「そんなにダメかな」
「鏡見てないわけ？」
「見て言ってるんだけど」
「ならアンタの普通が普通じゃない事は気づいて欲しいわ」

コスメポーチを漁りながら、思わず眉をしかめる。
ひどく青々としたクマが、色白な肌によって強調されている顔。
素材は良いだけに、日頃の体調管理と元の体質が残念であると言わざるを得ない。
でも、思えばこんな彼女にアタシは一番にしてもらって、その為に彼女を沢山追い詰めたのだ。であらば。

「ほら、ここ座って。ファンデ塗り直すから、一回落として」

不健康そうな顔をしている癖に、驚く程肌は荒れていない。
クマが酷いが、色白な肌は透いて見える。
眉のつき方こそ険しく見えるが、目は意外と可愛い。

「ちゃんとクマ消したらナチュメ向きなんだからやりなさいよね、ったく」
「なかなか消えなくて」
「アタシのコンシーラー、使って良いから」

もしもの為と思って買ったオレンジのコンシーラーの封を切る。
自分の顔にはあまりクマが浮かなかったが、彼女の為にはなったのだから、結果は合っている。
色を乗せて、薬指で伸ばしていけば、あっという間に青色が消えて、綺麗な顔になる。
────あれ、こいつ、こんなに美人だったっけ。

「顔色良いな、私」
「これくらいは維持して欲しいんだけど」
「手厳しいな、ミスパーフェクト」

鏡に映る自分を見て驚嘆し、破顔する彼女。
自分の功績を讃えられて気分が良いのもあるが、何より彼女の笑顔そのものが、なんだか嬉しい。
────きっと、あんまり自分を許すタイプじゃない。だから、メイクも得意じゃなくて。
綺麗。
思わず口から溢れた言葉が、彼女の目の色を変えた。
それが、アンタの人生を変えていくなら。
アタシは、何度でも言ってやるわ。

「ああもう、アンタのせいで買い物に遅れそうじゃない」
「だったらほっとけば良いのに」
「嫌よ」
「なんでさ」

────だって、アタシの一番なんだから。
アンタと一緒じゃない一番なんて、あり得ないんだから。

「なんでもかんでも、だってもないわよ」
「へちまも？」
「ないわよ、うるっさいわね」

慌てて荷物を鞄に詰め込んで、部屋を飛び出す。
横に並ぶ彼女の顔が、メイクのせいにしても、やたらにキラキラとして見えたのは、気のせいではないと思った。

生理激重女トレの続きか
いいね…

お母さんみたい…でまたツッコまれるトレーナー

このトレーナーさんは体を大事にしてほしいな…自分一人のものじゃないんだから…

生理は重いし体は強くないし氷食症だけどダスカを一番にする為に全部捧げちゃったトレーナーと歩む次のステージ

ちょっとだけタキオンの空気を感じるなこのトレーナー

すごくいい…

私の性癖には合っていますね

トレーナーの人生も一番にしようとしてる…

スカーレットはこういうことする
いいと思う