俺の兄貴は完璧とは言わないが自慢の兄だ
飾り気なく真面目な兄貴は学生時代それなりにモテたけど
本人は全く女性に対して興味がなかった
そんな兄貴がトレセン学園でトレーナーになり
ビワハヤヒデというウマ娘の担当になってからは
随分と女性の話を聞くようになった
電話越しでハガキでメールで久々にあった喫茶店で
兄貴はその女性ビワハヤヒデとのトレーニングや交流を嬉しそうに語ってくれた
兄貴にこんな一面があるのかと内心驚きつつも
聞いているうちにいつの間にか俺もウマ娘のトレーナーに興味が湧いた

本格的にトレーナーになりたいと思ったのはあの有馬記念
ビワハヤヒデとあのトウカイテイオーの最後の直線上の対決
観客のほとんどが泣きながらテイオーを応援する中
俺は力いっぱいビワハヤヒデを応援し
彼女たちのゴールには大泣きしたことを今でもよく覚えている
その後のライブで壇上で歌いながら輝くビワハヤヒデを見て
俺も兄貴が心血を注ぎ育て見守ってきたあの子のように
ウマ娘をキラキラに輝かせたい…そう思うようになれた
そうしてようやく俺もトレーナー資格を獲得し
兄貴同様トレセン学園のトレーナーとして就職することができた

ただし同じ職場になったとはいえ兄貴に気軽に話しかけようとは考えていない
こちらは新人トレーナーで兄貴はあのビワハヤヒデを育てた今や敏腕トレーナー
もし話しかけるのなら俺も一からウマ娘をスカウトし
ウマ娘と共に一人前のトレーナーになってからだ
まずは選抜レースを見ようと足をレース場に向けたとき
「─────の弟か？」
俺の兄貴の名前を使って呼ぶ声が聞こえた
振り向くとそこにははっぱを咥えた一人のウマ娘が
俺はそのウマ娘をよく知っている
前に兄貴が写真で送って教えてくれたから
あのビワハヤヒデの妹、間違いなく実力者ウマ娘
「ナリタブライアンだ」

「新人トレーナーの名簿で義兄貴と同じ苗字の奴がいるから
　もしかして…なんて思ったんだが本当に弟が入ったとはな」
ナリタブライアンに呼び止められ俺はトレーナー室に彼女を招いた
「兄貴は俺のことを」
「当然知ってるさ、義兄貴はとても嬉しそうだったぞ
　姉貴も機会があればアンタに話しかけたいって」
俺が出した紅茶を啜りながら俺の顔をじっと見るナリタブライアン
「義兄貴と同じ顔つきだな…義兄貴の弟ってことだ
　アンタも絶対良い奴だろうな」
ククッと笑う彼女
「アニキアニキ言ってるけど随分慕ってくれてるんだな」
強豪と呼べる姉妹に兄貴が慕われてるのは弟としても嬉しい
「あの頭でっかちな姉貴を支えてくれた人だ、当然だろ
　それに応援しているからさ」「応援？」
「これを見てくれ」

そう言って彼女は分厚いアルバムを出してきた
「義兄貴と姉貴が二人きりの時の写真集なんだが」
「はい？」
素っ頓狂な声を出してしまった
「まあ見てくれよ、二人の仲を」
そう言って①と書かれたアルバムを開く彼女
そこには学園やレース場での兄貴とビワハヤヒデを映し出した写真が
これでもかというぐらいびっちり収められていた…トレーニング中の二人はもちろんのこと
図書館で肩を並べて本を読む二人
食堂でお互いのおかずを交換っこする二人
一着の喜びを分かち合う二人
談笑する二人etc...etc..
「どう思う？」
アルバムが後半の方に差し掛かったころ
静かにナリタブライアンが問いかけてきた

「仲良いな兄貴…女っ気ない兄貴がここまで気を許すなんて
　今でも信じられないくらいだよ」
「やはりそうなのか…いいか、ここからが本番だ」
次のページを見開くとそこには都会のどこかで二人が一緒に歩く写真が
「休日の写真か？」
「そうだ、ちなみに目的はただのショッピングだった…だったんだ」
突然歯ぎしりする彼女に少々不安を覚える
というよりこれいつ撮ったんだ？いやこれナリタブライアンが撮ったんだよな？
色々ツッコミどころがあると思いつつ次のページを開いていくと
ビワハヤヒデの髪を梳かす兄貴の写真が
兄貴の手入れを目を閉じて幸せそうに受けているビワハヤヒデが印象的だ
「女性の髪の手入れを任せられるなんて兄貴は本当に信頼されているな」
「そうだろうな…信頼されすぎるのも考えようだけどなッッ！」
歯ぎしりの音がどんどん大きくなっていく

彼女は何が言いたいのか、それはその後のページからなんとなく分かってきた
ビワハヤヒデの膝枕で寝る兄貴の写真から始まり
デートスポットらしい夜景を手を繋ぎながら眺める二人
土手で花火を肩を寄り添って見る二人
誰もいない教室でダンスの練習をする二人
どれを見てもまるでこれは
「なんか付き合ってる二人の・・・」
「・・・ってないんだよ」
ブライアンが遂に震えだす
「付き合ってないのか？」
「付き合ってないんだよ・・・ッ！！」
ブライアンの気迫に影響されてか俺も写真を見返す
これだけ仲が良くて付き合ってない？
「これを見てくれ、ある時義兄貴がいなくなる夢を見た姉貴に対してとった義兄貴の行動を」

彼女は懐からDVDを取り出しパソコンで再生する
そこには食堂で目の下に隈を作り目を真っ赤に充血したビワハヤヒデの姿が
ブライアン曰く兄貴が自分の前からいなくなる悪夢を見て彼女は
泣き腫らし寝不足で髪の手入れもままならぬ状態で授業に出た模様
そんな彼女の前に兄貴が颯爽と現れてすぐに彼女の不調に気づく
兄貴に問いただされ隠し立てできないと彼女は夢の内容を伝える
話し終え遂には泣き出す彼女を見て兄貴は彼女の前に跪く
「夢の中の俺がハヤヒデに迷惑と心配をかけさせてすまない
　でも俺はこの通りここにいるよ、俺はお前のトレーナーだから」
ビワハヤヒデの手を取り手の甲にそっと口づけをする兄貴がそこにいた
「俺は何があってもずっとお前の隣に、目の前にいるよ…信じてくれ」
周りの黄色い声も気にせず手のひらに口づけする兄貴
それをビワハヤヒデが泣きながらも先ほどの悲壮感はなく
まるでプロポーズを受けたかのように嬉しそうな表情で…

「待て、これで付き合ってないのか？」
「ないんだなぁそれが」
おかしくないか？確かに学生時代の兄貴は同級生女子や
下級生女子からのアプローチにそっけない感じではあった
でも明らかにこの映像を見る限りそれは違う
兄貴は担当バであるビワハヤヒデにここまで寄り添っていて
ビワハヤヒデもそんな兄貴の気持ちを理解して応えてるのに付き合ってない？
歳の差とかお互いの立場とかそんなもん知ったこっちゃないしどうなってるの？
何なんだこの気持ちは！モヤモヤする！自慢の兄貴がこれで
心を通じ合ってる女性と進展しないとかおかしい！どう言えば良いのだ！この気持ち！
「覚えておけ…今の気持ちをこのトレセン学園では【クソボケ】と言うんだ」
「ク・・・兄貴のクソボケがっ！」
スッと言葉が喉奥から出た気がした

「私は義兄貴と姉貴を応援したいが二人は全くくっつく気配すら見せない」
「おかしい…こんなのおかしいだろ」
「早く二人の気持ちが通じ合い接吻し合うところを見たい、そして」
「結婚式！」
「そうだ！そして甥姪！もしウマ娘なら私がコーチしてやっても良い！」
「名付け親になりたい！」
「分かる！」
初めて会ったのに俺はブライアンと意気投合した
「どうだ？弟と妹同士協力してあの二人をくっつけようじゃないか
　見返りに私がアンタの担当バとなってアンタを名トレーナーにしてやるよ」
「俺は肩書にこだわったりはしないし見返りなんてなくても良い
　けどあの二人を…兄貴と義姉貴をくっつけさせるってのなら喜んで協力する！」
「それでこそ義兄貴の弟！」
俺はブライアンと熱く握手を交わした…ここから俺とブライアンの二人三脚
そして兄貴と義姉貴を何がなんでもカップルにさせる計画が始まる

「ハヤヒデ聞いてくれ！俺の弟の担当バが決まったんだ！
　ブライアンだ！ブライアンが担当バになったって！」
二人のキブリ弟妹の気持ちも知らずビワハヤヒデのトレーナーが無邪気にはしゃぐ
「ああ私もブライアンから聞いたぞ
　トレーナー君同様の才能を感じるって」
ビワハヤヒデも嬉しそうに答える
「そのうち姉妹揃っての出走もありそうだな
　ブライアンと弟は絶対短期間で良いコンビになって
　さらに実力を上げるだろうから俺たちもうかうかしてられんな！」
「ああ全くだ！そうとなれば早速トレーニングだ！」
これからのことを楽しく語り合いながら
二人は手を繋いでトレーニングコースへと向かうのだった

キｂナリタブライアンが実装されるとのことでいてもたってもいられず書いちゃった
悪夢のところはちょっと前に書かれたタキオンの悪夢薬と絡むかもしれないかな？
いつも通り渋に事前投下してるんで転載禁止で

あと頭のクソボケの項目
ここ改訂しろってとこがあったらご指摘願います
またこの話書くときに改訂版つけるので

>民明書房刊行「双葉語録辞典」
有害図書来たな…

これ弟と妹もクソボケルートに入ろうとしてません？

大丈夫？クソボケ取りがクソボケにならない？

クソボケが増えるだけでは…？

クソボケ道は一日にしてならず

クソボケが増えた！

クソボケの弟だしクソボケなんでしょうそういうのわかっちゃう

「ブライアンが理解有るトレーナーを得て私も鼻が高いよ…」
「弟がブライアンのトレーナーになってくれて俺も鼻が高いよ…」

クソボケは遺伝する

ハヤヒデちゃんとトレーナーさんはつきあってるとかいうだんかいのおはなしじゃないんじゃないかな？
もっとふかいじげんのおはなしだとおもうよ

おかしいな途中まで兄と姉に弟と妹で挑む熱い話だと思ってんだけどな…目悪くなったかな…

これって互いに気ぶりあう展開になるだけじゃない？

聞いてくれトレーナー最近ブライアンと君の弟を街中で見かけてな…

良い怪文書だが時系列について考えると
よく分からない事になりそうだ

マヤノは2カップルの面倒を見るから大変だな…

急に巻き込まれるのマヤわかんないよ…

明日はハヤヒデとブライアンでダブルクソボケだ

格闘漫画だったの…？

マヤ分かっちゃった…

千雪さんがクソボケがー！してたことしか知らねえ

明日以降お前の気ぶりがどうなるかが楽しみだよ本当に

実際クソボケってどこから来てるの？
俺もタフから来てるもんだと思ってたんだが

原作要素を入れたらめちゃくちゃあざとくなるけどどうなるんだろうなナリブ…

もしもしトレセン学園かい？
今からそっちにトレーナーとして就職するぜ
吉永正人です…

ぐらいのスピード感がないと姉妹対決に間に合わない…

待ってくれなんで映像や写真をそんなに持ってるんだ

マヤノのトレーナーをなぎ倒す弟君が容易に想像できますね

い
三

兄弟姉妹がクソボケがーっ！って言いながら酒瓶で殴り合う様

>兄弟姉妹がクソボケがーっ！って言いながら酒瓶で殴り合う様
地獄かよ

>兄弟姉妹がクソボケがーっ！って言いながら酒瓶で殴り合う様
巻き込まれるマヤノとマヤノトレーナーチャン

>民明書房刊行「双葉語録辞典」より抜粋
焚書しろそんな事典

>>兄弟姉妹がクソボケがーっ！って言いながら酒瓶で殴り合う様
>巻き込まれるマヤノとマヤノトレーナーチャン
どっちが勝つか賭けるナカヤマフェスタとトレーナー

>民明書房刊行「双葉語録辞典」
発禁にしろ

どっちが先にゴールインするか見ものですね

義兄貴と姉貴の進行具合から見てハヤヒデED後なんだろうか？
そう考えると新人が三冠ウマ娘をシニア期から担当する展開に…

なぁブライアン
子供の顔はいつ見せてくれるんだ？

>なぁ姉貴
>子供の顔はいつ見せてくれるんだ？