二次元裏@ふたば

画像ファイル名:1619190335219.jpg-(67774 B)
67774 B21/04/24(土)00:05:35No.795705978+ 01:11頃消えます
ゲートイン。いつまでもこの瞬間に慣れることは無い。一流として、一流にふさわしい、王者の走りを。意識すればするほどにこの脚は迷いを纏う。言うことを聞きなさい、私の脚。開いたゲートから開けた景色はあまりにも広くて…黄金世代と呼ばれたライバル達の背中を追いかけつつ、一流のトレーナーの言葉を一つずつ、指差し数えるように実行していく。息を整えつつ後方集団から先行の軌跡を辿り何度も考える。更に前にいる逃げウマ娘達をどこで差すかを。じりじりと外から外から、私の脚はいつだって全員を置き去りにできる。そう、タイミングが命だ。ゴール前で全員を抜き去り自分が一着の座につくかを。先頭はセイウンスカイ。彼女を差さなければ勝利はあり得ない。整えたはずの呼吸がまた荒くなるのを感じる。心臓は口から飛び出しそうなほど胸を打っている。勝ちたいのは私だけじゃない。それは当然、目の前を塞ぐ様に並んだバ群が抜け道を塞いでいく。今しかない。蹄鉄を強く芝に打ち込み姿勢を下げる。前傾姿勢は重心を前に寄せ、蹴り出した脚は最終コーナー。一際外からがら空きの空間へと身体を叩き込んだ。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/24(土)00:13:35No.795708819+
《外から外から!キングヘイローが飛んできた!先頭セイウンスカイ!先頭はセイウンスカイ!残りほぼ200m!間に合うかキング!すごい脚だ!》
団子になった先頭バ群すれすれを外から抜いていく。体力を温存しつつ抜き目を観察した甲斐はあった。もう目の前にはセイウンスカイしかいない。彼女との距離は縮んでいくが残りの距離で差しきれるかはこの脚にかかっている。もっと速く、より速く。一流のキング足らしめるのは今この瞬間を置いて他にはない。声が聞こえる。セイウンスカイを呼ぶ声が、そして私を呼ぶ声が。足りない。もっと、もっとキングと呼びなさい。
快晴のレース。熱気がバ場全体を包んだ。
221/04/24(土)00:22:12No.795711770+
「それにしても、労いに私をお出掛けに誘うなんていい心がけじゃない♪」
キングは上機嫌に前を歩く。こちらはどうしたかといえば、当然彼女の荷物持ちである。ショッピングもプランには盛り込んでいたが、服を買うのであれば同姓の友達と選んだ方がいいと思うのだが恐らく言えば雷が落ちるだろうから口を閉じておく。時折二択を迫ったかと思えば自分の選んだ服をまじまじと観察し、悩んだ末に両方会計に持っていくという凄まじく豪胆な買いっぷりであった。
「あら?これぐらい当然よ!一流は数ある物を研究して最適なものを選ぶの!そんなこともわからないなんてまだまだへっぽこね」
何がおかしいのかはわからないが、彼女の笑顔は魅力的なので全てよしとする。その時であった、店員が声をかけてきたのは。なにか忘れ物だろうか?キングを呼び止めると、店員はにこやかに封筒を差し出してきた。
「こちら、メジロ振興券となっております。一心同体割引を適用されないようでしたので是非お使いください」
321/04/24(土)00:23:51No.795712368そうだねx2
やべーぞメジロだ!
421/04/24(土)00:25:59No.795713085+
最後に爆弾を放り投げるんじゃねえよ!?
521/04/24(土)00:26:17No.795713184+
しまったメジロシティだ!
621/04/24(土)00:27:13No.795713520+
キングらしい泥臭い熱いレースだと思ったらこれだ!
メジロだ!メジロが来た!
721/04/24(土)00:27:42No.795713673+
メジロの魔の手からは逃れられない......
821/04/24(土)00:27:59No.795713756+
「メジロ振興券?」
「あら?これはなにかしら」
「メジロ振興券は金券の代わりにメジロシティ限定で利用できる金券で、加盟率100%なのでどのお店でも利用できますよ」
それはいいものじゃないか。一心同体割?もよくわからないが貰えるものは貰っておこう。どうやらキングも同じ考えのようで、優雅に店員に礼を伝えると、二人で店を後にした。
「それで、どうする?」
「どうするって?ああ、このメジロ振興券のことかしら。そうね…あなたに使い道を決める権利をあげる!」
ずいと手に…は荷物があったのでポケットにそっと差し入れて来るキングだがそうもいくまい。彼女の買い物しかしていないのだから、彼女が使うべきだろう。
「おばか!私ばかり楽しんでるみたいだから気がねなくそれでやりたいことを言ってみなさいって言ってるの!」
なんと、彼女なりの心遣いのようだった。
921/04/24(土)00:28:07No.795713805+
うまぴょいするんか!?
1021/04/24(土)00:32:47No.795715088+
「とはいえ、これいくら分なんだろうか?」
メジロマックイーンの似顔絵が書いた、端から見れば公的な効力はありそうにもないチケットの文章をよく読む。
『初めましてかどうかは存じませんが、私はメジロシティ代表取締役のメジロマックイーンですわ。こちらをお持ちになられているということは、一心同体でありつつもそれによる祝福を辞退されたかそもそもお気づきになられていないということですわね。さて、こちらの券面に置いては私の認可によりメジロシティの施設や買い物ができるものとなっておりますが、是非ご足労お掛けしますがメジロセントラルタワー駅前観光案内所にお越しくださいませ。限定できっとお喜び戴ける催し物にご招待します』
…………いや、怪しいな。
1121/04/24(土)00:33:42No.795715362+
怪しすぎる…
1221/04/24(土)00:35:35No.795715906+
注書きが丁寧すぎて駄目だった
1321/04/24(土)00:36:46No.795716248+
「とりあえず、のどが渇いたな。喫茶店にでも寄らせてほしい」
「あら?そんなことでいいの?いいえ、これはノーカンね。折角だからデザートもいただきましょう」
ツーカーで手からこぼれかけていた紙袋一つを奪い去ったキングはずんずんと勝手知ったる街のように歩いていく。こういうところはさすがというか、やはり頼りになると思う。……あまり考えると自分が情けなくなりそうだからと頭をふって小走りで彼女を追いかけた。
1421/04/24(土)00:42:55No.795717978+
一心同体割引ってなんだよ!
1521/04/24(土)00:46:57No.795719180そうだねx4
>一心同体割引ってなんだよ!
(まだ一心同体のパートナーに巡り合えて居ませんのね…)
1621/04/24(土)00:48:08No.795719527+
「ちょりーっす!」「ウェーイ!!」
こじゃれた喫茶店で二人を待ち受けていたのはウマ娘二人…ダイタクヘリオスとメジロパーマーだった。
「あ!キング!とそのトレーナーさんかな?二人…だよね。こちらの席どうぞ〜」
どうやら肩肘は張らなくて済みそうだ。自分は軽食を、キングはケーキ、それぞれコーヒーと紅茶を注文して歩きづめと荷物持ちで疲れた身体を休めた。
「てんでバラバラの注文で困らせてないかな」
「他にお客さんもいないから大丈夫よ」
トーストと飲み物以外は作り置きだったのだろう。思いの外早く配膳された品物に舌鼓をうちながら今後の予定を考える。
「折角だしもう少し遊びたいわね」
「流石に荷物をどこかに預けたいな」
なんて事のない会話。しかし打てば響くキングとのやり取りは何者にも代えがたい素敵な時間である。席に根を生やしてしまう前にと、用足しに席を立ったキングの隙をついて会計を済ませる。
1721/04/24(土)00:48:21No.795719589+
「ところで、この辺にあの荷物が入りそうなロッカーはありませんか?」
「んー…メジロセントラルタワー前駅が大きいロッカーもあったと思う!」
「ありがとう」
メジロ振興券に書いてあった駅だよな…まぁ様子をうかがうぐらいなら大丈夫だろう。戻ってきたキングに支払いを勝手に済ませたことを怒られながら、メジロパーマーとダイタクヘリオスにごちそうになったと感謝を伝えて喫茶店を後にした。
……メジロ振興券が二枚に増えた。
1821/04/24(土)00:48:54No.795719732+
一心同体レベルは高そうな2人だけど自覚は無いだろうな…
1921/04/24(土)00:49:13No.795719811+
街の人々から向けられる
(キングヘイローだ…)
(キメるのか…今日ここで…!)
というさりげない視線
2021/04/24(土)00:49:54No.795719994+
(あの一心同体ぶり…間違いあるまい…)
2121/04/24(土)00:51:23No.795720388+
ヘリオスとパーマーも一心同体力高そうよな
2221/04/24(土)00:53:58No.795721101+
「鍵はなくさないようにしないとダメよ?」
「はいはい、わかってますよ」
「はいは一回!」
コインロッカーに荷物を詰め込み身体が空いた。今度こそ何をしようかと言ったところではあるが本来の目的のショッピングも済ませデザートもいただいたところで時間帯としては夕方……帰りの事を考えればそうがっつりとした施設でなにかをするという感じでもない。
「そういえば、メジロ振興券はどうしたの?勿体ないからなにか使いなさいな」
「具体的な金額が書いてないんだよなぁこれ…」
「そんな金券ってある?貸しなさい!…………メジロセントラルタワー前駅案内所で素敵な催し物?これいいじゃない。早く言いなさいよね」
じゃあ行くわよとすぐちかくの案内所に向かうキング。いやこれは流石に怪しいだろうという言葉に聞く耳は持ってもらえなかった。
2321/04/24(土)00:55:56No.795721650+
(スレの残り時間が怪しい…)
2421/04/24(土)00:58:05No.795722240+
事前に書き溜めておくことをお勧めする
完走しないと感想を書けない…ふふっ
2521/04/24(土)01:00:43No.795722974そうだねx1
もし新しくスレ立ててやり直すなら続きからじゃなくて最初からがいいと思う初見の「」も見るだろうし
2621/04/24(土)01:00:45No.795722987+
「ごきげんよう!この券でキングを歓待する権利をあげる!」
普通に聞けば失礼千万だがどこか許せる雰囲気のある大見得を切ったキングの隣でうちのキングがすみませんと頭を下げる。いえ、お気になさらずともよいのですよと答えたウマ娘はメジロ振興券に描いてあったメジロマックイーンその人であった。
「ええ!?代表取締役!?」
「そうですわ。そちらの券を…あらあら二枚も…奥ゆかしいか誠実な方でいらっしゃいますのね」
どこか値踏みをするような表情で二人を見たメジロマックイーンは静かに唱えた。
「では、素敵なディナーにご招待します。お召し代えをお願いしておりますのでフィッティングを済ませてからメジロセントラルタワー展望台の『一つ上』の回までいらしてください」
では、素敵な夜を。と言い残し彼女は観光案内所を出た。代表取締役って暇なんだろうか。浮かれたキングを見るにここまで来れば毒は皿までと、あてがわれたタキシードに袖を通すのだった。
2721/04/24(土)01:01:51No.795723292+
時間配分ミスった!
2821/04/24(土)01:02:16No.795723398+
>時間配分ミスった!
へっぽこ!
2921/04/24(土)01:02:20No.795723416+
うまぴょいしないと許さないよ
3021/04/24(土)01:03:10No.795723625+
いいところで切りやがって!
3121/04/24(土)01:03:13No.795723639+
固有発動したのに差し切れないキングの負けパターンみたいなペースで投稿するんじゃあない!
3221/04/24(土)01:03:22No.795723676+
>代表取締役って暇なんだろうか。
一心同体の事を思うだけで作業は捗りますわ
抜錨神威紅焔貴顕ぐらいに
3321/04/24(土)01:03:24No.795723680そうだねx1
続きが楽しみだ!
3421/04/24(土)01:04:09No.795723858そうだねx2
>固有発動したのに差し切れないキングの負けパターンみたいなペースで投稿するんじゃあない!
例えがひどすぎる…
3521/04/24(土)01:04:38No.795723995そうだねx1
>もし新しくスレ立ててやり直すなら続きからじゃなくて最初からがいいと思う初見の「」も見るだろうし
次回はあらすじにして続き書こうと思う
たぶん半分近くまで書いてるはずだから考えながらまた1スレまるっと書くの楽しませてもらうね…
3621/04/24(土)01:06:37No.795724535+
いちゃいちゃというか普通にいっしょでふつうに仲良しなキントレは健康にいいぞな長文垂れ流しでした付き合ってくれたかたどうも
3721/04/24(土)01:07:40No.795724804+
いいってことよー!
3821/04/24(土)01:07:44No.795724833そうだねx1
週末の赤字は短いぞ
怪文書の投稿は間に合うか!?


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