二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1619710437297.png-(959416 B)
959416 B21/04/30(金)00:33:57No.797711666そうだねx1 01:52頃消えます
季節の変わり目だからなのだろうか、最近喉の調子が悪い。咳が出たり、痛みがあったり…要するに風邪っぽいのである。
体調に関してはテイオーに散々言ってきた立場だが、ここでテイオーにうつす訳にはいかない。俺は情けないと思いながらも休みを取った。決して最近忙しすぎて普通に休みたいというのではない。

という訳で今日は診察するため、かかりつけの病院に来た。ここは周りと比べると小さい病院だけど、友人の先生がいるため世話になっている。
しかし早速検査を受けて診断結果を待っているのだが、なにやら様子がおかしい…いつも陽気な先生の表情の顔が暗い。
まるで俺が重大な病気を患っていた事が発覚し、余命宣告されるような雰囲気がしばらく続いた後、ようやくその先生が口を開いた。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/30(金)00:34:18No.797711790そうだねx4
「急性上気道炎です…」

…そうか…ここまでなのか…今思えば充実した人生だったよ。
せめてテイオーの引退は見届けてやりたかったけど、どうやら叶いそうにない…ごめんなテイオー…俺はトレーナー失格だ…

「…風邪ですね」
「え?」
「風邪です」

医者という立場と診察室の雰囲気を使って医療知識が乏しい人を弄ぶ友人を殴りかかりそうになったが…とりあえず安心した。そして渡された診断書には随分と威圧感のある字面の病名が書かれている。

全く、これじゃ重大な病気だと勘違いされかねないな……いや、もしかしてこれは使えるんじゃないか?
「…余命宣告って書いてもらうことできる?ちょっとやりたいことあってさ」
「いいぞ、何年ぐらい?」
「じゃあ一年ぐらいで…」
221/04/30(金)00:34:47No.797711965そうだねx2
目的としては、最近俺の扱いが酷いテイオーへの仕返しだった。
休日にも関わらず遊園地に朝から晩まで付き合わされたり、仮眠の時に無理やり起こされて話を聞かされたり…最近に関しては、やれ俺が女心を分かってないとか、テイオーじゃなかったら捨てられてたとか、からかうようになってきた。
少々質の悪いいたずらだが、いたずらにはいたずらで返すしかない。

「最悪自分で書いたって言えば良いから、お大事に」

返された診断書には薬を処方した事と、ボールペンで書かれた余命宣告があった。
…準備は整った、あとはテイオーに診断書を見せに行くだけだ…と言いたいが、最近まともに寝ていないせいで眠気が襲ってきている。
まあ明日でも良いかと思い、俺は寮に帰ると診断書を机の上に置いてすぐさまベッドに飛び込んで眠りについた。

「…きて…トレー…起きてよ…」
外が夕焼けに染まる中、俺は良く知っている声に無理やり起こされた。
「ほら、起きて」
まだ起きてない身体をリビングの机まで引っ張られると、机の上にある見覚えのない紙と封筒が目に入った。
321/04/30(金)00:35:23No.797712174そうだねx1
「まずはこれかな…ほら、名前書いてよ」
渡された紙を見ると婚姻届だった。机を見ると他にも引退届や退職届の封筒もある。

「テ、テイオー?これは流石にまだ早いんじゃ…」
「早くない!」

テイオーは声を荒げて俺の言葉を遮ると、その場で泣き出してしまった。

「結婚も、旅行も、子供も…ボクはまだトレーナーと出来てない!!…1年じゃ…足りないよ…」
「待ってくれ、それは…」
「もうトレーナなんかしなくていいよ…ボクが残りの1年を幸せにするからさ…」

まずい、俺に恋情があった事には驚いているが、それ以上に笑いが堪えきれない。ここで打ち明けたら、テイオーはどんな顔するんだろうな…
421/04/30(金)00:35:43No.797712290そうだねx1
「…トレーナー…なんで笑ってるの?」
「いや…テイオーはさ、俺の病気の別名分かる?」
「そんなの知らないよ…」
「…風邪だよ」
「え…じゃあ余命って」
「自分で書いた」

俺が打ち明けた途端、テイオーは見たことのない顔になってしまった。放心と困惑が混ざっていて…ちょっと怒ってるような顔だった。

「ごめんな、少しテイオーに仕返ししようと思って…」
「トレーナーのバカ!!もう知らない!看病もしてあげない!」
…理由を説明する前に顔を真っ赤にして飛び出してしまった。

にしてもあのテイオーが俺に…恋愛と関係ない人生を送ってきたけど、恋されるのは案外嬉しいな…治ったら謝りに行かないと。
しかしこの婚姻届はどうしようか。捨てるのももったいないし…
521/04/30(金)00:35:57No.797712361そうだねx1
「どうせ何処かに保管するし、記念がてら書いてみるか」
一体何の記念か分からないが、俺はテイオーの置いていったボールペンを使って記入事項を書き、律儀に印鑑も押していった。
そして書き終わったころだろうか、今日中は開かないと思っていた玄関の扉が開いたのは。

「…トレーナーの実家…教えてよ」
621/04/30(金)00:36:09No.797712432そうだねx1
寝付けなかったので書きました
今回みたいに余命宣告書いて貰って友人に見せたら本気で泣かれたのはいい思い出
良い友人ですね
721/04/30(金)00:37:28No.797712906そうだねx9
>今回みたいに余命宣告書いて貰って友人に見せたら本気で泣かれたのはいい思い出
>良い友人ですね
なんて奴だ
まぁ、それでも絶交とかされてないなら良い友人かな…
821/04/30(金)00:38:25No.797713239+
自分で穴に埋まりにいってるトレーナー初めて見た
921/04/30(金)00:40:04No.797713800+
余命宣告ってそんなに簡単に書けるんだ
1021/04/30(金)00:41:28No.797714284そうだねx20
>良い友人ですね
普通に大事にしろ
1121/04/30(金)00:42:20No.797714596+
>余命宣告ってそんなに簡単に書けるんだ
提出しない場合だけどね
1221/04/30(金)00:46:37No.797716073+
大人がやるおふざけじゃねえ!
結果テイオーが既成事実作るのに成功したんでよかったけど
1321/04/30(金)00:51:40No.797717911+
そんな書類あるんだ
1421/04/30(金)01:02:54No.797721389+
曇らせと曇らせフェイントが二つ…一体何が起こっているんだ
1521/04/30(金)01:06:45No.797722319+
加減しろバ鹿!
1621/04/30(金)01:12:15No.797723593+
命に関わるドッキリはダメだ…
自分から墓穴に突っ込んだから許すが
1721/04/30(金)01:21:43No.797725512+
むぅ…同時多発テイオー…
1821/04/30(金)01:22:22No.797725630+
ところでテイオーさん
どうして俺の部屋に…?


1619710437297.png