悶々とした気持ちを抱えながら、ゆっくりとタヌキをあやす彼を眺める。
しかしこうも思うのだ。
「私達に子供ができたら、こんな感じなのだろうか」
思わず二人で顔を見合わせ、クスリと笑い合う。
こうしていると可愛いんだけどなぁ……タヌキの頭をそっと撫でてやる。
どことなく私に似ていると彼は言うし、せっかくならばスズカが作っているとか言うタヌキの勲章を私も作ってみようか。
そうだな、サウジアラビアRCのトロフィーに似せたやつにしてやろう。
ふふっ……起きた時が楽しみだ。

「んゅ……」
あさだ……ねむい……とれーなーくん、おはようのちゅーして……っでぇ！？
「待て待て！誰だその女は！」
トレーナーくんと抱き合う女だと！？いつの間に、浮気か！？
ふわふわの子供っぽいパジャマを翻し、彼に近づく。
「おい！誰だ君は……え？」
おかしい……これは、私か？
自分の寝顔など見たことがないが、それでも自分自身だと断言できた。
訳がわからない、とにかく話を聞かねば。
「起きろ、起きてくれ、はやくはやく！」
「んゅ……」
きょろきょろと私？はあたりを見渡す。
「あさ……ねむい……とれーなーくん、ちゅーして……うわあああサウジRCトロフィーだし！？」

スポン！
勲章作りにベッド脇に持ってきていたそれを目に入れた途端、急速に彼女は頭身を縮めていき、数瞬の内に見慣れたタヌキの姿を取る。
「何が……起きたんだ？」
「サウジやだし……こわいし……」
ジタバタと胸に上で跳ねるタヌキが流石に邪魔だったか、彼が目を覚ます。
「おはよう、ルナ。今日は早いんだね」
「トレーナーくん！聞いておくれよ！」
結論から言うと、私の夢だったのではという結論に達した。
それ以外に全く説明がつかない以上仕方の無い事だが、どうにも腑に落ちない。
「一体君はなんなんだろうな……」
「放せし……触るな……」

「これ、いるかい？」
しょんぼりしながら勲章をタヌキに見せると、途端にジタバタをやめてこっちを見つめてくる。
「ありがとう、私は君を見誤っていたようだ」
「はえ？」
「つけるし……マイルの王者だし……さわるな……」
もう何がなんだかさっぱり理解できない。
けれど、それから時々タヌキは生徒会室に入ってくるようになってきた。
よれよれのメモに、何かを書き記してすぐに出て行く様は、ある種の名物となっていって。
どれどれ、今日は一体何を書いているんだろうか。
「こうていのこうてい」
く、くくくっ、平仮名で書いてちゃあ何もわからないじゃないか。
なんだ、案外似たようなセンスの生き物なのかもしれないなぁ。

それはそれとルナちゃんは欲求不満

さわるな……

ひょっとしてタヌキじゃないんじゃないか？

たぬきはウマ娘の欲求が形になったもの説かな

ウマソウルの具現化

育成失敗した会長の成れの果てかな…

こんなたぬきが私のはずがない…お前は私じゃない！

>こんなたぬきが私のはずがない…お前は私じゃない！
そうだし…
たぬきはたぬきだし…

いつの間にか入れ代わってるんだよね…

怪異すぎる…

ふむウマソウルが受肉や憑依ではなく分霊のようなシステムだとすれば存在がエラーのようなたぬ「さわるな……」

>そうだな、サウジアラビアRCのトロフィーに似せたやつにしてやろう。
とんでもねえイヤミだし…

最終的にルナとたぬきはシンクロします

我はたぬきだし…
真なる我だし…

そのうち本妻の座は貰うし...

そのうちルドルフとたぬきは中身が入れ替わる

ウマ娘の欲求不満が溜まっていくと漏出したウマソウルが形を成すように

ようせいさん的な何かになっとる

>ウマ娘の欲求不満が溜まっていくと漏出したウマソウルが形を成すように
嘘でしょ...なんで私の所に来るの...

何だこの最近のジャンプラの読切にありそうな話

ジャンプラで連載するし...シンデレラグレイが行けるならなんでもありだし...

さわ…ルナ…

その内たぬきと会長が一つになり最強のシンボリルドルフが誕生しそう

>「こうていのこうてい」
⤵⤵⤵⤵

校庭にいる皇帝の肯定だ
こうていにおもえ！

>こんなたぬきが私のはずがない…お前は私じゃない！
シャドウを否定しちゃダメだ

中盤中身が入れ替わるホラー的なやつかと

ヤバイ…がっつり読んでしまった…

>嘘でしょ...なんで私の所に来るの...
走ることで欲求が解消されてるスズキさんはたぬきから見ると清らかに見えてるのかもしれない

ぴょいを我慢しつづけるルナちゃんの爆発のほうが恐ろしいのでは

これホラーなのでは？

なんかタキオンみたいな口調のルナちゃんだな