鞘の内という言葉がある。
鞘の中に収めながら勝利する。その立ち姿で、無用な戦いを避けるという精神性。
競技者として置き換えるなら、その振る舞いだけで相手の心を手折り、座を得るというところか。
威圧的な振る舞いをするものは数多く居る。その威を示す行いは否定されていない。
しかし、「鞘の内」に至った者を見たのはただひとり。
地下道から本バ場への入場前。急激に冷えた空気を漂わせた、白と紫の勝負服。
戦いを前にした瞬間の彼女の、覚悟の目。その冷めた表情と振る舞いは、全てを圧倒している。

私は未熟だ。
鞘の中の勝利も得られず、抜く刀から鳴り響くのは、鞘の擦れる音。
まだまだ、と笑う道着の優男を、思わず睨み付ける始末。
しかし、未熟なことが強さだと、彼は私に、度々言いつける。
何故か。至らぬところが強さなものかと、噛み付いた事もあった。
ある時は、殴りかかる事も。
────その未熟さを、認めている事こそ強さ。
飛び出す拳を流された先、その背から聞こえたその言葉に、ただ恥じ入るばかりの私に、彼はただ、手を差し伸べる。
未熟であれ。そう彼は言う。
グラスワンダーという女は、生涯満たされぬ事で完成するのだと。
その姿に惚れたのだと、折に触れて彼は言う。

「若いのだから」「まだ未来がある」
そのような事を、彼は一度も言ったことがない。
目の前にある物は常に最後のチャンスであると、彼は説く。
何故そのように説くか。彼をその境地に到らせた者はなにか。
語らぬ彼の背中は、何を背負っているのか。
彼はなにも教えてはくれない。しかし。

「ヤァ────ッ！！」
「まだまだ」

道場と、コースに居る時の繋がりが、語るべき全てを語っているのだと、思っている。

昔習い事してたけど武人って意味分からない事言う時あるなと思う

殴りかかられて生きてる…

大丈夫
避けた

居合って音鳴っちゃいけないの初めて知った

剣道教室で圧倒された事を思い出すなぁ
こちらの打ち込みは一つも当たらない上、向こうは軽く動いただけで何本も有効打を放つんだ
狐狸に化かされたような気分だったよ
きっと達人ってのは、身体の動かし方を熟知していて、無駄な動きが見えるんだろうな…

殴りかかるな

居合は暗殺術みたいなもんなんで音鳴らすのは技術が無いと取られる

白と紫の勝負服の可愛いあの子とその鞘の内が結びつかないんですがどうなんですかグラスさん

大体のグラスのトレーナーなんか強いんだけどなんなのもののふなの

スペちゃんは原作が勝負の場で冷めてたみたいな話があるし気合乗り切ると鞘の内に至るのかもしれない

勝つ時のスペちゃんの圧倒的な振る舞いを知ったら間抜けな姿に対してキレるのも仕方ないかもしれない

ヤエちゃんのトレーナーがあんなだし
この世界は割りと達人や超人が居るのかもしれない

グラスってそういえば居合を嗜む話あったもんな…