その疑念が間違いではなかったことを確信できたのは
次にテイオーの故郷へ行った時だった
彼女の家の玄関で初対面していきなり
「悔しいが君たちの交際を認める
　言っとくが娘が結婚できる年齢になるまでに
　他の女に現を抜かしたら承知しないぞ」
テイオーのお父さんが涙ぐみながらいった発言で全てが合致した
即座に否定するべきだっただろう
「パパママ、僕これからもっと幸せになるね」
テイオーの一言で逃げ道が塞がれた

そんなこんなで今俺はテイオーの家の一室に寝泊りしている
ちなみにご両親はなぜか自治会の飲み会とか言ってでかけてしまった
丸一日帰ってこないのでと付け加えてである・・・明らかに狙っている
そういえば俺の家で寝泊まりしたときも親父もお袋も
朝まででかけるといって俺とテイオーを二人きりにしていった
「完全に詰んだってやつかコレ」
皆さんなんか随分外堀埋める速度が速くないでしょうか？
「トレーナーなんか随分理解度が早くなったんじゃないの？」
俺の隣でさも当然のように寝る準備をするテイオーが茶化す
「宇宙の真理に到達したからな・・・」
「なにそれ？ゴルシみたい」
でも遅すぎた遅すぎたのだ
俺はクソボケと評判のビワハヤヒデトレーナーの鈍感っぷりを二度と笑うことは出来ない

「というよりテイオーよ？お前あのインタビュー
　俺のクソボケ分かってあえて俺の提案にノったんだな？」
「そうだよ〜だって俺のこと好きにしていいよって両手広げてカモンカモンしてたんだもん
　恋する乙女は好きな人が無防備な時には獰猛な肉食獣に変わるんだよ？覚えておきなされ」
聞くと里帰りするまでにテイオーは自分の両親を説得したらしい
自分たちがどれだけ深い絆で結ばれているのか
テイオーがどれだけ俺のことを想ってくれているのか
「うわー・・・腹括るしかないなコレ」
テイオーのグイグイ攻めてくるのは前々からだったが
まさかここまでとは思っていなかった
己のクソボケを恨むがここまで自分を手に入れるために
頑張ったテイオーを否定するわけにはいかない

「まあ突然すぎるのは分かってたよ？
　そのー・・・僕とは嫌かな？」
「・・・ここって折り紙あるかな？」
俺の発言に怪訝な顔をするテイオーだったが
自分の部屋から何種類か折り紙を持ってきてくれた
俺はその中で銀色と緑色のカラーホイルの折り紙を取る
「なに折るの？」
「お前の返答に対する物」
里帰りする直前ナイスネイチャのトレーナーが
絶対に必要になると俺にある折り紙の折り紙を教えてきたのだ
学園の仲間たちも俺とテイオーの仲を後押ししてたとなれば
最初から俺に逃げ道はなかった
そうと分かればもう迷わない

「出来た」
俺が作ったのは折り紙の宝石つき指輪
光沢のある緑色の宝石に銀色の指輪
完成した指輪を見てナイスネイチャのトレーナーは本当にロマンチストだなと思う
「テイオーの誕生日って４月２０日だったよな
　前調べたら４月２０日の誕生日石はジェダイトっていう翡翠なんだってな」
そう言って彼女の左手の薬指にその折り紙の指輪を嵌める
「・・・この石の石言葉って知ってる？」
「『よき知らせ』」
「これを嵌めるのって・・・そういう意味だって捉えてよいよね？僕にとっての最高の『よき知らせ』」
指輪をはめた手を自分の顔の横に挙げて微笑むテイオー
「もっとドストレートに言うよ
　こんな鈍感な俺で良ければこれからもずっと一緒にいてください
　これからはテイオーの夫に相応しい男になるために頑張ります」

アドリブになってしまうが出来る限りの気持ちをテイオーに伝える
笑顔だったテイオーが途中から涙ぐむ
その涙でもっとも彼女が聞きたいだろう言葉がなんとなく察せられた
「今までやきもきさせてごめん
　俺もテイオーのことが好きだ」
その瞬間押し倒される
「・・・今晩は寝かせないよ」
「それ本来は俺が言うセリフだけど？それで・・・返答は？」
「今更言わせるつもり？」
彼女は俺の唇を奪う
「ずーっと前から好きだったんだよトレーナー
　やっと思いが伝わって・・・僕とっても嬉しい！」

約２時間も遅刻してしまったけどテイオー誕生日おめでとう！
いつものように渋に事前投下したんで転載禁止で

うーん健全！

恋はダービーだからね

泣いた

こいつらうまぴょいするんだ！

いい…

あー健全で善い
身体が健康になる