二次元裏@ふたば

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199050 B21/05/30(日)23:37:49No.808266113+ 00:38頃消えます
テイオーの足を故障させてしまった。
トレーナーにあるまじき失態。
どうしてその可能性を考えなかった?どうして気付いてやれなかった?
「くそっ!くそくそっ……くそぉぉ!!!」
自分の不甲斐なさに、俺は机に拳を叩きつけて慟哭する。
「トレーナー……」
「すまない……すまないテイオー……!!」
「ううん、ボクが足が変なのを隠して無理したのが悪かったんだ。バカだよね、自分で自分の夢を壊しちゃうなんて……」
「──出よう」
「え?」
「菊花賞に出よう!どんな方法でもいい……絶対に間に合うよう、治療してみせる!」
「トレーナー……!うん!ボク、なんだってやるよ!」

こうして俺達二人の必死の模索が始まった!!
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/30(日)23:38:03No.808266229+
「ドクダミ、川エビの殻、冬虫夏草、甘夏の皮、ヤモリの肝……」
「な、何をすり鉢で擦ってるのさそれ……?」
「骨によく効く薬なんだそうだ。この漢方の本に書いてあった飲み薬だ」
「飲むの!?骨の薬なのに!?無理無理無理っ、もう今の段階ですごい臭いしてるし!!」
「ん……飲みやすいように蜂蜜混ぜてみるか」
「ボクのはちみーをゴミにしないでよおぉーーーっ!?」

「いいか、ジッとしてるんだぞ」
「その針ぶっとすぎるよおー!第一トレーナー、鍼治療の経験あるの!?」
「大丈夫だ、保健室で親切なお姉さんからレクチャーを受けた」
「それ学園から注意するよう呼びかけられてる不審者じゃん!!」
221/05/30(日)23:38:17No.808266341+
「ハアッハアッ……おかしい、この山に傷を癒す秘湯があるはずなんだが……」
「ゼエ、ゼエ……そう言ってもう三日三晩歩き続けてるんだけど。そのガイドブック信用できるの?」
「いや、確かなんだ。この風土記に書かれた民話によると、猟師に撃たれた熊が──」
「民話ぁぁっっ!?!?」

「こうなったら、もう二度と故障することのない足を手に入れた方が──!」
「それでこのアグネスタキオンに協力を要請というわけかい!いいとも、文字通り鋼鉄の脚を用意してあげよう!
 さあさあ、早く手術台へ。まずは移植の前段階として今の脚の切除から──」
「ウワーーーーッッ!?!?!?」

「教祖様のオーラを込めたこの霊水を飲めば、必ずや傷も癒えますぞ」
「ありがとうございます!こちら、お布施の四百万になります」
「しっかしてよトレーナーぁぁぁーーーー!!!!」
321/05/30(日)23:38:33No.808266452+
試せることは全て試してみたものの、有効な手段を見つけ出せないままタイムリミットがきてしまった。
「トレーナー……ボク、トレーナーと契約するべきじゃなかったかも」
「すまん!俺が不甲斐ないばかりに足を治せず……!!」
「いや、それ以前の話でね……?」
大きくため息をついた後、テイオーはどこか吹っ切れたような顔で窓から夜空を見上げる。
「もういいよ。三冠ウマ娘にはなれなかったけど……それでもボクは走るから」
いつもの快活さを装った作り笑い。それが胸を締め付ける。
「〜〜〜〜〜〜っまだだ!!こうなったら、最後の手段に訴える!」
「え……?」


そしてとうとう、運命の菊花賞の日がやってきた。
421/05/30(日)23:38:47No.808266540+
『クラッシックロードの終着点。菊花賞を制し最強の称号を手にするのは誰だ!』
『三番人気には6番、トウカイテイオー……──の仮装をした不審な男性』
『どう見てもヒトですね』
『レース場に到着した時は紛れもなく本物だったんですが。どこで入れ替わったんでしょうか』
『隣の7番ミストユズノキ、先程のまでの絶好調が嘘のように調子を崩しています。やはり間近で見るのは辛い様子』
『すね毛は剃ってほしかったですねえ』

──よし。身代わり作戦は成功のようだ。誰も気付いていない。
しかし……対抗心を燃やしてか、ゲートに入ったウマ娘達の視線は全てこちらに向けられている。
無敵のテイオー様と豪語し常に余裕を崩さなかったテイオー。だが実際は毎回こんなプレッシャーに耐えていたのか……。
「俺にはまだまだ知るべきことがあるな」
フッと苦笑するが、表情を引き締め直す。
まだだ。今は第一関門を突破しただけ。本当の試練は──今から始まる。
521/05/30(日)23:39:03No.808266653+
そしてゲートが開く。
「うおおおおっ!!!」
俺は声を上げて最初から全速力で飛び出した。

『さあスタートです。各ウマ娘、きれいなスタートを切りました!』
『6番トウカイテイオー、さすがに追いつけは……っ!?い、いや!集団の中にいる!しっかりと食らいついています!』

身体能力に圧倒的な差があるなんて百も承知だ。
なら俺は。俺はこのレースに、魂までをも燃やし尽くすつもりで走る!
「うおおおおおお!!!!」

『さあ、コーナーを曲がって最後の直線!!』
『ここまで食らいついてきたトウカイテイオー、現在7番手!さすがにここまでか!』
621/05/30(日)23:39:19No.808266781+
先頭集団は遥か先。遠い。あまりにも果てしなく遠い。
──だが、俺の胸に宿ったのは絶望や諦めではなかった。
勝ちたい。その言葉だけが呼吸困難で真っ白になった頭の中ただ一つだけ残り、全身を燃え上がらせる。
レースだから。三冠がかかってるから。そんなものでない、これはもっと本能としての──!!
「がああああああぁぁっ!!!」
2800を走ってきて既に満身創痍の肉体に、俺は意思から湧く力を駆け巡らせ加速する。
足が地面を踏むたびに感じる全身が砕け散りそうな衝撃。
ほとんど空気を吸い込めてないにも関わらず、肺が膨らみ弾けそうな感覚。
全身のあらゆる箇所から汗が飛び散り、心臓が口から飛び出そうだ。
──それでも距離は確実に縮まっていく!!

『トウカイテイオー、ものすごい追い上げ!先頭のビワハヤヒデに並んだぁぁーーー!!』
『激しい競り合い!どちらも一歩も退きません!!』
721/05/30(日)23:39:33No.808266879+
「ぐお、があああああぁぁーーーーっ!!!」
大きく開けた口から涎を迸らせ、俺は全身全霊、掛け値なしの最後の踏ん張りで前に出る。
そして──右足が一瞬早く、ゴールラインを越えた。
「お……おお…………おおおおおおおおおおおおおーーーーーー!!!!」
俺は意識せずに勝利の雄たけびを上げていた。
そしてそれをかき消すくらいの、爆発音のような大歓声がレース場に響き渡る。
当然だ。今、人類は新たな一歩を踏み出したのだ。
あまりにも速すぎるウマ娘という存在に、人々は長い歴史の中で憧憬と諦念を抱くしかなかった。それが当たり前だった。
しかし俺は。人類は。今日、そのウマ娘と同じステージへと昇ったのだ!己の力で!!
821/05/30(日)23:39:48No.808266998そうだねx1
その後も俺は人類代表として、様々なレースに出場した。
文字通りの先駆者であるウマ娘達相手に、いつも勝てるとは限らない。ボロ負けする日も当然ある。
しかしウマ娘と並び走る姿はそれ自体が人類の希望の体現となった。

「限界なんてこの世に存在しません。それは我々が勝手に作った枷に過ぎなかったんです」
レース後の記者会見で、俺は世界中の全ての人々に向けてメッセージを贈る。
「夢を駆けましょう。その先は……未来は、どこまでも果てしなく続いています!!!」
921/05/30(日)23:40:02No.808267107そうだねx2
久しく主の姿を見かけなくなったトレーナー室で。
テイオーはぽつんと独り椅子に腰かけ、自分のトレーナーのインタビューを観ていた。
「………………ボクのことは?」
1021/05/30(日)23:40:25No.808267256+
おしまい。ひたむきに輝いたストーリー。
1121/05/30(日)23:41:04No.808267597そうだねx15
何してんのトレーナー…
1221/05/30(日)23:41:39No.808267858+
ハリボてテイオー…
1321/05/30(日)23:42:43No.808268320+
ハリボテテイオー
1421/05/30(日)23:43:18No.808268579そうだねx10
ハイになって大事なもの全部忘れてんじゃねーか…
1521/05/30(日)23:43:35No.808268694+
フシンシャ…
1621/05/30(日)23:43:51No.808268800そうだねx11
脚イカれてんのに山歩かせるな
1721/05/30(日)23:44:18No.808268997+
ウチは何を見せられたんや
1821/05/30(日)23:44:46No.808269158+
無敗の二冠ダービーウマ娘を故障させたクズトレーナーからウマ娘と競い合う人類の誇りになった男の物語
トレーナーとしてはどうなん…
1921/05/30(日)23:46:04No.808269701+
ユメヲカケてはいるんだけどさあ…
2021/05/30(日)23:46:45No.808269977そうだねx5
>脚イカれてんのに山歩かせるな
一緒に歩いてるやつは頭がイカれてるからどうしようもない
2121/05/30(日)23:50:11No.808271329+
タキオン製の足に換装したらたぶんレギュレーション違反で出場出来なくなってしまうよね…
2221/05/30(日)23:51:44No.808271929+
>タキオン製の足に換装したらたぶんレギュレーション違反で出場出来なくなってしまうよね…
じゃあスラスターにするか…
2321/05/30(日)23:53:25No.808272522+
>>タキオン製の足に換装したらたぶんレギュレーション違反で出場出来なくなってしまうよね…
>じゃあスラスターにするか…
ドラッグレースか鳥人間コンテストくらいにしか出られないよ…
2421/05/30(日)23:55:04No.808273120+
>>>タキオン製の足に換装したらたぶんレギュレーション違反で出場出来なくなってしまうよね…
>>じゃあスラスターにするか…
>ドラッグレースか鳥人間コンテストくらいにしか出られないよ…
鳥人間コンテストはスラスター許されるのか……
2521/05/31(月)00:01:58No.808275829+
何この.......何?
2621/05/31(月)00:08:38No.808278345+
>何この.......何?
ハリボテエレジー
2721/05/31(月)00:19:09No.808282449+
俺tueeee系とか言う化石久々に見た
2821/05/31(月)00:25:26No.808284861+
>俺tueeee系とか言う化石久々に見た
明後日の方向に突っ走ってるだけで俺tueeeeじゃない
2921/05/31(月)00:33:07No.808287840+
じゃあこの拾ったパッチワークの熊のぬいぐるみで…


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