「あっ、ブライアン先輩！お疲れ様です！」
「…何してる。」
いつもの昼寝スポットでウオッカが寝転がっていた。やっとの思いでアマさんと副会長を撒いたというのに。
ウオッカはえっへんと胸を張って得意げにこう言った。
「温めておきました！」
調子が下がった。

「なんだブライアンか」
「アンタだったか。」
感じた気配が別のものであったことで警戒を解く。屋上にいたのはナリタタイシンだった。その隣に座っている猫がこちらをじっと見ている。
「あのうるさいのなら来てないよ。」
「どのうるさいのだ？」
「全部。ハヤヒデもチケットもウオッカも来てない。」
これで安心できる。彼女も同じ理由でここにいるのだろう。
「アンタ最近ここに来るの多くない？生徒会がそれでいいの？」
「昼寝も仕事の一環だ。適度な仮眠は仕事の効率を上げる。」
「なにそれ、ハヤヒデみたい。」
「姉妹だからな。」
コンクリートの上に寝そべると中庭の方が騒がしいことに気づいた。

「んんっ、Wie heißt das?」
「ウオーッ、カッケーーー！」
「だろ！」
「…あれは？」
「たぶんドイツ語でしょ。」

「第二問！ﾌﾞﾙﾙﾙｩﾝ!ﾌﾞﾙﾙﾙｩﾝ!ﾌﾞﾙｯﾌﾞﾙｯﾙﾙｯﾌﾞﾙﾙﾙｫｫｫｵｵｵｵﾝﾌﾞrrrｫｫｫｫｫ！」
「ミツヒシの…いや、どっちだ！？」
「ごー！よん！さん！にー！」
「…あれは？」
「バイクの排気音じゃない？」

騒いでいたのは件の後輩とそのトレーナーだった。話の内容はともかく、なるほど確かに気は合うようだ。
「この時間はいっつもあんな感じ。この前は消しゴムはんこ見せあってた。それよりいいの？」
「ん？」
「アンタ、生徒会でしょ。学園内に動物入り込んでるけど。」
「今は勤務時間外だ。」
「アンタねぇ…」

「なんなんだコイツは…」
いつもの場所に先客がいた。“温めている”間に心地よくなって寝てしまったのだろう。
まあ居心地がいいのは認めよう。だからこその“いつもの場所”なのだから。
起こすわけにもいかないかと首を搔いていると奴の傍らのスキットルに目が止まった。
そういえばトレーナーと話しているときは現れなかったな。
しばし逡巡した後、胸ポケットから「A.T」と書かれた薬瓶を取り出す。そこから錠剤を一つ摘まんでスキットルに落とした。
「よし。」
あとはトレーナーだな。

「いった！」
曲がり角で“偶然”ウオッカのトレーナーとぶつかる。それと同時に懐からエナメルの財布を抜き取る。
「立てるか？」
「大丈夫だ、何かケガは！？」
「心配ない。この財布、アンタのだろ？」
「ああ、ホントに大丈夫なんだな？」
「大丈夫だと言ってる。さっさといけ。」
「ああ、ありがとう。助かったよ。」
購買の方へ向かって行くのを確認して、塗った薬が素手につかないよう慎重にゴム手袋を外す。
自分のトレーナーは昼食には必ず購買のおにぎりを二つ食べるとウオッカは言っていた。
今日はトレーナー室でミーティングしながら食べるらしいので計画はうまくいくだろう。
「私も昼にするか。」

後日、ナリタブライアンは顔を真っ赤にしたウオッカの盛大なのろけ話に付き合わされ、
腹いせにマヤノをいつもの三割増しで抱ぎ倒す日々を送る羽目になる。

プロなの…？プロの気ぶりストなの…？

気軽に薬を盛る当たりこれはキブライアンだな

😇

おわり
初めはただの可愛い後輩ウオッカ書くつもりだった

こりゃプロやでセイウンスカイやで

番長キャラっぽい屋上の主

手口が完全にロシアの工作員じゃないか…

バイクの排気音当てクイズしてるウオトレは健全に可愛いのに…

ヒットマンみてえだ…

生徒会隠れ蓑にして理事長から直接仕事請けてそう…

気ぶライアンはスパイかシーフの訓練でも受けてるの？

まさかブライアンがやるとは思われまい

またマヤちんがなぎ倒されてる…

マヤわかんない…

何でこの三冠バ怪文書でもキブライアンやってるんだ…？