すまない、お会計を頼む。
とても美味しかった。絶対にまた来るよ。
……ん？割引？
とても簡単で、とてもお得……そうなのか？
いや、大丈夫だ。今お札を出すから、少し待ってくれ。
……うん？あぁ、割引は使わないぞ。
割引なんてしなくとも、お金は十分にあるからな。
……使って欲しいと二回も言うとは……そ、そんなに使って欲しいのか……うぅむ。
昔、小さかった頃にシゲさんから言われた事がある。
『お金というのは、ウマ娘と同じなんだ』
『世界を駆け巡って、色んな人に夢を見せる』
『だから一箇所に留めておかずに、使う時はしっかり使うんだぞ』
その話をする時、シゲさんは決まって、小さなカルパスを私にくれるんだ。あれは美味しかった……。
私がありがとうと返すと、この笑顔が見れたなら俺は勝てたんだ、と呟いて歩き去ってな。
肩を落としてトボトボと歩いていくシゲさんの煤けた背中を、今でも覚えている。

私は、ここのメロンパフェが好きだ。
そして、こうして客である私に、お得な道を示してくれるこのお店も好きだ。
本当なら、何も言わなければもっと稼げるのに、だ！
それでも客の事を考えて、寄り添おうとするその姿勢に、私は感動したんだ！
だから、どうか受け取って欲しい。あぁ、最早お釣りも要らない。
私のお金で、これからもいろんな人に……私に夢を見せてくれ！
……泣くほど感動してくれたか！……違う？割引使ってくださいまし？
う、うーん……困ったな……。
……あ。
そういえば、タマに言われてたんだった。
『オグリはひょいと騙くらかされそうやから、割引とかお得とかそういうのには絶対に乗っちゃアカンで！！』
うん。タマに言われたなら仕方無いな。
というわけで、ここにお代は置いておくぞ。
ご馳走様でした。行こう、トレーナー！

ふぅ……。
トレーナー……私はもう注文や会計には慣れたつもりでいたが、どうやらまだまだみたいだ……。
……そうだな。次はトレーナーに会計は頼むとしよう。
さぁ、次のお店だ！確かこっちだったな！
……そっち、なのか？む、むぅ……。
やはり、トレーナーが居てくれて良かった。
……うん、私もだ。これからもよろしく頼む！

……だから、その、折角で悪いんだが。
トレーナーが嫌なら、別にいいんだ。その……。
手を、繋いでも……いいだろうか……？
……っ！これなら、絶対に迷わないな……！ありがとう、トレーナー！
私は……ずっとこうして、トレーナーと共に歩みたいと思う。
……そう、か。トレーナーもそう思ってくれているのか……！嬉しいな……！
……あぁ！まずは、次のお店まで！共に歩もう！

オグリキャップのやる気が上がった！

シゲさん…すっぺんぺんになったんだな…

メジロシティに勝ってるの初めて見た

割引してくださいまし！
割引してくださいまし！

オグリはやっぱり強いな…

メジロシティが負けてるの初めて見た

こいつらほっといても勝手に一心同体できるだろ

どうせ後から還付金みたいに戻ってくる

マックが自ら店頭に？

メジロに負けない健全力

流石はアイドルウマ娘だ…

オグリキャップ来店の電報がすぐさま送られたと思われる

あのオグリキャップさんが、割引を自ら…！メジロの名がすたりますわ！

>こいつらほっといても勝手に一心同体できるだろ
つまり小銭惜しさにわざわざ人前で見せつけるようにやったりしないということだ

一心同体割りが活用されていないですわ!!
飲食店が全部黒字ですわ!!
没落プレイが遠退きますわ!!

自覚してたらそういうプレイもいいだろうけど無自覚だったら羞恥心とかあるしな…

まあ既に一心同体のようだから許しますわ…

>一心同体割りが活用されていないですわ!!
>飲食店が全部黒字ですわ!!
>没落プレイが遠退きますわ!!
そっちかぁー...

でも純粋そうに見えて実は虎視眈々とトレーナーとのうまぴょいを画策しているオグリが見たくないと言えば嘘になる

これもまた一心同体ですわー！
でも割引はちゃんと使って下さいまし！