「服装なんて私の自由だろ。モルモット君には、ドキドキしてもらわないと困るし……それに、カフェほど白くないんだし要るかい？」
「そういういじらしいところ、好きですよ。ただ、気をつけないとヒシアマゾンさんみたいになりますよ。ほら、塗ってあげますから」
ぺたぺた、ついー
「ひうっ！変な触り方してないだろうね！」
「してます」
面白いですね、飽きないです。
多くない面積とはいえ塗り終わる頃には口を聞いてくれなくなりました。ひどい。

「すまない、待たせたかな」
「今来たところだよ」
「今来たところです」
「……待たせたみたいだね、じゃあ行こうか」
はて、どうして気づかれたのでしょう。
タキオンさんと思わず顔を見合わせてしまいました。
まぁ、聞くのは野暮というものですよね……
とにかく、二人でトレーナーさんの腕を取り合って歩き出します。
買い物だけなら車を出してもらった方が明らかに楽ですが、それでは風情がないというものですよ。

あつい……ふぜい……なんですかそれ……
「モルモット君、カフェが死にそうだ」
「ああ分かってる……とりあえずそこの喫茶店にでも入ろうか」

ああ、ひんやり……美味しい……
「大体君はどうして人に気を使える割に年中そんな暑そうな格好なんだい」
「人に見せられる服なんて、あまりわかりませんから……」
逆にタキオンさんは、何で普段がああなのに強気な服を持ってるんですか……
ああ、なんだかちょっぴり悲しくなってきました。山用の服なら充実してるのに……
それこそ何かの役を演じるのであれば、それに適した格好はできます。
けれど……そのままの自分というのは、どう表現すればいいのでしょうか。

堂々巡りの末に、帰ってくるのは黒を基調とした服。
自信はありますが、風を切る場面でもなければ、あつい、ですね……
不意に、タキオンさんの手が伸びてきました。
ざざぁ
「ちょっと、タキオンさん！なんでいきなりコーヒーに砂糖入れてくるんですか！」
「モルモット君、服屋に行こう」
「そうしよう」
「ほらカフェ、早く飲んでしまいなよ」
「どの口がそれを言いますか……」
いつの間にか会計を済ませていたトレーナーさんと、タキオンさんに引き摺られるように店を後にしました。

「こちらとかお似合いですよ！」
気がついたら、店員さんの着せ替え人形になっていました。
店に連れ込むまでは意気揚々としていた二人が、今は試着室の前で顎に手を当て頷いています。
「ええっと……おすすめがあるとか、コーディネイトするとかそういった流れではなかったんですか」
「私が自分で服を選べる人間だとでも思ったかい！」
「ユニク◯でしか買ったことがなくてな……」
だめ人間の集まりでした。
「ちなみに私は全部適当に通販で済ませているよ！」
「タキオンはかわいいなぁ」
きっとすごい検索ワードで探しているんでしょうね……その辺りの行動力は見習いたいところです。

けれども、今この場での主枠は私……ですよね
「どう……でしょうか。似合ってますか……？」
普段と違う、少しだけ胸元の開いた、レースとフリルのついた白いブラウス。
それに、青いロングスカート。
うぅ……恥ずかしく、なってきました……恨みますよ、店員さん—
「よく、似合ってるよ」
あ……
「そ、そう、ですか」
ふ、ふふふふ、きっと今すごく変な顔してます。
「カフェ……モルモット君、カメラの用意はできているかね？」
「オーケイもう撮ってるよ。タキオンもどうせなら見繕ってもらったら？」
ふふふ、ふふふふふ

随分と涼しい格好になりました。それでも買い物を続けて歩き回ると、やはりじんわりと汗ばんでくるものです。
大した重さではないとはいえ、扇風機なんかも抱えていますからね。
「少し、疲れてしまいました。……休憩、していきませんか？」
「……家電を持ったまま入るのは流石にどうかと思うよ」
「タキオンさんもきっと、すごい下着とか着けてきてますよ。……気になりませんか、トレーナーさん？」
「なる」
「カフェもモルモット君も、何を言っているんだい！？」
……口ばっかりで、抵抗する気はないですね、これ。
休憩前なのに元気が出てきました……ふふふ。

あついのだめそうがつづいた

タキモルカフェいいよね…

カフェに白と青の組み合わせは似合うだろうな…

カフェをタキモルで挟みてえ〜

いい……

ヤリ部屋が快適になっていく…

両手に花すぎる…

>カフェをタキモルで挟みてえ〜
夜はタキオンが挟まれてる…