テイオーがG1で大差勝ちをした日、俺はトレーナー室にいた またこの時が来てしまった…見やる左手にはボールペン 押すと強めの電気が流れる、所謂ジョークグッズだ 正直言って心許ないが、これが俺の生命線。頼むぞ… そうこうしているとトレーナ室の扉が開き、テイオーがやって来た 「ただいまトレーナー!どう?ボク凄かったでしょ?!」 「ああ、凄かったぞ。流石は無敵のテイオーだ」 そう言ってテイオーの頭を撫でる。これで終わってくれればいいのだが… 「じゃあトレーナー。ご褒美のはちみー…ちょうだい?」 そうはいかなかったようだ。覚悟を決めるしかあるまい 机の上に置かれたハチミツの瓶を手に取り、開ける 「ほら、テイオー。あーん」 スプーンで人差し指にハチミツを絡ませ、差し出した 「わーい!いただきまーす!…はむっ、れろ…ちゅぴ…」 躊躇なく俺の指を咥えるテイオー。そのまま舌を這わせてハチミツを舐めとっていく。どうしてこんなことになったんだっけ… あれはそう、レース前日に二人でケーキを食べていた時だ テイオーの頬にクリームが付いてたもんだから、俺がそれを指で掬って舐めたんだ それが恥ずかしかったのか顔を赤くして怒るテイオーに「そんなに舐めたかったのか?」とふざけて指にクリームを付けて差し出したのが始まり 俺の指をジッと見つめるテイオーに冗談だと言おうとしたらパクっと食いついてきた あの時の衝撃は忘れられない。ペロペロと俺の指を舐めるテイオーの姿に、理性を押し留めるのに精一杯だった その翌日、テイオーはコースレコードを叩き出し、指舐めは大差勝ちした時のご褒美になった 「あむ…ぴちゃ…れろ…ぷぁ、トレーナー、おかわり…」 すっかりふやけた指から口を離す。今回はG1だったので3回だ ベトベトの指を1度綺麗に拭こうとして、テイオーに睨まれる 分かったよ…俺は2度目の観念をして自分の指を咥える。綺麗にする時はこうしろとのお達しだ 舐めた後、再びハチミツ濡れにした指をテイオーが咥える 指から伝わる膨大な情報は俺の理性を押し流そうとし、俺はそれに必死で抗う 既に左手のボールペンは何度も押していた 「ちゅぷ…んあ…はぷ、ちゅっちゅっ…」 唇で、舌で、口腔で、一心不乱に指をしゃぶるテイオー こんなことはダメだ、俺の為にもテイオーの為にも止めなきゃいけない… 「れぇろ、れぇろ…んむ、ちゅ…ぴちゅ…ホレーナー?ほーひはの?」 指を咥えながらの上目遣い。プチっと、頭の中で何かが切れた音が聞こえた 「ホレーナー…?んぶ?!んあ…んっんっ、んんぅ…!」 指を曲げ、テイオーの口を蹂躙する。舌だけでなく歯を、顎を、内頬を擦り撫でる 左手のペンはとっくに床に落ち、今はテイオーの耳や頭を撫でている 「むー…はむっ…!ぢゅぢゅぢゅ…!れろ…ぺろ…んむぅ…」 テイオーも負けてはいない。舌を回し、甘噛みし、必死に抵抗してくる 「ぷはぁ…いきなり酷いよぉ、トレーナーぁ…」 指を引き抜くとテイオーは俺を非難するが口だけである。その証拠にトロンとした目には期待の色しかない 「すまんすまん。ほら、最後だからサービスだ」 俺は形だけの謝罪をし、人差し指と中指の2本にハチミツを付けて差し出した。もう、止まれない テイオーの口に2本の指をやや乱暴に突っ込む そして思う様指を動かしテイオーの口腔を弄ぶ。挟み、擦り、引っ掻き、かき回す いつしか攻める指は3本になっていた 「んぶぶ…ふーっ、ふーっ…あぶっ、んぉ…じゅるじゅ、んんん…!」 指1本の時には果敢に抵抗していたテイオーだが、今は多勢に無勢。なすすべも無く俺になぶられる しかし、それが嫌だという訳では無さそうだ。彼女の両手は俺の手をしっかり掴んでいるが、決して指を引き抜こうとはしない 「ホレーナー…もっろ、いっふぁい…んあぁぁ、むぶっ…くぷっ…あふっ…」 ぴちゃぴちゃ、じゅぷじゅぷと水音だけが響く。やがて指は離れ、荒い息遣いへと変わった とろけきった瞳でこちらを覗くテイオー。口の端からタラタラと零れた涎と相まって非常に艶かしい 自然と、どちらからともなく互いに顔を近付けていく。そして… 「いってっ?!」 たまたま手元に転がっていたペンから電流が流れた 突然の刺激に驚いた俺は机にぶつかってしまった。衝撃でハチミツの瓶が倒れ、俺たちの服にもかかる 水を差されてしまったかな…と思ったがそうでもないようだ。彼女の瞳はまだ妖しく輝いている テイオーは人差し指と親指で服についたハチミツを掬い取ると 「ん…ちゅぴ…ちゅぱ」 自分の親指を舐め始めた。舐めとり終わるとテイオーはこちらを向き 「もったいないから、ね?」 そう言って残りの人差し指を差し出した 「…そうだな、もったいないもんな」 テイオーの指を口に含む。ゾクリ、という震えが舌越しに伝わった この行為をもって、回数に縛られていたご褒美の契約は更新された 互いに自身の服に付いたハチミツを掬っては、舐めさせる。決して相手の服には触れず、直接口も付けないのは暗黙の了解か しかし法を破り、創るのもまた王である テイオーは零れるハチミツを多めに掬ったかと思うと、ルージュのように唇に塗り付ける 「トレーナー、こっちにも付いちゃった」 年齢に似つかわしくない妖艶な笑みに魅せられ、口づけをしようとして…テイオーの意図に気付いた 予定変更、テイオーの唇を丁寧に舐める。テイオーは嬉しそうに微笑んだ。正解だったらしい そのまましばらく舐めていると、やがてテイオーの唇はゆっくりと開いていった 俺は舌を割り入れ、彼女の舌と絡ませる。全てを預け、受け入れられる喜びに震える 「ん…ぷぁ、ちゅっ…じゅる、えろれろ…トレーナー…しゅき…んちゅ…」 何分程していたのだろう。ハチミツ色の橋をかけながら離れる 少しだけ見つめ合うと、今度はテイオーが俺の唇にハチミツを塗った。攻守交代ということらしい 俺達は飽きること無く、どこまでも融け合っていった ふとするたび、昨日のことを思い出す トレーナーのイタズラから始まった、大差勝ちした時の秘密のご褒美 いつものようにはちみーを舐めるだけで終わると思っていたそれは、とんでもない行為にまで発展した 今でも顔から火が出そうだ。何であんなことしたんだろう。後悔はないけど、あれはエッチすぎた もしかしたら、あれは夢だったんじゃないかと思うほどだ でもボクはしっかりと憶えている。ボクの口の中で暴れまわったトレーナーの指を、そして舌を はちみーがからっぽになるまで舐め合ってたボクたち。このまま最後までいっちゃうのかな、なんて思ってたけどそうはならなかった トレーナーが何かを言おうとしたその時、隣の部屋から物凄い音がしたんだ。どうやらゴルシがまた壁を突き破ったらしい 沢山の人が駆けつけてくる音が聞こえてきて、我に返ったボクたちはそそくさとそれぞれの寮に帰ったんだ 残念ではあったけど、同時にホッとしているボクがいる。興味が無いわけじゃないけど、やっぱり怖いって気持ちもあるし それにトレーナーも絶対にしてくれないだろう。 ボクよりもボクのことを考えてくれるヒトだ。ボクの身体や夢に負担がかかるようなことは許さないだろう 強引に押し倒したり、泣き落とせばしてくれるかもだけど、そうなったらトレーナーは、ボクが好きなトレーナーではなくなっちゃうんだろうなと思ってる はぁ…やっぱりボクは子供なんだなぁ。早く大人になりたい 「…オー!…テイオーってば!」 「うわぁ?!…えっ、ネイチャ?!何々?!」 「何じゃないって。手!手!アイス!」 「手?…ああーっ!」 ボクの手にあったのはドロドロに溶けたバニラアイス。棒にはもう殆ど残ってなくて、手を伝って地面に落ちていた 「全く、何をやっていますの?勿体ない」 傍にいたマックイーンも呆れ顔。どうやら随分ぼーっとしてたみたい 「あちゃー、手がベトベトになっちゃった…あむ」 棒に残っていたわずかなアイスを食べる。手はどうしようかな…いいや、舐めちゃえ 「はむ…ぺろぺろ…ちゅぱ…」 手に付いてる溶けたアイスを舐めとる。そうすると思い出すのは、やっぱり昨日のことだ ボクが舐めるトレーナーの指は、もっと太かった。ゴツゴツしててガッシリで、男のヒトの手だった ボクを舐めるトレーナーの舌は、もっと大きかった。荒々しくて強くて、男のヒトだった トレーナー、トレーナー…胸とお腹の奥が熱くなる。もっといっぱい舐めたい、もっといっぱい舐められたい 指を、唇を、舌を、肌を…胸やお腹、大事な所だって… 「ちゅ…ちゅる…んっんっ、ぷはぁ」 気が付くと手に付いたアイスは舐めとりきっていた。アイスは取れたし、手を洗いにいかなくちゃ 声をかけようと目を向けたら、ネイチャとマックイーンは顔を真っ赤にして固まってた。何で? 終わり 昨日の夜と今日の昼の続き おかしい、なんでこんなに続いてるんだ…?