「これじゃ……ブライアンに顔向けできないな」
トレーナーが残業に追われているのは私も知っていた。それが私の為だということも全て理解しているつもりだった。
しかし、私の身を案ずるならばまずは己を省みろ、と。小言の一つでも返してやろうと思った。

「……例え身体が限界を迎えても、眠りに付くわけにはいかない……果たすべき使命が……まだ、残っているのだから……」

その言葉に、ドアノブに触れた手が止まった。空いていたドアの隙間から覗き見たトレーナーは、口元を押さえて俯いていた。
……その身に包む毛布を、吐血で赤く染めて。
「……あぁ」
普段の彼ならそんな言い回しはしないだろう。つまり、彼の身を蝕む病はそれだけ深刻だということ。

アンタは、大馬鹿だ。
そして、それに気付かなかった私も。

「なんだい、随分シケた顔してるじゃないか。何があったんだい？」
鍛錬も身に入らず、当てもなく口内を彷徨い歩いていると、アマさんに声をかけられた。
「……何でもない」
「アタシにはあるんだよ。そんな顔をほっとけるかってんだ」
「……何も無かった。アンタが面白がるような事は、何もな」
「へぇ、それじゃあアンタは……何も無くても、泣きそうな顔をすんのかい」
「何……？」
言われて、気が付く。目頭は熱く、視界は滲んでいる。久しく感じた事のない情動が、胸の奥から込み上げている。
「話してみな。アンタのトレーナーと何かあったのかい？」
「トレーナー……」
その名を口にすると、込み上げてきた情動が抑えきれなくなった。
「……っ！」
彼と出会った日。デビューを決めた日。走り方を教わった日。夏合宿で彼に宥められた日。彼と共に強敵達に挑んだ日。
彼と過ごした正月やバレンタイン、クリスマス。どれも掛け替えの無い、愛おしき日々。
そして、その日々が、失われようとしている。

「バカだよアンタら！　二人揃って大バカだ！」
私の慟哭を受け止めたアマさんが怒りを露わにする。返す言葉もない。
「アンタのトレーナーを今すぐ病院に連れてく！いいね！」
「……あぁ……だが……」
恐らくトレーナーの病状は非常に深刻な領域にある。間に合うのだろうか……？この期に及んで臆する自分が情けなさを覚える。

「話は聞かせてもらいましたわ！」

そして、その不安を吹き飛ばすかのような、廊下全体に響き渡る大きな声。
「メジロマックイーン……？　どうして、アンタが……いや、この際何でも良い。アイツを、助けてくれるのか……？」
「ええ。一心同体のあなた達に手を差し伸べるのに理由はいりません……ですが、ブライアンさん」
「……何だ」
「あなたに、ありますの？　彼に全てを捧げる、その覚悟が」

その問いへの答えは、決まっていた。

「……やっと、仕事が終わった……」
今日の残業を終え、漸くの帰宅。明日は何も予定が入っていない。久しぶりに家でグッスリ眠れる。そう気が緩むと、足元がフラついた。
「うぉっとと……あ、ありがとう。ブライアン」
部屋を出ると同時にバランスを崩しかけて、偶然近くを通りかかったブライアンに支えられた。
「……ブライアン？」
礼を言ったのだが、彼女の様子がおかしい。何故か頬が赤く、どこか戸惑っているような。
「……これは、前借りだ」
「へ？　何を……っ！？」
そのハッキリしない態度に首を傾げていると、彼女が俺の頬を手を添え、そして唇を重ねてきた。
ブライアンに、キスをされた。
あまりに衝撃的な出来事。疲労で頭が回らないのもあり、ただひたすらに固まるしかなく。
「……マックイーン！　これでいいんだな！？」
「ええ。まごう事なき一心同体の証ですわ！」

「そう言う訳だ。悪いが強制連行させてもらうぞ」
「ブライアンさんを悲しませちゃダメー！」
「さあ観念しな」
そのままビワハヤヒデとマヤノトップガン、そしてヒシアマゾンにも囲まれて、あれよあれよと言う間にメジロ家お抱えの大病院へと連行されてしまった。見た事もない馬鹿でかい機器で精密検査を受けさせられたが、過労以外では特に身体の異常も無く。
「愛ですわ！　ブライアンさんの愛が奇跡を起こしたのね！」
やたらとテンションの高いメジロマックイーンにも着いて行けない。
兎に角疲れた。押し寄せてくる眠気に再び体勢を崩し、ブライアンに受け止められた。
「あぁ……ごめん、ブライアン……」
「いや、いい……今は、休め」
「そうする……」
「あぁ……二度とアンタを……この手を、離しはしない」
ブライアンに抱き止められ、俺は意識を手放した。
目を覚ましたのは三時間後。俺とブライアンの結婚式をどうするかで揉める彼女達の声が目覚ましとなった。

……一体、どうしてこんな事に？

一月前くらいに見たエアグルーヴのトレーナー死亡勘違いネタをブライアンでやってみたやつ

久々のアンジャッシュは体に染み渡る

ズタ袋に入れられて連行される姿が見える…！

完全にすれ違ったままでダメだった

やっぱりアンジャッシュ怪文書は良い
すごく好き

残業してたら人生の墓場へ叩き込まれたトレーナー

どうして疲れたトレーナー達はちょっと気取ったセリフを言ってしまうのか
自分もたまに言う時はある

そういえばエロが原因で鼻血出たことねえな

なにがどうなって？
ブライアンと俺の結婚式？
？？？？？？？？？？

マックイーンが余計な事言いすぎでは？

もしかして：ハッピーエンド

一心同体プラン便利だなあ…

> マックイーンが余計な事言いすぎでは？
いいでしょう私は春天連覇ですわ

>そういえばエロが原因で鼻血出たことねえな
キングのトレーナーは勃起してたけどあれは鼻血は出してなかったっけか

>どうして疲れたトレーナー達はちょっと気取ったセリフを言ってしまうのか
>自分もたまに言う時はある
今回のはブライアンの気取った言い回しをちょっと真似てみただけだから…

🎈
結
婚
お
め
で
と
う

>🎈
>結
>婚
>お
>め
>で
>と
>う
なんで……？

男はみんな心に小学生男児を飼ってるんだ

命に別状はないとわかってる上での大量出血とか正直めちゃくちゃテンション上がるよね…

>>そういえばエロが原因で鼻血出たことねえな
>キングのトレーナーは勃起してたけどあれは鼻血は出してなかったっけか
小さい頃から鼻血出すたびに「こいつエロいこと考えてたんだぜ」とか揶揄われてたらしいよ

>>🎈
>>結
>>婚
>>お
>>め
>>で
>>と
>>う
>なんで……？
良いでしょう一心同体でしてよ

ホントメジロってさあ…

だけー！ブライアンさんいけー！

>ホントメジロってさあ…
今回はアンジャッシュだけどこの前のダイスタキオンみたいなガチのケースもあるだろうし…

やはり愛…！愛は全てを解決するんですわ！

アンジャッシュにメジロシティが揃った時トレーナーに人生の墓場が訪れる

男の子だから…
「ベストコンディションで朝日を迎えたことなど無い…！」とか呟いちゃうから…

>>ホントメジロってさあ…
>今回はアンジャッシュだけどこの前のダイスタキオンみたいなガチのケースもあるだろうし…
あれはそうなってたら死んでたんじゃねぇかな…

定期診断はちゃんしようね！

姉貴が式場に連絡してプラン組み始めてそう

>どうして疲れたトレーナー達はちょっと気取ったセリフを言ってしまうのか
>自分もたまに言う時はある
誰も見てないときってなんかふざけたくなるし…

でもですわ
これで2人とも幸せになれるならそれでいいのでは？

このあとめちゃくちゃ健康に末永く幸せに過ごしたそうな

こういう時でも無いと言えない台詞ってあるからな…

一心同体の愛は不治の病すら消し去り奇跡を起こす
そんな奇跡を何らかの形で世界に広めたい…
メジロシティ構想の始まりであった

>どうして疲れたトレーナー達はちょっと気取ったセリフを言ってしまうのか
>自分もたまに言う時はある
立ち眩みした時とか力を使い過ぎたか…とかたまにやるわ…

>でもですわ
>これで2人とも幸せになれるならそれでいいのでは？
それは
そうなんですが…

恋愛強者過ぎて気ぶる余地がない

正直好きな子に見られてる可能性を考慮しないまま下手なことを言ったトレーナーが全部悪いので終身刑

夢見てたとはいえ鼻血出かねないレベルの過労ならその内本当に倒れてたかもしれない
やはり愛は人を救う

メジロアンジャッシュ
かかり気味のようてすがどうでしょう？

マックイーンのせいでキスで病気治ったことになってる…

>ひっきりなしに来る取材や講演会の依頼に逼迫される日々。
ふと気になったけどブライアンって講演会で何話すんだろうな

過労で鼻血出るのは自律神経の乱れだから中々危険

いいじゃんいいじゃん
残り寿命1年を切ってて最後の最後にバレたトレーナーより

>メジロアンジャッシュ
>かかり気味のようてすがどうでしょう？
私の性癖には合っていますわ

あー例のアンジャッシュの流れねーと思って読んでたらウワーッ！メジロ！

毛布が血に染まるレベルの鼻血はヤバない？

>「愛ですわ！　ブライアンさんの愛が奇跡を起こしたのね！」
おバカすぎてかわいい

>>「愛ですわ！　ブライアンさんの愛が奇跡を起こしたのね！」
>おバカすぎてかわいい
マックイーンの色ボケトレーナーのレス

>毛布が血に染まるレベルの鼻血はヤバない？
鼻ならやばい
尻ならよくある

このあと入院中の検査で癌が見つかってあと半年発見が遅れていたら命に関わっていたと言われる

喪いかけて改めてどれだけ大切なものか思い知る
こうなったブライアンはもう止まらんぞ…

>尻ならよくある
よくねえよ！

姉はこの騒ぎに何を思うんだろうな

>姉はこの騒ぎに何を思うんだろうな
（ブライアンとそのトレーナーが結婚して鼻が高いよ…）

なんでキスした？と思ったらシチー案件かよ！

>姉はこの騒ぎに何を思うんだろうな
もし自分のトレーナーも同じように病に倒れたら…？と妄想して怖くなってトレーナーに泣きつく
うまぴょいはしない

姉妹揃って不器用だしこういうきっかけがないと難しいからな…

歯茎から血が出たり身体に痣がある時の鼻血はマジでヤバいからな…
止まってるから大丈夫だとは思うけど
実態知ってもすぐ病院行かせた後にゴールインすると思う

>なんでキスした？と思ったらシチー案件かよ！
風評被害やめろ

もう二度とあんたからは目を離さん
一生私の側にいろ
いいな

そもそも今回かろうじて笑い話だけど働かせ過ぎじゃねえか理事長？

これはあの街がある世界観なのか...?

でも好きでしょ？こういうハッピーエンド

姉貴も幼い頃に重傷負ってるわ故障で一緒に走る夢も叶わなくなるところだったわだから失うことに関してめちゃくちゃ敏感になってそうだなブライアン

>でも好きでしょ？こういうハッピーエンド
ハッピーエンドだからこそというかこれで普通に手遅れでしたエンドだったら貴様に人の心はないのか！ってなる

ブラトレが倒れたらそれだけでブライアンとブラトレ推しの人たちから悲鳴が出てきそうだな…

>メジロ家お抱えの大病院
主治医です

>そもそも今回かろうじて笑い話だけど働かせ過ぎじゃねえか理事長？
おそらくブライアンのトレーナーが勝手に仕事増やしてると思われる
ゆえに
>もう二度とあんたからは目を離さん
>一生私の側にいろ
>いいな

そもそもやっと心に鎧着れただけで根本的に寂しがり屋のビビリだからねナリブ

オグリのトレーナーは未だにトマト食わされてるかな

色々と想いが重すぎて勝手に仕事量増やしそうなトレーナーが多すぎる

>ハッピーエンドだからこそというかこれで普通に手遅れでしたエンドだったら貴様に人の心はないのか！ってなる
ひどかったねダイスタキオン

ちょっとした鼻血でも家族がとうとうでかい病気になりやがったか！って狼狽えるの教育者の家族あるあるらしいからな…

あたまでっかちはすぐ大病を邪推するからな

つまりマックイーンの判断は間違っていなかったというわけだな
なんでちゅーさせた？

>なんでちゅーさせた？
いいでしょう？一心同体ですわよ？

>>ハッピーエンドだからこそというかこれで普通に手遅れでしたエンドだったら貴様に人の心はないのか！ってなる
>ひどかったねダイスタキオン
🎲＜最後の最後に真実を知れたし優しさ見せたのに…

まあこのごにおよんで素直にもなれないウマ娘に預けられるトレーナーはいないだろうし

実際せっかくだから病院行って来いの精神は健康維持と病気発見にすごく大切

まあなんだ
俺みたいに手遅れになってからじゃ遅いから気をつけてね

タキトレ来たな…