二次元裏@ふたば

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97910 B21/04/29(木)05:18:45No.797402613+ 09:21頃消えます
――某年12月香港沙田レース場
「おい、水……。」
「ほら……。リョテイ顔色悪くないか?」
ペットボトルの水を手渡すとゆっくりと飲み干して応える。
「ハァ……なんでもねえよクソが……少し寝不足なだけだ……畜生、どうも海外は慣れねえ。」
「でもドバイでは勝ったじゃないか。あれは凄かったぞ!」
「あぁ?あれは周りのウマ娘でも無え奴らが俺の事チビだのなんだの喧しかったから、中指立てて『全員チギってやるから目ん玉開けて見てろよ。』って言ってそうしただけだ。アホ共のレース後の顔忘れられねーぜ。あの青いのにはギリッギリだったけどな。」
「勝ちは勝ちだ。しかもその青いのってのは世界最強バと言われてるファンタスティックライトだったんだ。今日も勝とう!リョテイのトゥインクル引退レースなんだ。見ろ人気だって凄いぞ!君が1番人気だ。」
「レース前の人気なんか当てになるかよ。ドバイで俺は大穴扱いだったの忘れたのかよ鳥頭。後な、トゥインクルだけじゃねえ、レースからの引退だ。ドリームには行かねえよ。」
「……リョテイ、ドリームへのトライアルだけでもするつもりは無いか?」
「しつけえ。」
「そうか……。」
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/29(木)05:19:15No.797402635+
「おい、外の空気吸ってくるわ。なんかあったら呼べよ。」
「ああ。」
控え室を後にし、コースの中央にある公園を散歩するリョテイに声を掛けるウマ娘がいた。
「貴様がキンイロリョテイか?」
鮮やかな青を基調とした勝負服を纏う姿にリョテイは見覚えがあった。
「あ?誰だよ?人に名前聞く前にテメーが先に名乗れ。」
「……失礼した。エクラールと言う。ドバイではチームのライトが世話になったな。」
「ああ……通りで似たような服着てるなと思ったわ。で?何の用だよ。喧嘩売りに来たのか?」
「……ライトの話の通り、裏の顔は狼藉者だな。」
「大きなお世話だ。つーか俺の事狼藉者とか抜かしてたのかよ。ライトちゃんカワイイ顔して言ってくれるじゃねーの。」
「単刀直入に言う。ライトの敵討ちに来た。私と勝負しろ。」
「は?いや敵討ちも何も去年JCで負けてるし……。」
「その貴様にドバイで差されたのが問題なんだ。どうなんだやるのか?」
「……別に良いぜ〜。強豪揃いだってのにロートルも良いとこの俺以外眼中に無いめでてえ頭に免じて受けて立ってやるよ。クックック……。」
「口の減らない……。」
221/04/29(木)05:19:40No.797402660+
「おぉ〜顔こえー。ホラ、用が済んだら行った行った。俺の貴重なリラックスタイムなんだからよ。」
「く……何故ライト程の実力者がこんなのに……?」
調子はクソだしやる気もゴミ。けどアイツが負けた時の吠え面は見てぇな〜……。だったらやる事は一つ。だよな?
控え室のドアを蹴り開けたリョテイは叫んだ。
「おいトレーナー!獲りに行くぞ。」
「え?何を?ホテルに忘れ物でもあったか?」
「バァ鹿!勝ちに決まってんだろ!今日も青いの居るだろ!アイツに絶対勝てる方法考えろ!」
「青いの……いや確かにエクラールはあのライトとチームメイトだけど……。なんで指名?全体の流れから考えていった方が……」
「ごちゃごちゃうるせんだよ!九龍湾に沈められてえのか!」
「いや、か、勘弁してくれ。えーっとな……。」
321/04/29(木)05:20:09No.797402690+
――レース終了後
「クックック……勝負あったなァ、エクラール。いやァ早えー早えー。追いつけねえかと思ったぜ〜。」
掲示板を見上げて勝ち誇った表情でエクラールに語りかける。
「……貴様、何処から……4コーナー前では10バ身は付けてた筈だ!」
「ケケケ、教えてやろうか?お前より早い奴追っかけてたんだよ。」
「何を……言ってるんだ……?私が先頭を走っていたんだぞ。誰か居たのか?誰なんだ?」
「さあね〜……勝者は今から忙しいんでねえ……自分で調べな!ハハハハハ!」
「クソ……次こそは……。」
「残念!今日で俺レース引退なんだわ。じゃあな!ライトによろしく!アーハッハッハ!」
あぁ〜強え奴のハナ明かすのはマジ気分良いぜ〜。
421/04/29(木)05:20:41No.797402716+
「リョテイ!!リョテイ!!!」
「と、トレーナー!うっわ!汚ねえな!おい近づく前に涙と鼻水拭け!」
「ああ、ごめん。持って来たけどタオル使うよ……うう〜……良かった……勝って本当に……。俺リョテイの担当で本当に良かった……。引退戦でG1初勝利しかも海外戦……こんなの映画でも見た事無いよクソ!最高だ!エクラールのチームトレーナーにもあんな子が引退なんてこっちには朗報だが君は寂しくなるだろうなって言われたぞ。」
「お、おう……。良かったな……。まあ一割くらいはお前のお陰だな。」
「ありがとなぁリョテイ。最後の直線でさ、俺見えたんだよ。背中から生えた黄金の翼が。ターフの上で羽ばたいてゴールへ飛ぶ君が。」
「お……お前、変なクスリでもやってんのか。」
「幻覚でも何でも無いよ……。本当に見たんだ……。」
「わ、分かったから……変な事インタビュー中言うなよ?」
521/04/29(木)05:21:39No.797402773+
――翌年1月京都レース場控え室
「本当に引退するのか?今が一番君の走りの良さが出てると思うんだ。」
「だから優先権貰ってもドリームには行かねえって……スズカ筆頭にスペとかやべえ奴らしか居ない所に何で俺が……。」
「もう少し君と旅を続けたいんだ。」
「旅行は終わりだ!……ったくURAからの要請だか知らねえけど引退式なんか断りゃ良いのによ……。」
「キンイロリョテイさん!担当トレーナーさん!準備できましたんでお願いします!」
スタッフから呼びかけられ、ダルそうなリョテイを表へと連れて行く。
「――主な勝ち鞍はながく阿寒湖特別で……。」
あー超つまんね……。俺が今ドリームに行きますって言ったらコイツら全員どういう顔するんだろうな〜。式を混乱のめちゃくちゃにしてやりてぇよ〜。……後で『リョテイちゃんの冗談だぴょん!』とか言えば何とかなるだろ……なんせ【愛さずにいられない】んだからよ。ヒヒヒヒ。
「――では本日の主役にご登場頂きます。キンイロリョテイさんです!」
リョテイはニヤつきを抑えて登壇し、表の顔で話を始める。
621/04/29(木)05:22:18No.797402802+
「『今日は引退式に来て頂きありがとうございます!こんなに沢山のファンの皆さんに集まって頂いてリョテイはとっても幸せです。ですが一つ謝らないといけない事があります。……私は……キンイロリョテイはレースからは引退せずドリームトロフィーリーグへ挑戦します!』」
へへへ……ほーら、こう言ったら悲喜交々の混乱の渦がそこかしこで出来て、そこでなーんちゃってって……アレ?上がらねえな?
困惑が広がり、ザワついていたビッグスワンから大きな声が一つ上がった。
「す、素晴らしいです!!!担当トレーナーさん!!本当なんですか!?」
ゲッ!乙名史!!しまったアイツが居たのか!や、やべえ……アイツの変なペースに乗せられて言質とられたらエライ事に……。おいトレーナー!分かってんだろ?違うぞ違うからな!!
トレーナーの方を向き、精一杯の冗談アピールと目配せをするとゆっくりとうなづきマイクを手に立ち上がった。
な、何うなづいてんだ……や、やめろ……。
「お答えします。……私はこれまで幾度と無く彼女にドリームへ行かないかと打診を続けていました……今日ここでも直前までです。しかし彼女の引退への意思は強く、諦めかけていました。」
721/04/29(木)05:23:10No.797402841+
そうだよバ鹿野郎!今日で引退だ!なんで諦めてねえんだ!
「何が彼女を動かしたのかは分かりませんが……もしかするとここに駆けつけたファンの皆さんの期待や熱量に考えを改めたのかも知れません。」
てめえ!今まで5年も俺の何見てきたんだ!?この俺が他人の思いなんかで考えを改めるかよ!
「……それではトレーナーさんは彼女の挑戦を肯定的に受け止めていると……。」
「当然です!彼女の辿る黄金の旅路はまだ続きがあります!!」
「なんと……なんと!!かっ、感動しました!!トゥインクルでもそうそう見ないようなドラマチックな幕切れを見せ、一度は引退を決めていたウマ娘が、ファンの声援により再びレースへ向かう決意をし、そして担当トレーナーは今まで以上に粉骨砕身して自らの生涯を掛けるつもりでサポートする決意を語るなんて……キンイロリョテイさん一言頂けますか?」
「『え……その……ど、ドリームトロフィーリーグでもリョテイは頑張ります♡お、応援してください!』」
あー……やっちまった……終わった……。
引退式では無くなってしまったもののファンの大歓声は式典が終わるまで止む事が無かった。
821/04/29(木)05:23:58No.797402884+
――式典後ターフビジョンの脇にて
「お前やりやがったな?」
「ああ、これからも頑張っていこうな!!」
「もちろんだ……なァトレーナー、仁川と淀どっちがいい?」
「もう初戦の事考えてるのか!流石リョテイだ!うーん……やっぱり淀じゃないか?」
「おぉ……分かったよ。仁川の坂に埋めるか巨椋池の鯉のエサか迷ったけどよォ!!池に叩き込んでやるよオラァ!」
「え!?待て待てなんでだ?」
「なんで?じゃねえよおン前、ドリーム挑戦なんて冗談に決まってんだろ!?本気にしやがって!乙名史に書かれたら撤回も出来ねえじゃねえか、このグランプリ級バ鹿!!」
「ウワーッ!!」
彼女の豪脚で池に蹴り込まれ大きな水しぶきがあがり始まったポツンと一人冬の京都弁天島寒中水泳レース。盆地の寒さと刺すような水の冷たさが俺の身に堪えた事は言うまでもない。
921/04/29(木)05:39:06No.797403558+
スズカがカスケードの幻影みたいになってそうだ
1021/04/29(木)05:49:24No.797404061+
朝から良いもの見れた
1121/04/29(木)06:50:56No.797407051+
トレーナーに突っ込みいれるぐらいだとちょうどいい関係よね
1221/04/29(木)07:05:02No.797407909+
リョテイ怪文書はそのうちガンにも効くようになるからもっとやれ
1321/04/29(木)07:24:36No.797409271+
いいねぇ
1421/04/29(木)07:45:46No.797411058+
乙名史記者がいないわけないから迂闊過ぎる…
1521/04/29(木)07:54:25No.797411856+
表の顔が可愛い系なの面白いな
1621/04/29(木)07:57:02No.797412101+
この世界ではスズカさんが現役なんだね…
よかったねリョテイ…
1721/04/29(木)08:04:28No.797412798+
たぶん表裏で声が違うんだ…
表ではキャピキャピして愛想良く振る舞っているんだ…
でも既に裏の顔はバレてて、その事を本人は知らずに隠し通せてると思い込んでるんだ…
1821/04/29(木)08:45:25No.797417439+
見てスペちゃん
別に撤回のチャンスはまだあるはずなのにもうドリーム挑戦する気よ相変わらず素直じゃないわね
1921/04/29(木)08:47:38No.797417745+
>たぶん表裏で声が違うんだ…
>表ではキャピキャピして愛想良く振る舞っているんだ…
>でも既に裏の顔はバレてて、その事を本人は知らずに隠し通せてると思い込んでるんだ…
大体イメージが桐谷華
2021/04/29(木)08:48:49No.797417893+
>たぶん表裏で声が違うんだ…
>表ではキャピキャピして愛想良く振る舞っているんだ…
>でも既に裏の顔はバレてて、その事を本人は知らずに隠し通せてると思い込んでるんだ…
壺みたいな匿名掲示板で【腹黒カワイイ】キンイロリョテイちゃんpart◯◯みたいなスレタイで本スレ立ってるんだよね…
2121/04/29(木)08:48:51No.797417898+
>>たぶん表裏で声が違うんだ…
>>表ではキャピキャピして愛想良く振る舞っているんだ…
>>でも既に裏の顔はバレてて、その事を本人は知らずに隠し通せてると思い込んでるんだ…
>大体イメージが桐谷華
偽乳になっちゃう…阿寒湖の静かな湖面のように真っ平らになっちゃう…
2221/04/29(木)08:52:06No.797418376+
>見てスペちゃん
>別に撤回のチャンスはまだあるはずなのにもうドリーム挑戦する気よ相変わらず素直じゃないわね
多分ですけど言い出しっぺが自分だから自分から撤回を言い出すのが嫌だって意地張ってるだけじゃないですか?
誰かに心配だからやめておけとか言われた瞬間に
言われちまったら仕方ねーなー!
って嬉々として撤回はしそうですけど
2321/04/29(木)09:02:28No.797419931+
よーしドリームトロフィー進出の前祝いにスペとスズカをダートに埋めるかぁ〜
2421/04/29(木)09:07:22No.797420699+
また一緒にレースが出来て嬉しいわ勝つのは私だけど(ダッ
2521/04/29(木)09:11:26No.797421348+
仁川の坂に埋まるスペ
影も踏ませないスズカ
2621/04/29(木)09:13:08No.797421616+
これが、後々まで語られる事となる黄金覇王変態連合vs金旅組一門会の抗争の始まりだった…


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