「？……割引券、ですか？」
「割引券と言うか…宿泊券？なんか理事長から一定の成績を収めたトレーナーと担当に、ってさ」
「はぁ…なるほど…？」
「まあ…行ってきたらどうだ？なかなかあるもんじゃないぞ？」
「あれ？先輩も貰ったんですよね？」
「あー……俺は今回は対象外でな、また来季狙うよ」
だからまた暇なときにでも行ってこい、絶対に担当とな？、そう言われたのが一週間前

「って事があったんだが……良かったら行く、か？」
「…うんっ！もちろん♪」
「ならいつか空いてるかな……？」
「私は何時でも大丈夫♪」
気分上々と尻尾をブンブン振る彼女に苦笑しながらそこまで楽しみなら早い方がいいな、と日付を決める
「なら今週末だな」
「ふふっ♪準備、しないとだ♪」
スマホを取り出し何やら電話し始めた彼女に目を細めたのが6日前

そうして案外早く時間は過ぎていき──
「……フッカフカだなこの椅子」
「そうだねっ！楽しいな♪」
全くの自然体のファインとガッチガチに固まっている自分、なんだろうこの敗北感は
まあ、楽しんで貰ってるならいい……のか？
実際ここに来るまでに水族館や映画館に寄ったがどこでも楽しそうにしていてくれていた
それならこっちも幸せだし──
「──様とファインモーション様でございますか？」
「！！……はい？」

名前を呼ばれ間抜けな返事をする
見るとホテルマンだろうか、ビシッとスーツを着こなした初老の男性が立っていた
「私、当ホテル支配人のジーヤと申します」
お部屋の準備が整いましたのでご案内させていただきます、と続けるジーヤさんにファインは
「はい♪お願いします♪」
と気負った感もなく対応する

「……ここ最上階か？」
「ふふっ♪みたいだね？……景色も楽しみだ♪」
戦々恐々とするあまり小声で話しかける俺を尻目にジーヤさんはある部屋の前に案内する
「こちらのお部屋でございます」
本日はロイヤルスイートルームをご用意させていただきました、そう説明も開いた顎が閉まらない
その後もルームキーやホテル内施設の説明等をされるが右から左である
理解できない情報量を叩き込まれると脳はフリーズするんだなと何故か冷静に考えつつも部屋に入ると──
「うん、無理だ」
生きてる世界が違う、そんな事を確信する

「なら夕ご飯！夕ご飯食べにいこうよ！」
「…お、おう！そうだな！何にしようか？」
血の気が引いた俺を案じてくれたのか食事にしようと提案され、現実逃避も含めてそちらに意識を割く
「フレンチに和食、中華に……鉄板焼とか天ぷらとかお寿司まであるみたい♪あ！バーもあるんだ♪」
「……なんかこう、凄いな。……それとお酒は駄目だぞ？」
「わかってるわかってる♪……ラーメンあるかな？」
「なら中華か？…でもこういうとこだとコース仕立て、なのかな？」
「んー…ア・ラ・カルトもあるだろうけど、基本はコースかなぁ……」
「まあ、何事も経験、か」
おそらく先輩もこういう事を経験してきたんだろう、きっと多分
そう思いながらフロントへ夜は中華に行くと連絡する……直ぐに案内できるらしい
「なら善は急げだ♪」
「だな」

2時間後──
「あー……食べた食べた……」
「こういうところのラーメンはこういう感じなんだ……美味しかったぁ……」
円卓で2人お腹を押えて一息つく
予想通りコースだったが……
「フカヒレ、鮑、海鼠に……燕の巣か……」
「どれも美味しかった♪」
「多分、2度と食べられない様な食材だな……」
「…そうかな？また食べられるかも、よ？」
「……だったらいいな、楽しみが増える」
「……うん♪私も楽しみ♪」
「……俺は腹ごなしがてら少し散歩してから部屋に戻るけど……」
「私は先に戻る、ね？」
カードキーは……うん、あるから大丈夫だな
そう言って別れる

20分ほどホテル内を散策しつつ部屋に戻ろうとするとバーがあるのを発見する
「……一杯くらいならいいか？」
「──様」
「はいっ！？……ってジーヤさんでしたか」
「こちらドリンクサービス券となっております、よろしければお使いください」
「ありがとうございます…？」
でもなんでここまで……？と疑問を口にすると
「当ホテルはURA様と深い関係にございまして……その繋がり、とでも申し上げておきましょう」
「……はぁ」
そう言って立ち去る彼の背中を見送りつつアルコールメニュー引換券と書かれた紙に目を落とす
一杯だけ、だな

「……なんだかんだサービスして貰ったぞ？」
バーKOKORO……読み方は「こころ」でいいのだろうか？での一幕を思い返しながら少しアルコールの回った頭で部屋に戻る
青いカクテルや緑のカクテル……飲んだことのない様な味のカクテルも出して貰ったが…お陰で身体が少し浮ついている
「戻ったよ……って居ないのか？」
見渡すと広い部屋──いや本当に広いな……何平米あるんだここ、にファインの姿は無かった
「あ、戻ってきたんだ♪先にお風呂──」
扉が開く音がしたのでそちらを見返すと──
「あっ……」
「……えっ？」
一糸まとわぬ生まれたままの姿のファインが──

「……ごめんなさい」
「き、気にしてないよ？だから土下座しないで……？」
「……注文を着けるようで申し訳ないのですが……服を着て……いただけないでしょうか」
「……うん、そうだね」
そっち向いててね？と言われ土下座の体勢のまま向きを変え壁に向く
衣擦れの音が聞こえる
耳を抑えたいがそれをやると色々と不味い気がして固まったまま時間が過ぎるのを待っていた
が──そんな均衡は直ぐに破られる

背面に重さを感じる
何なのかは直ぐに理解する
ファインモーション、彼女だ
着替えが終わったのだろうか、そう思い振り向いて見る──
「えいっ♪」
「……！！！！？？？？」
先程と何ら変わりのない姿の彼女に抱きしめられる
頭がフリーズしかける
視界は肌色に染まっていた
彼女の肌、自分のとは違う色白の、肌
その瞬間なんとなく先輩に担当と行け、と言われた意味を察する
…そしてある噂についても
「……いいのか？」
「ふふっ♪……うん、来て♪」
夜は長くなりそうだった

ファインモーション様宛領収書

『一心同体宿泊デート大満足プラン』

オプション
・完全防音ロイヤルスイートルーム提供
　・うまぴょいXカクテル提供サービス
　・館内GPSサービス
　・支配人応対サービス
　・送迎バス手配

割引
宿泊クーポン（50%OFF）
一心同体割（40%OFF）
うまぴょい成功割（5%OFF）
ナダシ割（4%OFF）

ファインモーション様のまたのご利用をお待ちしております
ホテルニューニーガタ従業員一同

なんとなくメジロネタをやりたかっただけです

メジロだと思ったわ！

>とある駅から
なんとなく危険感知が働いたワード
読んでやっぱりメジロだこれ！

ウワーッ！うまぴょい成功割が減ってる！
でもトータルで99％引きは変化してない！

ところでこれメジロ牧場のイメージ損なわない？って思ったけどそういやもうないんだな…
じゃあセーフなのだろうか

>「私、当ホテル支配人のジーヤと申します」
ここで気付いた

>ところでこれメジロ牧場のイメージ損なわない？って思ったけどそういやもうないんだな…
>じゃあセーフなのだろうか
一言もメジロって言葉は出てないからセーフ
セーフかこれ？

>>ところでこれメジロ牧場のイメージ損なわない？って思ったけどそういやもうないんだな…
>>じゃあセーフなのだろうか
>一言もメジロって言葉は出てないからセーフ
>セーフかこれ？
ニーガタなのでセーフ

一瞬ファインのほうの爺やかと思ってしまった

これ地味にこれまで書いてきた中で最大文字数なんだよね
酷くない？

ウワーッ！相変わらず割引がすごいプラン！

>ナダシ割（4%OFF）
風評被害！

ファインモーション実家が金持ちだから部屋のレベルアップグレードしたんだろうな…
割引失敗しても払えるだろうし

ゴムのサービスはないのか
まあ生でも大丈夫だろうけど…

・館内GPSサービス
これ部屋に戻るタイミング見計らって風呂から上がりましたよね？

インモー程のお嬢様だと抱く方がドキドキして緊張でうまく勃たなさそう

>　・館内GPSサービス
タイミング図るのもばっちりか

>ニーガタなのでセーフ
だ
新
隠

バーKOKORO
バ一心…

>バーKOKORO
>バ一心…
上手いな…

とある駅の時点でまさかな…って思ったけどやっぱメジロシティかよ！？

もしかして理事長もグルなの…？

>もしかして理事長もグルなの…？
>当ホテルはURA様と深い関係
なのでおそらくは

提携ッ！運営費もバカにならんのでな！！

学園の外に行く怪文書全部メジロに見えてくるし実際案の定だった

メジロシティはルール無用だろ

>メジロシティはルール無用だろ
気象操作とかして無い分まだ穏当に見えるの狂ってるよね

今回は最初からメジロシティだってわかったぜ！
…どこらへんで？

先輩が出てきた時点でメジロ感を感じたがテイオーじゃなかったから油断してた

バーの名前で察したけどみんな観察眼すごいな…

豪華な建設物か年季が入った風に偽装した建設物が出てきたら9割メジロシティ

キーワードなくても話の流れから何となく…

今回は駅とか先輩とかジーヤとかで分かりやすかったな
…ナダシ割は人の心がねぇのか

なんなら今回は超科学も薬も使ってないから完全にルールの範疇で勝負してると言えるな

>なんなら今回は超科学も薬も使ってないから完全にルールの範疇で勝負してると言えるな
>・うまぴょいXカクテル提供サービス
いや…盛ってる

最低だよタキオン…

おっとそんなことを言われても
ああも熱心に頼まれてはね
しかたがなかった
すんだことだよ

多分ホテルの元ネタになってるであろうニューオータニの一番高い部屋で一泊44万ちょい

>多分ホテルの元ネタになってるであろうニューオータニの一番高い部屋で一泊44万ちょい
これの99%割引ってめちゃめちゃ羨ましいな…

ソトダシ
ナカダシ
ソダシ

学園からのチケット
会長がやってるすべてのウマ娘の幸福ってそういうメジロシティ的な