二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1620823797814.jpg-(62654 B)
62654 B21/05/12(水)21:49:57No.802083606そうだねx2 22:50頃消えます
「入って良いわよ」
キングの許可を得て入った控室。彼女は勝負服を着てはいたが何故かいつもの緑の上着を羽織っておらず、ノースリーブの白いワンピースのみの姿であった。
「それにしても今日は寒いわね。出走まで時間があるし…ウォーミングアップ前に身体が冷えちゃうわ」
上着を着れば…そういうことではないのだろう。なにかを期待するようにこちらを覗き見るようにしたキングの意図を察して自分の着ている服を使うかどうか訊ねた。
「あら、いいわね。あなたの服、暖かそうだもの。ウォーミングアップまで私の身体を暖かく保つ権利をあげる!」
貸して欲しいならそう言えばいいのに…とは言わずに春用ではあるが厚手の、彼女にとっては大きいであろう服を渡そうとする。しかし彼女はそれを受け取らなかった。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/05/12(水)21:52:19No.802084625そうだねx2
「着せてくれても良いのよ?」
……一瞬の間。
「着せてくれても
わかったわかった。わかったから一言一句同じ言葉を繰り返そうとするんじゃない。上着の襟口を掴み、キングの肩にかけようとする。しかし、そのとき気がついてしまった。彼女の勝負服。エメラルドグリーンの上着を脱ぐとノースリーブで、肩が見えている。そう、思った以上に肌の露出面積が広いのだ。スッキリとした輪郭から俯瞰して見える鎖骨。仄かに膨らんだ胸元へと繋がっていくライン。意識してしまえば邪な思いが競り上がってきそうで、やや乱暴に上着をかけてしまう。ひとまず、これで彼女の肌を見なくてすむとほっと一息をつく。
221/05/12(水)21:54:40No.802085599そうだねx1
「暖かいわね、すごく」
どこか、ほにゃっとした表情で微笑むキングがそこにはいた。その後の事はレースが始まるまでよく覚えていない。日頃の行いのよさと言うか、習慣としてのトレーナー技術の賜物か、的確なアドバイスをしてその場を立ち去ったはずだ。
ふと観客席でくしゃみをする。そういえば、上着を貸したままだったかもしれない。未だにうっすらと肌寒いバ場の中、レースの熱気を暖にとり、心なしかいつもより調子の良いキングの走りを応援するのであった。
321/05/12(水)21:55:33No.802085987+
甘酸っぱい…
421/05/12(水)21:56:27No.802086378そうだねx1
走ってる最中は暑いけどそれまではむしろ保温が重要なのではと思い付いて書きました
勝負服は走るために薄着肌の露出多めなイメージに対して待ち時間に羽織ってる為の大きめの服が貸し出されたりそれぞれ好きな服を着てたりするといいよね
521/05/12(水)21:57:07No.802086675+
物足りないから次マヤノ書くね
621/05/12(水)21:57:36No.802086899+
抱けーっ!
721/05/12(水)22:01:28No.802088599そうだねx1
「トレーナーちゃんトレーナーちゃん!そのジャケット貸して?ねーいいでしょー?」
レース前の控室。マヤノトップガンは自分が着ているフライトジャケットを着たがっていた。彼女の勝負服に合わせ…たつもりはのいのだが。やはり動きやすさを考えるとこの服を選んでしまう。B-15mod…言ってしまえばMA-1になる直前のナイロンジャケットだ。マヤノが着ているのは勝負服用に誂えた専用の服なのでフライトジャケットとはまた異なるものだろう。しかし、裏地のストライプ柄の記事はレーヨンでスベスベとした生地になっており、走るための服として中綿はなく、動きやすい工夫が為されている。
821/05/12(水)22:05:49No.802090446+
彼女が人のものを見て羨ましがったりしたことは一度や二度ではないが…まぁ今回は彼女のコンディション維持に必要なことだろう。フライトジャケットを脱いで渡すと、マヤは跳び跳ねながら喜んだ。
「やったやった!やっぱりフライトジャケットはいいよね!パパは革のやつを着てるんだけどあれ重いからきらーい!」
革ジャケット…おそらく職業柄かなり良いものを着ているに違いない…機会があれば見せてもらいたいものだ。マヤはおそらくよくわかっていないがきっとその重たいジャケットの方が今渡したものよりも数段価値のあるモノなのだろう。マヤの親御さんへの労りの気持ちを仕舞いこみつつ、ジャケットに袖を通してはしゃぐマヤを眺め続けた。
921/05/12(水)22:10:08No.802092384+
「じゃあ、行ってくるね!トレーナーちゃん!ちゃんと見てなきゃだめだよ?マヤが勝ったらこのジャケットに勝利のパッチをつけてあげちゃうから!ユーコピー?」
アイコピー、と返してからよく分からない話が混ざっていたことに気付く。問い直す暇もなくウォーミングアップに向かうマヤを見送りつつ観客席に向かっている途中で寄ったトイレで、ポケットに何か入ってることに気がついた。
「これは…ニンジンのワッペン?」
ようやくマヤの言った話が脳内で像を結ぶ。つまり、勝つ度に、まるでセンチュリオンパッチや撃墜マークのようにこのニンジンをジャケットに縫い付けろと言うことだろう。
「つ…付けたくねぇ〜……」
鏡に写る独りごちた自分の表情は、言葉とは裏腹にどこか楽しげであった。
1021/05/12(水)22:11:30No.802093004+
マヤノ編おしまい
次誰にしようかな
1121/05/12(水)22:12:23No.802093434+
スカーレットが見たい
1221/05/12(水)22:12:32No.802093512+
かわいい
1321/05/12(水)22:13:30No.802093922+
かわいいわ
1421/05/12(水)22:14:21No.802094252+
エアグルーヴが見たいです!
1521/05/12(水)22:16:39No.802095228+
「どう!?ちゃんと見てたわよね!あんたの一番は今日も一番!だったんだから!」
レース、続けてウイニングライブ後控室に戻ったダイワスカーレットの元に行くと、まだ熱がさめやらないのか興奮気味に勝利を喜んでいた。誇らしいよ、と率直な感想を伝えるとそうでしょそうでしょと豊かな胸を張っている。しかし、あまり長話をしているとシャワーを浴びる時間が無くなってしまう。そろそろ行こうかと思い切り出そうとしたが、テンションを切り替えられていない彼女に引き摺られて話を続けてしまう。
1621/05/12(水)22:19:12No.802096403+
ありがたい…
1721/05/12(水)22:19:13No.802096408+
🕘️……
「あっ!時間!!」
気がつけばシャワーの使用時間を過ぎてしまっていた。先程まで機嫌よく話していた彼女とはうってかわり、控室から蹴り出される。バタバタと音を立てて暫く後、ジャージに着替えた彼女が控室から出てきた。
「……帰りましょうか」
そうだね、と言ってバ場を後にする。
1821/05/12(水)22:21:14No.802097388+
筆早すぎない?
1921/05/12(水)22:25:11No.802099203+
「もう…髪がガサガサ…帰ったらすぐお風呂入らないと……」
目に見えて落ち込む彼女に少し胸がいたくなる。それに、身体は拭いているだろうが汗の気化熱で身体を冷やしてしまわないといいのだが…心配をしていると予想通り、くちゅんと(*≧з≦)くしゃみが聞こえた。
「はずかし…じゃなくて!ちがう!違うから!これはえーっと、咳よ!」
くしゃみより心配になるな、それ。黙って上着を羽織らせる。するとスカーレットはいいから!私汗かいてるから!と脱いで返そうとしてきた。少し強めに肩を掴み、いいから着てなさい。と諭すと、顔を真っ赤にして俯く。
「洗って返すから……」
遠慮の色が強い彼女にそんなこと気にしなくて良い。風邪引くんじゃないぞと返すと、押し黙ってぎゅっと服の襟を掴んで口元を隠すダイワスカーレット。彼女の表情は窺えないが、とりあえず自分の臭いが気になる夜だった。
2021/05/12(水)22:25:26No.802099317+
ダスカおしまい
2121/05/12(水)22:28:53No.802100663+
「貴様…何のつもりだ?」
差し出した上着を睨むエアグルーヴに、プレゼントだよと答える。レース待機時間中に着るスタジャン的なものは制限がなく、言えば借りられるし何を着てても何かを言われることはない。出走するレースによっては、スポンサードメーカーのコマーシャルモデルでないと困ることもなくはないが。本題に戻ると、つまりはエアグルーヴのコンディション調整のための衣装が必要だと前々から考えており、こっそりとシンボリルドルフに相談した結果女帝にふさわしいダウンジャケットを調達することができた。それをプレゼントすることに何の問題もないと思っていたのだが、どうやら違ったのかもしれない…と目の前の女帝を見て思った。
2221/05/12(水)22:29:08No.802100763+
>ダスカおしまい
本当にありがとう
2321/05/12(水)22:32:16No.802102067そうだねx1
>くちゅんと(*≧з≦)くしゃみが聞こえた。
かわいい
2421/05/12(水)22:32:20No.802102108+
「まあ、着てみてよ。大きめのサイズだから勝負服を傷めることもない筈」
あからさまに取り繕うトレーナーの様子はお構いなしに思考がぐるぐると回る。有り体に言うと、困っていた。
(誕生日?何かの記念日?何を忘れている…何に気付いていない…?物を貰うような事柄が全く思い当たらない…!)
いくら考えても全く該当する項目が浮かばず、差し出された新品の上着に戸惑うことしかできない。まさか…まさかとは思うが…いや、まさかだな。あり得ない。この男に限ってそんなこと……そう。
(こ、行為を抱く女性への…愛情表現だ…などと……)
2521/05/12(水)22:35:43No.802103556+
「何が狙いだ?内容によっては……」
「待って待って!何でそうなる!?そりゃいきなりかもしれないけどずっと(体調を)気に掛けてたんだ!いつ渡そうかって!君の(レースへのコンディションの)ことを考えてようやく今渡せたんだ気持ちよく受け取って欲しい!それとも…迷惑だったかな……?」
早口で捲し立てる彼の言葉は聞こえてはいるが完全に上滑りしている。気に掛けてた……?私のことを考えて……?そんなの実質、告白じゃないか!?この大事なレース前になんて選択を迫るんだこの男は!!
2621/05/12(水)22:36:26No.802103937+
一流の怪文書はキャラを選ばない
2721/05/12(水)22:36:44No.802104092+
女帝はさぁ
好き!
2821/05/12(水)22:36:49No.802104127+
即興かよ
ありがたい…
2921/05/12(水)22:40:24No.802105640+
「とにかく、貴様の気持ちは受け取った。勘違いするなよ?どうするかは私が決める。そうだな、このレースに勝ったら伝えてやっても良い」
そう言い放ってやや乱暴に、しかし丁重に彼からのプレゼントに腕を通す。しかし、告白のプレゼントがこの上着、というのは理解に苦しむ。だがトレーナーとしての彼が選んだものだ。これはこれで私たちらしいのかもしれない。充分な暖かさに満足しながら目の前のレースに集中する。お母さん…貴女も昔、このような場面に直面したんだろうな。私も……。
その日、エアグルーヴは大差で勝利を果たした。彼女を称えようと控室に行くと、まだ入るなと締め出される。待っている間、エアグルーヴになんて声をかけようか楽しい気持ちで言葉を選ぶのだった。
3021/05/12(水)22:41:18No.802106017+
エアグルーヴおしまい。生真面目だからなんてこと無いこと見落としちゃうの良いよね…良い感じの時間なので今回はここまで
付き合ってくれてありがとでした
3121/05/12(水)22:41:39No.802106157そうだねx1
良き
3221/05/12(水)22:43:12No.802106785+
寝る前にいい怪文書を読めた
これで安眠できる
3321/05/12(水)22:45:55No.802107914+
即席で複数仕上げられるの羨ましい…継承したい…


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