「長かった…これまでフジキセキと出会ってからえーっと…」

「253回」

「そ、そう！ 253！ 俺は負け続けて負け続けた！ だが今日は…」

「まぁそれは今年に入ってだから、前々のも勘定に入れるともっと多いけどね」

「は、話の腰を折るんじゃありません！ ともかく、長い間舐め続けてきた辛酸の日々を、フジキセキ、今日からは君が味わうことになるんだ！」

「それはそれは、君から舐められるように見られてきた私の胸も報われるというものだね」

「ぶはっ！？ 見てない、見てません！ というか何でいっつも勝負服着てくるんだよ！」

ぼんっとトレーナー顔がゆでだこみたいに熱をおびていく。フジキセキの勝負服はスタイリッシュで男装的な雰囲気をまといながら、フリル付きのブラウスの中にあるたおやかな双丘を見せつけるように開かれた胸元、そこに垂れるネクタイという、男も女も子供もおねーさんも魅了する美麗かつ煽情的な出で立ちである。

これがトレーナーには苦手であった。生まれて四半世紀を過ぎようとしているがトレーナーには女性と親しくするという経験に恵まれず、三回は来るというモテ期には縁がなく、丁寧にお釣りを渡してくるコンビニの女性に心臓が高鳴ること心筋梗塞を起こしそうな勢いだし、キーゼルバッハ部位の脆弱性はウオッカと比肩する。
つまりよく言えば純情で、硬派で、奥手であり、悪く言えばヘタレで、むっつりで、童貞であった。
そしてフジキセキはトレーナーと勝負するときはいつも決まって勝負服を着てきていた。勝負なんだから勝負服を着てくるのは当たり前だろうとフジキセキはのたまうが、そのせいで自分は勝負に集中することができずに毎回負けを味わうのだ、と負けるたびにトレーナーは三桁に昇るチラ見を棚に上げている。まぁこれに関して半分は当たっていた、もう半分は純粋にトレーナーが勝負に弱かっただけだった。

「ともかく！ 引くからな！」

「おっと、待ってくれ。カードをシャッフルさせてくれないかな？」

トレーナーがカードに手を伸ばそうとすると、フジキセキはその尻尾をふりふりと椅子の隙間から泳がせながら二枚のカードを手の中で混ぜ始めた。

ふふふ、いよいよ追い詰められたようだな、とトレーナーは心の中でほくそ笑む。普段のフジキセキならこんな子供がやるような誤魔化しをやるはずがない、つまりそれほど焦っているのだ。トレーナーは自分の勝ちをここで確信した。
フジキセキがカードの一枚を自らの胸の谷間に挟むまでは。

「はい、どうぞ」

「いやなにやってんのお前！？」

むにっと柔らかな二つの正しく贅沢な肉と書いて贅肉の間に挟まれたカードに震える指を指しながらトレーナーが叫んだ。

「なにって、シャッフルしただけさ。さぁどうぞ」

「バカなの！？」

爽やかに微笑むフジキセキにトレーナーの体派爆発寸前のボイラーのように熱を持っていた。フジキセキの手には一枚のカードが残されている。考えなくてもトレーナーには分かった、こちらはジョーカーだ。
つまり勝つにはフジキセキの胸からカードを引き抜く必要がある、それができなければジョーカーを引けというのだ。こちらにジョーカーが渡った場合、フジキセキはトレーナーの分かりやすい表情によって瞬時に勝ちをもぎ取るだろう。

今ここで、フジキセキの乳房に手をやらなければ負けるのだ。だがそれはクソヘタレなトレーナーにはハルウララをアリマ記念で優勝させろと言われたよりも難易度が高いことだった。

「ふふ、大丈夫かい？ 顔から火が吹きそうだよトレーナー」

「だ、黙らっしゃい！ 大人をからかいよって、いいさやってやる…やってやるぞ…ふぅー…ふぅー…！」

目を細めて深い笑みを見せるフジキセキに、トレーナーは意を決してゆっくりと手を伸ばす。どうやらヘタレ心よりも、勝ちたいという意志とスケベ心が上回ったようだった。
しかし息を荒くして、目を血走らせながらウマ娘の胸元に手を伸ばす姿は誰がどう見ても変態のそれである。

「飛び出てる部分を掴めばいいんだ…そうだ…」

両腕で少しばかり挟まれているせいで強調されているゆで卵のようにつやつやとしている肌に震える手でトレーナーは手を伸ばす。垂れているネクタイが脇にいるせいでより一層それは強調されていて、思わず違う方向に手が行きそうになるのを鋼鉄の意志で何とか方向修正し、前へ、前へ、とにかく前へ。目指すは雪の原に春の訪れを知らせるように飛び出しているカードである。

「掴んだ！」

そうして一時間にも思える一分の後に、震えながらついにトレーナーの手はフジキセキの胸から飛び出たカードを掴んだ。勝った、勝ったのだ、ついに俺は悪魔の誘惑を打ち払い長きに渡る戦いを制したのだ、声援を、祝福を！
トレーナーは万雷の拍手に包まれる幻想を抱いたが、実際は軽蔑と通報の眼差しの方が多かった。此処が学園のカフェテリアだということはもはやトレーナーの脳から消えうせていた。

「おっとっと」

その時だったフジキセキが不意に少しだけ腰を浮かした。胸の位置が大きく移動し、結果トレーナーの手がむにっとフジキセキの谷間の中に収納される。
むにむに、むにゅむにゅ、すべすべ、むちむち、もちもち、色んな情報がトレーナーの脳へと電気信号によって伝えられ、瞬時に血管が膨張し、心臓はBPM320を瞬間的に記録し、キーゼルバッハ部位は限界を迎え破裂し鮮血を鼻から迸らせる。

「きゃあああ！？」

「あんっ…」

乙女ような悲鳴を上げてトレーナーが飛び上がり、手を引き抜いた。ぼだぼだと垂れていく鼻血をハンカチで抑えながらフジキセキを見ると当の本人は涼しい顔で彼を見て微笑んでいる。

「あ、あ、あのねぇ！ 乙女がねぇ、こんな事やっちゃねぇ！ ねぇ！」

「ふふふ、引かれてしまったね」

「え？ あっ！」

トレーナーが引き抜いて手を見て見るとそこにはしっかりカードがあった。抜くときにしっかりとカードを掴んでいたのだ。勝った！ 多大な犠牲を払いつつもついにフジキセキに勝ったんだ！ 俺は勝ったんだ！ トレーナーはジョーカーを見ながら思わずうれし涙を目に浮かべてしまう。長き戦いがついに…

「ん？ ジョーカー？」

手の内のカードをよく見る、ピエロの格好をした男がトレーナーをあざ笑うかのように描かれていた。あれぇ？ と思考が氷のように固まったトレーナーへ、フジキセキは手を伸ばして持っていたカードを引き抜くと、揃ったペアをテーブルに置いて席を立つ。

「楽しかったよ」

そうして去り際に、その頬に勝者の印として254回目のキスを送ってフジキセキが去ると、やっとトレーナーは一杯食わされたと理解してテーブルの上にダウンした。トランプが宙を舞い、鼻血と涙で濡れ、うわ…と通りすがる者の気味悪いものを見たような声が響いた。

フジキセキが胸のボタンを閉じながら歩いていると、横に並びながらヒシアマゾンが肩を叩いた。

「好きなら好きといっちまえばいいのに」

「私はこれでもエンターテイナーだからね、そういうことはもっとドラマチックに…」

「つまりあっちから好きだと言ってほしいんだろ」

それにフジキセキは答えない。ただ目を逸らして歩くのを見て、ヒシアマゾンはあっはっはと笑うとまた肩を叩いて歩き去っていった。

「さっさと私に勝ってくれないかな」

一人呟いたあと、さてあそこまで自分で自分を追い詰めても土壇場で日和ってやっぱりいつものように勝ってしまったこちらに問題があるのだけどね、と次は心の中で独り言つ。

「ポニーちゃん、か…」

素直になるまでいつまでかかるやら、そう思いながらフジキセキは遠くでキャーと自身に向かって黄色い声を上げているポニーちゃんたちに笑顔に手を振った。

む！！

寮生にフジキセキに取り次いでくれる様頼んだらゴミを見る様な目をされてそう

エッチ…

ここは1発度胸をつけるためにそういうお店で童貞だけでも捨ててくるかと言ったらすごい顔で睨んできそうなフジキセキだ

フジキセキから翻弄されたい委員会の者ですフジキセキは土壇場になると焦るタイプだと強く推すものであります

よくウマ娘のトレーナーになれたな…
このハンデ込みでも通じる程の力があるって事か…

個人の場ではトレーナー以外に胸を見せないんだ…

>ここは1発度胸をつけるためにそういうお店で童貞だけでも捨ててくるかと言ったらすごい顔で睨んできそうなフジキセキだ
あまりにもすげえ目で見られるんで、なんだよ俺の勝手だろって言ったらふーんそれはその通りだね。じゃあ私も私の好きにさせて貰おうかなとかなんとかって言われて押し倒されて跨られるところまでは視えた

>>ここは1発度胸をつけるためにそういうお店で童貞だけでも捨ててくるかと言ったらすごい顔で睨んできそうなフジキセキだ
>あまりにもすげえ目で見られるんで、なんだよ俺の勝手だろって言ったらふーんそれはその通りだね。じゃあ私も私の好きにさせて貰おうかなとかなんとかって言われて押し倒されて跨られるところまでは視えた
トレーナーが我慢してるのは分かってるさ、でもね、それ以上に私のが我慢の限界なんだよと言ってトレーナーの唇を奪う寮長までは幻視した

フジキセキさん妙にオープンスケベな印象あるよね

(レースに関することに関しては勝負強いトレーナー)

風俗に行くトレーナー
出てくるフジキセ子
いかん発想がメジロシティだ
でもウィッグつけて思い切り女の子っぽい格好されたら分からんかもしれない…

誰にでもあんなことしてるのかな…ってモヤモヤして欲しいトレーナー

女の子とはたくさん付き合ったりした事ありそうなイメージはある

>風俗に行くトレーナー
>出てくるフジキセ子
>いかん発想がメジロシティだ
>でもウィッグつけて思い切り女の子っぽい格好されたら分からんかもしれない…
普段しないような女の子女の子した格好で出てくるんだけど、「俺がフジキセキのこと見間違えるわけなんてねえだろ！」とかなんとか言われちゃう展開ってことまで視たんですけど、そういうことでいいですか？

>フジキセキさん妙にオープンスケベな印象あるよね
実際オープンだしな…

>普段しないような女の子女の子した格好で出てくるんだけど、「俺がフジキセキのこと見間違えるわけなんてねえだろ！」とかなんとか言われちゃう展開ってことまで視たんですけど、そういうことでいいですか？
キザな感じじゃなくてめっちゃびっくりしながら言いそう

こういう関係でいざと言うときに男が情けなくもかっこよく告白するのがみたい委員会の者です

>その頬に勝者の印として254回目のキスを送ってフジキセキが去る
なんでこれでトレーナーは気付かないの朴ニンジンなの？

>>風俗に行くトレーナー
>>出てくるフジキセ子
>>いかん発想がメジロシティだ
>>でもウィッグつけて思い切り女の子っぽい格好されたら分からんかもしれない…
>普段しないような女の子女の子した格好で出てくるんだけど、「俺がフジキセキのこと見間違えるわけなんてねえだろ！」とかなんとか言われちゃう展開ってことまで視たんですけど、そういうことでいいですか？
もう一本行ってみよう💉

>>その頬に勝者の印として254回目のキスを送ってフジキセキが去る
>なんでこれでトレーナーは気付かないの朴ニンジンなの？
（フジキセキは皆にそういうことしてるんだろうな…）

>>>その頬に勝者の印として254回目のキスを送ってフジキセキが去る
>>なんでこれでトレーナーは気付かないの朴ニンジンなの？
>（フジキセキは皆にそういうことしてるんだろうな…）
クソボケがーっ！

普段から可愛いポニーちゃんって言いながらおでこにキスしてそうなイメージあるからな…

>>その頬に勝者の印として254回目のキスを送ってフジキセキが去る
>なんでこれでトレーナーは気付かないの朴ニンジンなの？
フジキセキ委員会の者ですこの童貞トレーナーはこのくらい誰にでもやってるんだろうな…と思っていて自分だけにされているなんて露程も思っていませんだから童貞なんです

フジキセキに好きな人いるのか？って聞いたら自分を見つめながらいるよって返されてもそうかいるんだな…そうだよな…で落ち込むトレーナー委員会の者です

結ばれた後にゲームで勝った以上の回数夜の敗北を喫する寮長の怪文書を希望します

これはフジ先輩も悪いよ

>結ばれた後にゲームで勝った以上の回数夜の敗北を喫する寮長の怪文書を希望します
むぅ…負けたがりフジキセキ…

ライアンと同じ漫画読んでそう

トレーナーの前以外では閉じてるのか…
でもノーブラだな…

やっぱりフジ先輩はドエロなんじゃ…？

エロじゃない子があんな勝負服着るわけないでしょ

今まで抑えていた分お猿さんになったトレーナーに潰れたカエルみたいされちゃうんだ

相手が照れて真正面からぶつけてこないから余裕ぶれてるだけで
ストレートに好きだ！！！って言われたら今度は自分が顔真っ赤にして照れちゃうフジ寮長ですって！？

童貞の性欲を舐めてたらグチャグチャにされてしまうフジキセキ
あると思います

耳年増っぽい寮長だ！
ありがとうございます！

好みの文体だ

トレーナーのおにんじんを見たらフリーズしそうなウマ娘杯にまた一人エントリーか…

なんだろうこの椎名高志あたりの絵で再生される感じ

最初の頃は童貞のトレーナーをリードしてたけど回数重ねる内にどんどん上手くなって弱点も覚えたトレーナーにいつの間にかハメ潰されるようになるフジキセキなんて…

ホテルのベットの上で背中合わせで二人黙っているのが似合うステークス一番人気

どれどれ…トレーナーくんのポニーちゃんにご挨拶といこ
ボロンッッッッッッ
…………ふぇ？

うまぴょいの時二人して鼻血だすんだ…

こういう童貞のにんじんはでかいって相場が決まってるからな…

読んでて楽しい文章

フジキセキ怪文書流行れ…もっと流行れ……

「ニップレス貼ってるから平気だよ？」って乳房を片方見せてもらいたい

>「ニップレス貼ってるから平気だよ？」って乳房を片方見せてもらいたい
タイミングよく剥がれてほしい

王子様と名高い名バも結局はメスでしか無い事を思い知らされるんだ…

>ボロンッッッッッッ
自重で下向くと谷間に吸い込まれて挟まれて
その刺激で天を向いて顔ペチしそう

童貞の妄想力とがっつき方は凄いからな…