二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1621264771433.jpg-(81061 B)
81061 B21/05/18(火)00:19:31No.803868510そうだねx2 01:33頃消えます
「ねぇトレーナー、小さい頃の夢って覚えてる?」
昼食の折に私の最初の担当ウマ娘であり、チームのエースでもあるダイワスカーレットが薮から棒にそんなことを聞いてきた。
「なんだい、スカーレット。急にそんなことを」
「別に、あんただって子どもの時代があったんでしょ。けどそういう話は聞いたことなかったから」
「話して面白い物でもないからね」
「それを決めるのは聞く側でしょ?気になるんだから話しなさいよ」
強引なことだ、と苦笑しながら爛々と目を輝かせながら聞いてくる彼女に根負けしてゆっくりと自分のルーツを話し出す。
「そうだね、小学校くらいまでの夢というのは、一日二日経てばコロコロ変わる物だから、スカーレットと同じ年頃の夢を話そうか」
懐かしいものだ、たしかに私にも夢があった。それは散ったわけではなく形を変えて今も私の中にあり続けている。
「その頃の私は歴史に興味があってね、ぼんやりとだが将来は大学で歴史を学びたいと思っていた」
「へえ、歴史…!日本史かしら、それとも海外の?」
「いや、興味そのものは人類史…もっと言えばウマ娘の始まりに興味があったんだ」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/18(火)00:19:55No.803868628そうだねx3
「あたし達の?」
こくりと彼は首肯する。
「昔から君たちに魅せられていたんだよ、その対象が過去か現在かという違いこそあるがね」
ふーん…とダイワスカーレットは彼の瞳を見つめながら聞いているが、ふとその中で気になる事ができたのでそれをぶつけてみる。
「ならなんでトレーナーになったのかしら、過去から今に興味を移した瞬間があったんでしょ?」
「あーそれはー……ほら、食いっぱぐれないだろ?」
「ウソね、たしかに中央に来れるだけのトレーナーはそうだけど、そもそもそこに至るまでにはトレーナーとしての才能の他に弛まぬ努力とそれを維持できる情熱が必要なはずよ」
聡い子だ、と内心ごちる。この子にこれ以上誤魔化すのは通用しないだろう。
「簡単で恥ずかしい理由だよ、当時…高校生の時にね、1人のウマ娘に見惚れたんだよ。とても強く美しく走る娘だった」
「へぇ…!」
221/05/18(火)00:20:31No.803868806そうだねx3
彼女がその子の名前は?と聞こうとした瞬間昼の終わりを告げる予鈴が鳴った。これ幸いとばかりにトレーナーは話を切り上げた。
「ほら、スカーレット、話は終わりだ。続きはまたいつかな」
「ずるいわね、大人って」
「楽しみは分けといたほうがいいだろう?」
「そういうことにしといてあげるわ、じゃあねトレーナー」
そういうとダイワスカーレットは席を立ち、午後の学業をこなすべく教室へ向かった。食堂にいた他の大多数も同様で、残されたのは午後イチの授業がない教師かトレーナーたち、それと先程の会話を彼のすぐ後ろで聞いていた
「随分楽しそうなお話でしたね、トレーナーさん」
駿川たづなその人くらいである。
321/05/18(火)00:20:43No.803868881そうだねx4
「まあ、自分の今のルーツを若い子に話すってのは気恥ずかしくもあり楽しいもんですよ。おや、たづなさん顔が赤いようですが」
「そういういじわる、私は好きじゃありません」
ぷいとそっぽを向くたづなに、苦笑を浮かべるトレーナー。これは少し調子に乗りすぎたと自戒するが、とりあえず彼女のご機嫌取りが先だろう。
「まあまあ、どうでしょうたづなさん、まだお昼に余裕があるならカフェも楽しむというのは、奢りますよ」
「……デザートもつけてくださいね」
「もちろん」
2人の昼休みは、もう少しだけ続く。
421/05/18(火)00:21:34No.803869148そうだねx1
NTRはダメよ!
521/05/18(火)00:22:32No.803869484そうだねx2
>NTRはダメよ!
そうだよね…順番的にネイチャが引き下がらないと駄目だよね…
621/05/18(火)00:24:15No.803870043+
たづなさんとトレーナーの怪文書初めて見た
721/05/18(火)00:25:30No.803870404そうだねx15
>たづなさんとトレーナーの怪文書初めて見た
もっと増えろ…
821/05/18(火)00:26:17No.803870637+
つづけて?
921/05/18(火)00:28:04No.803871156+
たづなさん不足だったのでとても助かる
1021/05/18(火)00:29:27No.803871577+
私こういう関係好き!!
1121/05/18(火)00:31:39No.803872246+
たづなさんの当時のトレーナーは…?
1221/05/18(火)00:33:14No.803872722+
トキノ…
1321/05/18(火)00:35:04No.803873258+
スカーレット泣かすのは許さんぞ…
1421/05/18(火)00:39:02No.803874454そうだねx2
なんでスカーレットを聞き手役にしたかというとなんか一番すっと動いてくれた子なのですまない
でもこの過去の一番と今の一番の対決は使えるぞ!
1521/05/18(火)00:40:41No.803874970+
お出かけ2回目時に短距離得意なタイキに追いついた辺り脚は今でも現役に負けなさそうだし
たづなさんが引退したのはおそらく心肺機能のほうに問題があって
1000mも走れない…トップスピードが維持できるのは
せいぜい100〜300m程度になってしまったものと推察する
1621/05/18(火)00:42:33No.803875572+
相手が強すぎる…けどたづなさんは自分から身を引きそうな感じもある
1721/05/18(火)00:48:26No.803877314+
たづなさん原作要素を入れるなら破傷風で片方が義足になってるんじゃないかって思ってる
義足での出場が認められないからレースに出ないだけで身体能力は全盛期と変わらなさそう
1821/05/18(火)00:49:53No.803877705+
たづなさん生足じゃなかったっけ
1921/05/18(火)00:50:40No.803877945+
>お出かけ2回目時に短距離得意なタイキに追いついた辺り脚は今でも現役に負けなさそうだし
>たづなさんが引退したのはおそらく心肺機能のほうに問題があって
>1000mも走れない…トップスピードが維持できるのは
>せいぜい100〜300m程度になってしまったものと推察する
原作的に脚部不安でしょ
100m全力疾走できるならそれはそれで出られるレースはあるし
海外だけど
2021/05/18(火)00:57:50No.803879982+
足の指だけやられたのかもしれないし…いまの義足や義指は本物そっくりだし…それにタイツ脱がないし…
2121/05/18(火)01:08:43No.803882904そうだねx2
「…私からも一つ質問、いいですか?」
ランチの延長線、食後のカフェタイムにてたづなはトレーナーに問うた。なんでしょうと彼は応じる。
「トレーナーさんのあこがれの人は、あなたがトレーナーになる前に引退したと思うんですけど」
「ええ」
「なぜそれでもトレセン学園に?」
なんででしょうねぇ、と視線を虚空に投げる。対して質問を投げかけたたづなはうつむきがちだ。
「男ってのは馬鹿なもんですからね、女の子を理由に自分の進路を決めて、それで勝手に元に戻るなんて、ひどく情けない。そう思っただけですよ」
「そう…ですか」
それに、と彼は続ける。
「スカーレットを始めとした素晴らしい娘にも出会えました、男の意地ってのも捨てたもんじゃないなって思ってますよ」
「……へぇ」
「あれ?」
2221/05/18(火)01:09:25No.803883071そうだねx2
なぜか急にじっとりとした視線となり、彼女は不機嫌となった。
「そうですかそうですか、たしかにダイワスカーレットさんは素敵な女の子ですもんね、男の子としては見逃せませんもんね」
「いやっちょっ、なんか違う!違いますよ!」
一転してしどろもどろとなるトレーナーを見ると、ぷっとたづなが笑う。コロコロと表情を変えるのは、彼女にとってはとてもめずらしいことだ。
「ふふ、さっきのお返しですよ、トレーナーさん」
「…ああ、そういうことですか。人が悪い」
「やらっれぱなしは性に合いませんからね」
和やかな雰囲気が場を包み、彼らにも仕事の時間がやってきた。席を立ち、共に行ける場所まで共に歩く。
「あ、そうそうトレーナーさん」
分かれる間際、さも事務連絡をするかのごとく彼を呼び止める。彼が振り向くと同時にたづなは言葉を発する。
「さっきの、お返しの意味もありましたけど、嫉妬の意味もあるんですからね」
少し早口でそう告げると、今度はたづなが振り向いて歩き出す。
トレーナーは、少しだけその場に立ちつくしていた。
2321/05/18(火)01:09:34No.803883114+
続編!
2421/05/18(火)01:11:58No.803883703+
ウワーッ!卑しい!
2521/05/18(火)01:14:02No.803884186+
このたづなさんいい…
2621/05/18(火)01:23:10No.803886177+
強い!強すぎる!
2721/05/18(火)01:24:12No.803886408+
>お出かけ2回目時に短距離得意なタイキに追いついた辺り脚は今でも現役に負けなさそうだし
>たづなさんが引退したのはおそらく心肺機能のほうに問題があって
>1000mも走れない…トップスピードが維持できるのは
>せいぜい100〜300m程度になってしまったものと推察する
逆だと思う
トレーナーさんが心配になるくらい時間かかってるからスタミナは問題ないと思う


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