フクシコの機運の高まりを感じる。 「ちゅっ…あっ、ん、ふっ…ちゅっ…ふぁ…トレー…ナ、さっ…」 フクキタルに"おかわり"をねだられ再び口付けを再開する。 一度ならず二度と口を付けてしまえば、この禁断の果実の味から逃れることなど不可能に思えるほど、甘美な幸福感に満たされていた。 「んっ…じゅる…ちゅっ…んんっ…!」 より深い繋がりを求めて、舌で唇を割ってフクキタルの口内を蹂躙する。 「んっ、ふあ…ちゅっ…れろ…んむ、んんんっ!?」 水音を響かせながらフクキタルの舌を吸う。痺れるような快感が駆ける。 かき氷の冷たさも甘さもとうに消え去っていた。 そのまま夢中でかわいらしい舌と唇へ愛撫を続けていると、彼女の身体がびくりと震え、脱力したように寄りかかって来たのをとっさに支える。 「ぷぁっ…!んっ、はぁ…はぁ……ぽへぇーーー…ハッ!トレ-ナ-サン…」 どうやら腰が抜けてしまったようだ。俺の腕にしがみつき、かろうじて地面に立てられた足もプルプルと震え、今にも崩れてしまいそうだった。 「ふぎゃあっ!?」 とりあえず縁側へ座らせようと思い、体と足を支えるようにフクキタルを持ち上げた。  >大丈夫か? 「ハ、ハイ...でもこれ、ちょっと恥ずかしいです…」  >そこへ運ぶだけだから 腕の中でフクキタルがプルプルと震えている。女の子らしい線の細さや柔らかさ、乱れた呼吸に朱色に染まった肌、邪な感情が浮かぶのをなんとか振り払いフクキタルをそっと縁側へと降ろす。 「あっ…」 手を離そうとすると、フクキタルが小さく声を漏らした。  >どうした? 「いえ…その…トレーナーさんの腕の中、すごく安心して…だから…」  >…こうか? 再びフクキタルを抱きしめる。 「ん、はぁ…トレーナーさん、あったかい…」 フクキタルも腕を回してきて抱き合う形になる。 蒸し暑い夏夜にも関わらず、確かに腕の中の温もりは心地良かった。そのまま何も言わず抱擁を続け、穏やかでとても幸せな時間を共有する。 フクキタルの鼓動が伝わってくる。おそらくはこちらのものも… 「トレーナーさんも、ドキドキ、してくれてるんですね…」  >ああ、当たり前だ 大好きな人と恋人になって、キスをして抱き合って、平静でいられるわけがない。 正直今にも頭が熱暴走しそうだったが、かろうじて意識を保っていられるのは、相手が年下の女の子で担当ウマ娘で、自分はトレーナーで大人なのだという意地のおかげに他ならなかった。 「好きっ…好きです、トレーナーさんっ…!」 そんなちっぽけな意地も今、深く密着してくる我が愛バによって砕かれようとしている。 フクキタルが積極的に身体を密着させてくるから、その、胸が、当たっている、というより押し付けられている。 直接指摘するのも憚られるので、それとなく少し隙間を作ろうとこちらが腕を緩めると、追い縋るようにフクキタルが身を寄せてくる。ウマ娘の力で抑えられてはさすがにどうしようもない。 しかし、これはまずい、とてもまずい… 「んぎゅっ…!」 フクキタルが息を呑む声と共に僅かに身を引いた。その原因は… 「あ、あのぉ…トレーナーさん」  >………… 「これって、もしかして…?」 フクキタルが視線を下げて遠慮がちに目線を送る。その先では、すっかり隆起してしまったソレが、フクキタルの太ももにぐりぐりと押し当てられていた。  >すまない… 「いえ!あの!嫌とかではなくて!…むしろ私でこうなってくれたのだとしたら、嬉しいです」 すりすりとぎこちない手つきでそこを撫でられる。それだけで信じられないほどの快感が…  >フ、フクキタルっ! 「トレーナーさんの、すごく苦しそう…」  >だめだ… なけなしの理性を振り絞ってフクキタルの手首を掴む。 「だめ…ですか?やっぱり、私なんかじゃ…」 泣きそうな顔で俯く彼女の顔に、ぽきりと意地も理性も折れる音がした。 そんな顔をさせたくない、君には笑っていてほしい。  >キミは、俺にとって世界一魅力的な女の子だ 「それなら…証明、してください…トレーナーさんのしたいこと、全部しちゃってください…!」 …………  >本当に、するぞ? 「はい…トレーナーさんにだったら、何をされても構いませんから!」 ゴクリと唾を飲み込み、そっと巫女服に手をかけ、下へさげる。 乱れた衣服からフクキタルの肩が露出した。  >下着、付けてないのか 「ひゃ、ひゃい……」 口ではああ言ったものの、やはりフクキタルは震えていた。 「んぐっ、トレーナーさん…?」 効果があるか分からないが、もう一度抱きしめて背を撫でる。 「えへへ…落ち着きますね」  >それなら、よかった 言葉の通り少し震えも収まってきたようだ。 「んっ…トレーナーさんの、匂い…」 そう言って胸にすりすりと顔を押しつけてくるフクキタルは、なんだか小動物のようだった。 ただ、彼女に対して湧き上がるものは小動物へ感じるような庇護欲なんて微笑ましいものではない。 はだけた巫女服からは、フクキタルの健康的な肌が眩しく覗いてこちらの理性を遠慮なく破壊する。 「…っ!トレーナーさん…っ」 フクキタルを抱き寄せ首筋に顔を埋める。甘いような彼女の香りは劇薬となって脳を蕩けさせた。 「ひゃぁっ…その、神楽の前に身を清めたとはいえ、汗をかいたので、あの…」 静止する声もほとんど届かなかった。汗の匂いなど興奮材料でしかない。  >…触るぞ? 「っ!ひゃいっ」 抱きしめた姿勢のまま、薄い巫女服越しにフクキタルの胸元へ手を掛ける。 「あ…っ」 ふにゅりっ、と布越しでもその感触が指先に伝わってきた。 …………こんなに、柔らかいものなのか 「んっ…トレーナーさん…もっと、いいです、よ?」  >あ、ああ… 指先に少し力を込めてゆっくりと双丘へと沈めていく。 「ん…っ…く…ふあぁ…!」 手の中で形を変える柔肌と、耳をくすぐるフクキタルの吐息に急速に興奮が高められる。  >見ても、いいか? 「んっ…」 目を閉じているフクキタルが、わずかに頷いたのを同意と受け取り、生唾を飲み込みながら、白衣をはだけさせた。  >…っ 思わず息を呑む。ぷるりと形の良い胸がさらけ出され、引き締まったしなやかな身体とのギャップに際限なく劣情が煽られていく。  >綺麗だな… 「あ、あはは…オハズカシイデス」 フクキタルが少し目を開いて視線を送ってきた。 無防備な身体に再び手を伸ばす。 先ほどの布越しのものとは比べ物にならない柔らかさと、きめ細やかな肌の感触に衝撃を受ける。 「ふにゃぁ…っ!トレーナーさんに、触られて…」 衝動に任せて乳房を揉みしだく、手に収まらないボリュームの双丘がたぷんっ、と音を立てそうなほどの弾力を伴って形を変えていく。 これでよくあんまりスタイル良くないなんて言っていたものだ。 「はっ…ん…!私、タイキさんやドトウさんみたいに、ぁっ…!ナイスバディじゃないですし…」 …それは比較相手が悪いとしか言いようがない。  >もっと自信を持っていいと思うぞ 「うう…トレーナーさんは好き、ですか?私の身体…」  >あ、ああ… 嫌いなわけあるだろうか、と思うが正直に答えるのを躊躇って言葉に詰まる。 「シュン...」  >ずっと触っていたいくらい気持ちいいです… 「え…っ!えへへぇ…しょうがないですねぇトレーナーさんは」 すごく恥ずかしいことを言わされてる気がする。まぁ…フクキタルに笑顔が戻ったからよしとしよう… 「んっ!?」 双丘に少し埋もれている胸の先端に指をかけるとフクキタルの身体がびくり、と跳ねた。 「アア...ッ、そこは…!」 柔らかな乳輪を人差し指でくるくるとなぞると、それに合わせてまたフクキタルがぴくぴくと反応する。 「ぁっ…!だめっ…触り方が、ん…えっちです…」 くにゅくにゅと先端を摘むように触ると、乳輪の中にコリコリとした感触が現れた。 「あぁっ…!まってっ、トレーナーさっ、んっ…!まって、くださいっ…」 存在を主張しつつも未だに埋もれたままの先端を引っ張り出すために、口を寄せる。 「ああ…トレーナーさんそんな…んぎゅぅっ…!?」 先端を口に含み、すでに硬くなっているそれを舌で転がしながら吸い出す。 「んんっ…!?やあぁっ…!激しい、です…っ」 舌でなぞるたびにフクキタルの身体が弓のようにのけぞっていた。 「はにゃぁ…吸いすぎですよぉ…」 一通り味わった後、フクキタルを見るとくったりとしながら宙を見上げていた。  >ごめん… 夢中になりすぎていたようだ…。 吸い出された淡いピンク色の乳首はぷっくりと膨らみ、唾液でてらてらと明かりを反射しながら、つんと空を向いていた。しかし、まだ半分だ。  >こっちもしなきゃな 「は、はいぃ…」 反対側の乳房にも吸い付く、今度は比較的優しめに。 「ふあぁ…っ、んっ…えへへ、トレーナーさん…なんだかかわいいです…」 フクキタルに頭を撫でられる。倒錯的で不思議と心地良い感覚の気恥ずかしさをごまかすように、口に含んだ乳首を甘噛みする。 「ヒギュッ...!」 汚れを知らない鮮やかなピンク色をした乳首は敏感なようで、舌で潰すように舐め回すとさらに大きく反応した。 その間にももう片方の乳房を手で優しく愛撫していく。 「はぁ…あっ…ふあぁ…ッ!」  >…っ!? 突然下半身に甘い痺れが走る。見るとフクキタルの指がズボン越しにソレを撫でていた。 「トレーナーさんのも、はぁ…苦しそうですね…」 そう言ってファスナーを下げられ、狭いズボンの中で痛いほど膨らんでいた剛直が引っ張り出される。 「んっ…はぁぁ…!すごい…こんなに硬くて、おっきいんですね…。ああ…パンツの先っぽにシミが出来てます…」  人差し指で先端をぐりぐりと撫でられる。力が抜けるほどの快感が走った。 「フギャ-!?…ビクッてしましたよ!?」  >気持ち良かったから… 「ふむふむ…気持ちよかったんですね」 フクキタルが興味深げに見つめ、パンツも剥がされ剥き出しになったソレを再び彼女の細い指が撫で回し始める。  >フクキタル…それ、やばい…! 「これ、ぬるぬるしてて、すごく熱くて…っトレーナーさんのドキドキが伝わってきます」 たどたどしい手付きのためすぐに限界が来ることはないが、それでも長くは持ちそうにない。 「トレーナーさん気持ちよさそう…」 撫でるだけの動きにだんだんと擦ったり揉むような動きが加わり、予測できない快感に腰が浮く。 このままでは先に果ててしまう…。乳房を弄っていた手を下におろし、フクキタルの太ももへ乗せる。 「っ!トレーナーさん…!」  >こっちも触るぞ 「はい…っ」 引き締まったしなやかさと柔らかさを感じる太ももを登り、ミニスカートのような緋袴の裾に手を入れる。 そしてとうとう指先がフクキタルの秘所へとかかり… 「あ、あぁ…っ!」 ぐちゅり、と重く水分を含んだショーツの感触が指を濡らす。  >…すごい濡れてるな 「ううぅ…っだって、トレーナーさんとこんなことして、絶対濡れちゃいますよぉ…」 涙目で羞恥に耐える姿にぞくりと身震いし、ショーツへと手をかける。  >脱がすぞ 「んみゅ〜っ…」 返事をする余裕はなさそうなフクキタルを横目に下着を剥ぎ取る。 緋袴越しで様子はわからないが、糸を引くようにぬちゃっとした音を響かせながらショーツを下ろす。右足が抜かれ、フクキタルの左足の太ももにぐしょぐしょのショーツが引っ掛けられる形になる。 「ハッ!イツノマニパンツガ!?」 少し放心していたのかフクキタルが大袈裟なポーズを取っていた。  >…触るからな 遮るものがなくなった秘所へと手を伸ばす。 「あうぅ…お願い、します……んんんっ!!」 伸ばした指先が、洪水もかくやという蜜に塗れた秘所に触れる。 ふわふわの毛が薄く広がり、ぷにぷにとした秘肉が蜜によってぐちゅぐちゅに蕩けていた。 「トレーナーさんの指ぃ…ん、当たって…」 ゆっくりと指を動かして秘肉を愛撫し、愛液を蓄えてとろとろになっている割れ目をなぞる。 「はあぁ…ぁ…っ……はっ…〜〜〜っ!!!」 指先が小さなぷっくりとした突起に当たった瞬間、フクキタルが一際大きな反応を見せた。 「そこ…だめですぅ……あぁ…っ!?まっ、て…トレー、ナ、さん…っ」 コリコリとした感触を指でこねるように触ると、フクキタルが腰を震わせながら嬌声をあげた。 >気持ち良いか? 「は、はい…はぁ…でも、これ…ん、はぁ…刺激が、強すぎますよぉ」  >感じてるフクキタルが可愛くて、つい 「か、かわいいなんて…っ、そんな…うぅ〜私もいっぱい触っちゃいますからねっ!」 そう言うとフクキタルが剛直に手を伸ばして愛撫を再開する。先ほどより積極的に手を使って、俺を気持ちよくするために様々な触り方を試してきた。 負けじとこちらもフクキタルの秘所を弄る指の動きを増して応戦する。 興奮を示すように互いの秘所から淫らな水音が響く。嬌声と荒い息遣いと熱っぽい視線が絡まり合う。 「はぅ…んむっ…ちゅっ…」 気づけばまた、自然と唇を重ねていた。 「んっ、ちゅっ…じゅるっ…れろぉ…」 舌が絡み合い、俺とフクキタルのものが混じった唾液が口の端から溢れるのも無視して彼女を貪る。 キスの合間にも互いへの愛撫は休むことなく続けられる。熱くとろけきったフクキタルの秘所を確認するようになぞり、膣内へ中指を挿し込む。 「……っ!んっ!ちゅっ…んむっ…!」 感じたことのない感触に驚いたのか、フクキタルの手が止まる。ついでに俺の手も。 中指を受け入れたフクキタルの膣内は指をきつく締め付け、とろとろの蜜を纏った無数の肉襞が隙間なく指へ絡みつき、奥へ奥へと誘うように蠢いている。 指先を入れただけでこんなにも… もし、こんな所に指でなくソレを、今フクキタルの手の中でいきり立っているものを挿し入れたとしたら… 「…っ!んっ…ちゅぅっ…ぷぁっ…!はぁ…ふぅ……。トレーナーさんの…もっと、大きくなりましたよ…?」  >フクキタル… 「もしかして、私とおんなじ想像…しちゃったんですか?」  >同じって… 「はい…」 フクキタルが手を離し身体を広げる。 「来て、ください…トレーナーさんっ」 こちらに身体を委ねるフクキタルを抱き寄せ、向かい合って膝の上に座らせる。  >フク… 「はい…あなたのフクちゃんですよ」 コツンとおでこを合わせて、不思議な瞳を見つめる。こんな状況で湧いてくるのは綺麗な目だなとか、まつ毛が長いな、と場違いな感想だった。  >俺の全部をかけても、絶対に君を幸せにしてみせる 「トレーナーさん…」 フクキタルの瞳が揺れる。 「えへへ…でも、私だけじゃなくて、トレーナーさんも一緒に幸せにならなきゃダメですよ」 かっこよく決めたつもりが逆に言い返された。 他者の幸せを心から願える優しさ、それが彼女の本質だと思う。やっぱりこの子は幸せにしなくてはいけない。  >君が居れば今までもこれからもずっと幸せだ 「はい…っ!私もです!」 そうして抱き合ったまま腰を動かし、秘所同士を擦り合わせる。 「ンッ...」 先端に彼女の熱を感じる、先ほどよりもさらに濡れていた。 「あ…っ、はあぁ……熱くて硬いのが当たってます」 指で位置を定め、期待に震えて蜜を滴らせたその穴へと当てがう。  >そのまま、腰を下ろして… 「はい…ん、ふぁぁ…!」 柔らかく蕩けながらもキツく閉じた肉壁をかき分けながら、熱い蜜壺に先端が呑み込まれていく。 「んぎゅ…っ!かっ…は…っ!!」 つぷんっと先端が全て呑み込まれた時、フクキタルの体が強張るのが分かった。  >苦しいか…? 「ぐっ、むぅぅ…だい、じょうぶです…っ!えへへ〜…」 苦しいはずなのに、彼女はいつもの笑顔を浮かべて気丈に振る舞う。俺に心配をかけないように… 胸の内に愛しさが際限なく溢れる。この娘は俺の宝物だ。大切にしなくては、何よりも大切に。  >辛かったら、俺のこと引っ掻いたり噛んだりしてもいいからな 「トレーナーさん…あぐっ…フ-ッ...フ-ッ…」 俺に傷をつけないように体に力を入れるのを我慢していたのだろう、俺の襟元に噛み付いて歯を食いしばったことで身体の強張りも緩んできた。 ずぷずぷと挿入が再開され半分ほどが呑み込まれる、ぬるぬるの肉襞が絡みつき膣全体にキツく締め付けられ、とてつもない快感に意識が持っていかれそうになる。 「ン...ッ!!〜〜〜ッ!!」  >っ…!? フクキタルが腰を落として一気に奥まで剛直が突き入れられる。 ずっぷりと押し広げられた蜜壺が痙攣し、竿全体が締め上げられる。 「くぁ…はっ、はぁ…えへへ、入っちゃい、ましたね」 口を離し、フクキタルが上目遣いで微笑む。 無数の唾液の糸を引いているその表情はひどく艶かしく映った。  >ああ… 「私の初めて、はぁ…っトレーナーさんに捧げられて嬉しいっん…っ、ですっ」  >俺もフクの初めての相手になれて嬉しい 「いひひっ…んっ…トレーナーさんは、その…はぁっ…あ、いえっ!なんでもないです!」 フクキタルが慌てた様子で手を振る。…まあ、何が聞きたいのかは大体わかった。  >初めてだよ 「ふえ?」  >俺も、フクが初めての相手だ 「え、ええ?……えへへぇ〜…そうなんですねぇ〜」 目に見えて上機嫌だ。 「意外ですねぇ、トレーナーさんかっこいいですしごにょごにょ…」 …学生時代は中央トレーナーになるために勉強漬けでそんな暇はなかったし、トレセンに来てからはそれこそ、このフク娘のことばかり見ていたのだから仕方ないじゃないか。 「むふふっ…ん…ふぅ、はぁっ…んんっ!」  >大丈夫か? 「は、い…トレーナーさんっ、気持ちいいですか…?動いても、あぁ…っいいですよっ」  >こうしてるだけで凄く気持ちいいよ 体を心配してというのもあるが、実際にフクキタルの膣内は動かずとも穏やかに収縮し、膣壁が吸い付くように竿に絡み、たしかな快感を継続して生み出してくる。もし動いたら自分がどれだけ保つのか少し怖い。 「そう、なんですね…っ。実は私も、あっ、あっ、トレーナーさんのがっ、すごく気持ちいい所に当たってて…んっ!ああ…っ」 その言葉通り、フクキタルは挿入したまま動かず抱き合ってるだけで、徐々に荒くなる吐息に嬌声が混じり始めた。 「トレーナーしゃん…わらひ…初めてっ、あっあっあぁ…っはじめてなのにぃっ気持ち、いいです!」 涎を垂らしてよがるフクキタルの姿に我慢出来なくなり少し腰を動かしてしまう。 「アッアッアッ!だめですぅっ今動かしたら…っ!んっ、は、ぁっ…あぁっ、〜〜〜っ!!!」  >ぐっ!? フクキタルが一際大きな嬌声と共に大きく体を反らして震えた。竿への締め付けがより強くなり、膣肉の動きもより精を搾り取ろうとする動きに変わる。これはもしかして…  >…イったのか? 「ア...アアッ…はぁ、ふわぁぁ…トレーナーひゃん…」  >…っ!フクっ締めすぎ…っ 膣内の収縮が治らず、それどころかより射精を懇願するように肉襞に絡み付かれる。 「らひてっ、だしてくだひゃいっ、トレーナーさん!…っ!!」 奥に擦り付けるように腰をぐりぐりと動かされる。ただでさえ目の前で彼女が絶頂する姿を見て興奮が高まっていた中に、追加の快感を与えられたらもうだめだ。 「はあぁ、ん…っ!トレーナーさんの、膨らんで、ビクビクってして…っ」  >くっ、ああ…出るぞフクっ! 「はい…っ!中にっ、膣内にください!トレーナーさんのっ…───さんのっ!」  >…っ! フクキタルに名前を呼ばれた瞬間、彼女の中で俺の欲望は爆発した。 「はあぁっ…!!トレーナーさんの、ビューってすごいいっぱいっ、奥に熱いのがっ、あっ、ああぁーっ!!」 凄まじい勢いと量の精液が担当ウマ娘の胎を白く染めていく。自分でも信じられない量だった。 未だ続く射精に、あまりの快感と多幸感で意識が飛びそうになりながら、フクキタルの存在を強く抱きしめて、口付けて、確かめる。 「は、んむっ、ちゅっ…れろぉ…ちゅっ、じゅるっ…」 射精が収まるまで互いを貪るような深いキスは続いた。 「ふにゃぁ…おなかあつい…」  >大丈夫か? 「ハワァ...トレ-ナ-シャン...私幸せです」 胸にすりすりと顔を擦り付けられる。 「まだ、抜かないでくださいっ、しばらくこうしていたいです…」  >…分かった お返しに頭を撫でる。繋がったまま気怠い幸福感を共有した。 「はあぁ…すごかったですねぇ…、奥にビューって熱いのがいっぱい叩きつけられて…こんなに幸せで、気持ちいいものなんですね」  >痛くはないか? 「えへへ…幸せの方が勝って気になりませんよっ、身体の相性も良いなんてさすが私の運命の人!どれどれ?」 フクキタルが緋袴を捲り上げる。 彼女の整えられたふわふわした薄めの陰毛と肉付きの良い秘部、白濁と蜜でぐちゅぐちゅになった結合部が露わになる。その中にはフクキタルの破瓜の証である血も混じっていた。 「おぉ〜トレーナーさんの白と私の赤が混じって、これはおめでたいですねぇ」 …当の本人は能天気におめでたかった。 「それにしてもすごい量ですね…」  >自分でも驚いてるよ…こんなに出たのは初めてだ 「むっふっふーっ大吉です!…でも、いっぱい溢れてしまっているのは勿体ないですね…」  >勿体ない? 「トレーナーさんが私を想って出していただいたものですので、残さず全部欲しいんです」 結合部からごぷりと泡を立てながら流れる白濁液を眺めながらフクキタルが呟く。  >フクが相手なら何回もでも出せそうだ 「んっ…たしかに、まだちょっと硬いまんまですね」  >え? 「その…トレーナーさんの、おちん、ちん」 …っ。 「ンッ…!中で…ぴくってしました」 腰をぐりぐりと振って蕩けた粘膜を擦り付けられる。  >フク…っそれ、まずい… 「はぁ…くっ、トレーナーさんっ、気持ちいいですか?私の、おまんこ」 俺の興奮を煽るように彼女の口から直接的な言葉が発される。 「は、ああ…っまた、大きく…っもっと、もっとおっぱいも触ってください…っ」 手を取られ胸に押しつけられる。汗をかいたことでよりしっとりとした肌が指に吸い付く。 「あはっ…トレーナーのおちんちん、またカチカチになってます」  >くっ、このっ! 「あ、んっ、いいですよっ、トレーナーさんのしたいこと、しちゃってください…っ!」  >フク…っ、もう我慢できないからな…っ 「はい…っめちゃくちゃにしてくださいっ」 ほとんど本能的に体が動き、フクキタルの奥の奥まで一気に剛直を突き入れる。 「んぎゅっ…そんな、深いとこりょまで…っ」  >奥に当たってるの分かるか? 亀頭を子宮口に押しつけ、ぐりぐりと刺激する。 「はいぃ…っ!あたまっ、ちかちかしますぅ…」  >初めてなのにこんな所でも感じるなんてえっちな子だな 「はうぅ…」 真っ赤になって俯くフクキタルの尻尾の付け根を撫でる。 「ふぇっ!?そ、そこはぁ…」 ビクビクと身体が震えてきゅうっと蜜壺が締まる。 「はわぁ…また、中でビクビクって…っ」 フクキタルをそっと寝かせて、覆い被さり、突き刺した剛直をゆっくりと引き抜いていく。 肉襞の一つ一つが横を通るたびにカリ首に絡みつき、信じられない快感を与えてくる。 「あ、いやっ、抜いちゃイヤですトレーナーさんっ!」 言葉と共にキツく締め付けて懇願する膣内から抜けるギリギリのところで動きを止め、一気に突き入れる。 「ふんぎゃっ!?」 そのまま抽送を繰り返し、彼女の膣内を存分に堪能する。 「はあぁ…っ!あっ、あっ!トレ、ナーさっ…んっ!奥、ごりごりってするの、だめっ…あっ、ああぁーっ!」  >フク、フクっ!好きだ!愛してるっ! 「はぁぁ…っ!トレーナーさんっ!トレーナーさんっ!大好きですっ、あっ、はあぁんっ…!」 好きだ。好きです。ずっと一緒だ。愛してます。 溢れる睦言をお互いの耳元で漏らし、ぱんぱんと肉のぶつかる音が早く、激しさを増していく。 「んー…っ!はぁ、ああっ!トレーナーさんっ、わらひっ、私…!」 フクキタルが蕩けた目で、それでもしっかりと見つめてきた瞳を見つめ返す。 「トレーナーさんと恋人になってっ、トレーナーさんに好きって言ってもらえてっ!トレーナーさんと繋がってるんだって思うと…もう嬉しすぎて、幸せすぎて、気持ち良いのがずっと続いてて…イクのが…止まんないんです…っ」  >フクっ!フク…っ!俺も、幸せだっ! もっと2人で気持ち良くなろうと、フクキタルの敏感な乳首をこね回し、膣内の上面にあるざらついた所を重点的に責める。 「ああぁーっ!!それ、ダメですぅ!ああっ!ほんとにだめになっちゃいますっ!」 ぷしゅっ、と結合部から蜜が吹き出し、緋袴を濡らす。 嬌声と共に抗議してくる口に口を重ねて塞ぐ。 「んっ、じゅるるっ…んふっ、ふぁぁ…っ!」 フクキタルの唾液を吸い上げ、舌で口内をかき混ぜる。 「ん、ちゅっ…えろぉ…じゅるっ…んむっ、ん、ぐっ…ちゅうぅっ…はっ…トレーナーひゃん…っ!」 フクキタルの足が巻き付けられる。 >く…っ…あっ… 痙攣している膣内が射精を促そうとうねるのが分かった。 「出そう、なんですねっ、ん、はぁぁ…」  >ああ、またっ…出すぞ! 「はいっ、んっ、んんんーーーっ!!」 ドクンドクンと、二回目にも関わらずさっきと変わらない量の白濁液を次々とフクキタルの膣内に注ぎ込む。 「ふあぁぁ…っ!全部っ!トレーナーさんの全部くださいぃ…」 最後の一滴まで絞り出すように腰を押し付け合い、子宮口へと塗り込むように何度も擦り合わせる。  >っ、はぁ…はぁ… 「は、あぁ…トレ-ナ-シャン…」  >フク… 射精が収まると、余韻を味わうように触れ合うだけの啄むような優しい口付けを重ねた。 「ん、ちゅっ、んーっ、ちゅっちゅっ、えへへ…」 頬へ、鼻へ、おでこへ、瞼へ、耳へ、互いに愛を伝え合うようにキスの雨を降らせる。 そうして息が整ってきたところでようやく、結合を解いた。 ぬちゅりと音を立ててさすがに小さくなった性器を引き抜くと、俺の精液を垂れ流しながらひくひくと蠢くフクキタルの秘部が見えた。 「ぽへ〜…えへへ……オヤ?トレ-ナ-サン?」  >あ… 呆けていたフクキタルと目が合う。 「…ふんぎゃあーっ!?乙女の聖域をそんなまじまじと見つめるなんて!」 両手で股を隠しながらフクキタルが膨れる。  >悪かった 「うぅ…トレーナーさんなら、いいんですけど…今は、その、色々ぐちゅぐちゅでお見苦しいかと…」  >綺麗だったぞ 「ギュハ-ッ!もうっ!恥ずかしいのでこの話はおしまいです!」  >うぉっ!? そっと押し倒された。 「わあぁ…っ、ふむふむ、小さくなるとこんな感じなんですね」 フクキタルが俺の股間に顔を寄せて、まじまじと性器を見つめられていた。男の聖域は良いのだろうか。 「私も見られてしまったので、お返しです!…んっ…はあぁ…えっちな匂い…」  >おい、フク… 「すぅ…はあぁ…っはむっ、ん、ちゅっ」 突然股間が温かいものに包まれ、少し遅れてフクキタルに咥えられたと理解する。 「ちゅる…あむっ、んはぁ…」  >フク…何を… 「んーっ、ちゅっ、えへへ…私ばっかり気持ち良くしていただいたのでは、良いお嫁さんになれませんからね」  >充分気持ち良かったぞ!? 「あむっはむはむっ、れろぉ…だってトレーナーさんは二回だけで、私は数え切れないくらいイっちゃったんですよ?」  >いや、男はそういうもので… 「お口でするえっちもあるんですよね?、んちゅっ、きもひいいれふは?」 正直、舐め方がぎこちないし、歯が当たって少し痛いが、その拙さに逆に興奮を煽られる。 「んぷっ、はぁ…また大きくなってきました…」 咥えるのをやめて根本をチロチロと舐められる。 もどかしい快感に股間に血が集まっていくのを感じ、すっかり硬さを取り戻してしまった。 「ふおお…近くで見るとすごい迫力ですねぇ、こんなに大きなものが私に入っていたとは…ん、ちゅっ」  >フク、これ以上は…っ 「むふふ、だめですよ。もっと気持ち良くなってくださいね」 フクキタルの指が竿全体を包むように絡みつく。 「手で、入れてる時みたいにすれば良いんですよね」  >く…うぅ…っ しこしこと唾液で滑る竿を扱かれる。最初のぎこちない手淫とは比べ物にならないほど上達していた…。 「トレーナーさん気持ちよさそう…先っぽ触られるの好きですか?」  >ぐっ、あぁ… 亀頭を重点的に弄られ腰が浮く。 「ふわぁ…この出っ張った所がひっかかって、あんなに私を気持ち良くしていたんですねぇ」 カリ首を指で弾くように擦られる。 「れろぉ…ちゅっ…えれえれ…」 カリ裏を舌でなぞるように舐められ、ゾクゾクとした快感が背中を駆ける。  >フク…っ 「ふふっ…はぁむっ、んっ、んむっ」 剛直がフクキタルの小さな口へと呑み込まれていく。挿入した時とも違う温かな粘膜の感触に包まれる。 「んぐっ、んーっ、んろっ、じゅるっ、じゅるるっ」  >ぐぁ… 敏感な所を吸引される未知の快感に声が漏れた。 「ん、ちゅるっ…じゃるるっ…ちゅぽっ…はああ…っトレーナーさんの味と匂いが濃くて…おいひいです…」 竿を咥えながら、とろんとした上目遣いでこちらを見上げる表情に心臓が跳ねる。 「んっ、ピクってしました…気持ちいいですか?」  >あ、ああ… 「えへへ…よかったです。もっと気持ち良くなっていただくには〜…そうだっ」 フクキタルが上半身を上げ、そして 「トレーナーさんの大好きな、ずっと触っていたいくらい好きなおっぱいで、おちんちん挟んじゃいます」 言うが早いかむにゅりとした感触に性器が包まれる。 「おぉ〜またビクッてなりましたね…んっ…おっぱい熱いです…」 しっとりとした柔肉に挟まれる感触と、グロテスクな一物が柔らかな双丘に挟まれている光景に、否が応にも興奮が高められる。 「ああ…っ匂いが濃くなりました…はぷっ、ちゅるっ、れろぉ…」 ずちゅずちゅと胸で竿を扱かれながら舌先でクルクルと亀頭をなぞられる。 だめだ…このままだと、また…っ。  >フク…これ以上はもう出ない… 「ご遠慮なくっ、トレーナーさんが満足するまで出してください!はむんっ、じゅるるっ」 容赦なく精を搾り取るための口撃が続く、せめてもの抵抗に、竿を扱いて激しく揺れる胸の先に実っているツンと張り詰めた乳首をつねる。 「んふふーっ…!?んっ、んくっ、じゅるるっ、ちゅうぅ…!」  >ぐぅ…っ!? こちらの反撃怒ったのか、深く咥え込まれた竿が激しく吸われ、意識が掠れる。  >フク…ぐっ、あぁ…っ出るっ! 「ちゅるっ、ちゅっ、じゅるるっ、ん…っ!?んんんんっ!…ん…んくっ、ん、んんーっ!ん、ぐっ、こくっ…」 なすすべなく白い欲望がフクキタルの口内へと放たれる。涙目になりながらも零すまいと健気に喉を鳴らす愛バの姿を、薄い意識でなんとか捉える。 「んっ…ぷぁ…くひの中…トレーナーさんので、ちゅるっ、いっぱひ…んくっ…」 フクキタルが蕩けきった表情で、俺の精液を少しずつ飲み下してく。味わうように舌で転がしながら、美味しそうに…。 「こくっ…んふー…っ…じゅるっ、んっ、ごくんっ…ん、ふー…っ〜〜っ!」  >フ、フクキタル? 「んはぁ…匂いがとっても濃くて…トレーナーさんの味、おいしいです…まだたくさん残ってて、もったいないですね…」 そう言ってすでに萎えている俺の股間を見つめてくる。様子がおかしい…普段の眼の煌めきがなんというか、ハートマークになっているような…。  >まて、フクっ 「はむっ、れろぉ…ちゅるっ」 溢れた精液も丁寧に舐め取られ、中に残っているものまで鈴口から吸いとられる。 その時の刺激によって再び反応してしまったのが俺の運の尽きだった。 「ふふ…またちょっと大きくなりましたね」 フクキタルの目が歓喜に揺れていた。 「安心してくださいトレーナーさんっ!私、長距離は得意なんです!」 爛々と瞳を輝かせて口淫を再開する彼女の姿に、俺は自分の運命を悟るのだった。 結局このあと三回搾られた。 その後、こっそりと交代でシャワーを浴びた頃にはすっかり日も落ちており、この日の祭りは終了していた。 泊まる部屋を提供してもらえるということなので、お言葉に甘えてフクキタル母に案内される。 「さぁどうぞこちらです」  >お部屋までありがとうございます 「いえいえっ、いつも娘がお世話になっていますし、全然足りないくらいですよ」 そう言って襖を開ける、とそこには見慣れた姿が…え? 「こちらの部屋をお使いください」  >こちらって… 案内された部屋の二組敷かれた布団の上の片方に、ちょこんと正座したフクキタルがいた。 どう見てもフクキタルの部屋だ。 「それでは後は若い者同士で、うふふ…」 そう言うや否やフクキタル母が踵を返してしまう。去り際、口元を押さえながら娘そっくりの笑顔でこちらを見ていた。 「ええっと〜、トレーナーさん、こんばんは」  >どういうことなんだ… 「その〜、私、トゥインクル・シリーズを走っていた頃から、よく家族へ手紙を出していたのですが」 指を合わせてモジモジしながら、フクキタルが言葉を紡ぐ。 「トレーナーさんのことを運命の人だと綴って何通も送っているうちに、そういう関係と認識されていたみたいで…」 …何をしているんだこのフク娘は… それじゃあ、今朝フクキタル祖母に言われたあの子をお願いしますというのも、そういうことだったのか…。 「ふぎゃぁっ!すみませぇん!返信でも『良い人と出会えたのね』とかで、実際に帰省するまでそんなことになってるとは露知らず!」 布団に沈むフクキタルの頭にポンと手を置く。 「はにゃ?」  >まぁ、結局本当になったからいいか 「トレーナーさん…っ!」  >さあ、疲れたから寝るぞ 「ええっ!もうちょっと話しましょうよ!」  >また明日な 「しょんな〜…」 しょぼくれる愛バを嗜めて布団に潜る。 「トレーナーさん…そっちに行ってもいいですか?」  >…答える前に来てんじゃあな 「えへぇ〜…」 同じ布団に潜り込まれたのを追い出す気も起きず、迎え入れる。フクキタルの頭がすっぽりと腕の上に収まった。  >体、痛んだりしないか? 「ん、大丈夫です、けど…まだトレーナーさんのが入ってる感じがして…えへへ…本当にしちゃったんですね」  >ああ これからきっと色んなことが変わっていくのだろう。だけど、俺のやることは変わらない。 フクキタルが現役を続けたいと言っても引退を選ぶとしても全力で支え合うだけだ。 「ふわぁ〜…ムニャムニャ…」 腕の中でまどろむ愛バをそっと撫でる。  >おやすみ、フク 俺の運命の人。 ──翌朝、目を覚ますとフクキタルがいなかった。  >フク…? 1人分の温もりがひどく寂しく感じて、思わず名前を呼ぶ。 「ハイ!お呼びでしょうかっ!」 襖を思いっきり開け放ちながら部屋の主が現れる。朝から元気だ…。 「朝ごはんの準備が出来ましたので、起きてくださいトレーナーさん!さあさあ!」 眠い目を擦りながらフクキタルに手を引かれる。 「これとこれとこれは私も作るの手伝ったんですよ!これなんて私1人で作ったんです!」 連れて来られた食卓には洋食な朝ごはんが並べられ、ご家族も勢揃いしている中に俺の分の食器も並べられていた。 「この子ったらあれやりたいこれもやりたいって、ずっとトレーナーさんの好きな味はどれだなんて話してたんですよ」 「わあぁっ!お母さん!そんなこと言わなくていいから!」  >美味しいよ 「トレーナーさんっ…えへへっよかったです!」 母子の微笑ましいやり取りを眺めながら、こんなに家庭的な朝食は久しぶりだなと感慨に浸る。 朝食の後、フクキタルが行きたい所があるというので、出かけることになった。 「それでは行きましょう!」  >どこへ行くんだ? 「着いてきてください!むふふ、トレーナーさんっ」 お祭りで少なからず人通りがあるというのに、腕を絡めてきた。  >歩きにくい… 「いいじゃないですか、ゆっくり行きましょう!」  >…学園の近くではやるなよ 「はい!」 昨晩の影響か彼女の歩き方が少しぎこちないのもあって、今だけは腕を組み返す。 そうして着いた目的地は少し意外だった。  >ここって… 「はい、お姉ちゃんのお墓です」 きちんと手入れされている立派な墓石が建っていた。 「トレーナーさんには、私の家族皆んなに会ってほしかったので」 そう言ってフクキタルは穏やかな顔で視線を向ける。 「それと、私の誓いを一緒に聞いていただこうと思いまして!」  >誓い? フクキタルが姉の墓へと向き直る。 「お姉ちゃん!私、昔から泣き虫でいっつもお姉ちゃんの後ろにくっついてて、お姉ちゃんが死んじゃった時もたくさんたくさん泣いて、きっといっぱい心配かけちゃったよね」 フクキタルが言葉を紡ぐ、それは何年も彼女の中で蟠っていた言葉なのかもしれない。 「でも、トレセン学園に入って色んな人たちに助けられながらトゥインクルシリーズを走って、私は私のままでいいんだって、分かったの!…だから、もう大丈夫だよ!安心して見守っていてね!」 フクキタルの声が響く、有馬記念の時と同じように凛とした声だった。 「あ、はは〜…安心してねっていうつもりが、結局見守っていてねって言ってしまいました」 >良い誓いだったと思うぞ 「あはは…むぅんっ、なんだかスッキリしました」 きっと、お姉さんも喜んでいるだろう。 その後フクキタルと共にお墓の手入れをした帰り道、ふと振り返るとフクキタルに似た雰囲気の少女がこちらを見ていた。 「トレーナーさん?」  >いや、なんでもない 少女は穏やかな笑みを浮かべてこちらへ手を振ると、脇道へと消えていった。 控えめに手を振り返す。任せてくれと心の中で呟いて。 「むぅ?そうだ、トレーナーさんっ!これから私おすすめのパワースポット巡り…いえ、デートしませんかっ!?」  >いや、一回帰ろう 「ぎゃぼーんっ!そんな〜…」  >俺も誓いを伝えたくなったんだ 「トレーナーさんも?どなたにですか?」  >フクの両親に 「お父さんとお母さんに?」  >娘さんを俺にくださいってやつ 「…え?ふえぇっ!?」 まぁ、神社なら婿入りになるのかもとか、フクキタルの家族にはもう半公認みたいになってるらしいというのはあるけど、決意を言葉にして伝えることに意味があると思う。 どんな返事を貰うのであれ、この運命の人を手放すつもりはないのだし。  >それが終わったら、デートしよう 「トレーナーさん…はいっ!私の運命の人はこんなにかっこいいんだぞ、というのをみんなに見せてあげましょう!」  >おおっとっ! 再び腕に組み付かれ、笑い合いながらよろよろと神社への道を歩く。 これからいくつも困難に直面することになるかもしれないが、心は今日の空を映すように晴れ渡っている。 きっと、今日という日は、これまでもこれからもずっと、大安吉日だ。 幸せを分け合える人が隣にいるのだから。