度でも一番となるのだ。