「あっちにいきましたけど。」
左手で方向を指し示すと、妹さんはなぜか固まってしまった。どうしたんだろう？
「あの、もしよかったら、ビワハヤヒデさんのトレーナーがどこにいるか教えていただけないで……す…？」
何故か尋常じゃなく睨まれている。めちゃめちゃ怖い。
「トレーナーとどういう関係だ？」
おいもしや毒牙にかかってるのはビワハヤヒデさんだけじゃないのか？美人姉妹両方ともか？
この子はどっちだろう…恋心を自覚してるのか、そうでないのか。発言によっては殺されそうな雰囲気を感じる。
もし自覚がなかった場合に諦めさせられて、そうでない場合にもすぐ誤解が解けそうで、私の命を繋ぐ方法…方法…
考え抜いて最終的に、諦めさせれそうな、事実を言うことにした。最悪誤解されても死ぬことはあるまい。
「この指輪をトレーナーに送ったものです。」
左手の薬指を指し示しながら言ってみた。
目線が強く脳天に突き刺さっている。これは、死んだかも

姉貴を見なかったかと聞いた女性の左手に、トレーナーの薬指と同じ指輪があった。あの忌々しい指輪と同じデザイン。恨みのこもった視線をいつも向けているせいか、完璧に覚えていた。
その女性が「ビワハヤヒデさんのトレーナーはどこに」なんて聞いてくるものだから、私の警戒レベルはマックスになった。
「トレーナーとどういう関係だ？」

「この指輪をトレーナーに送ったものです。」
なんだと…？マズい…マズいマズいマズい！！！
あの指輪は偽物だ。婚約指輪でも結婚指輪でもない。本人が言ってたのだから間違いない。誰に送られたものかは聞いたことがないか、もし本当にコイツが送ったものだとしたら…！
トレーナーに女性避けの指輪をプレゼントした女だ。しかも偽物にも関わらず本物であるかのような口ぶり。間違いなくトレーナーに気がある！
そんな奴が出てきたら！偽物の指輪ごときで怖気づいてる姉貴が！いよいよ本格的に身を引いてしまうじゃないか！！！
「姉貴のトレーナーは忙しい。私はナリタブライアン。彼のことはよく知っている。私が話を伝えておこう。」
とりあえず食堂に案内して、じっくり話を聞かせてもらおう。今のところ、分かっていることは一つ。目の前の女を姉貴に会わせるわけにはいかない。トレーナーにも会わせたくない。あの二人の関係は今、私にかかっている。

続きもの
そろそろキャンパスに蛇の足を描く場所がない

ク…

頑張れ三冠バ！

よく見ろカンバスには裏面がある

クソボケ姉…

なんでこう紛らわしくて回りくどい言い方しかしないんだクソボケ姉弟は

クソボケ空間すぎない？責めるのも酷かもしれないけども