「ならトレーニングに行こうよ、今すぐ。ボクは絶対に会長に勝ちたいんだ。」
「落ち着け、感情を乱すな。私生活すらそんな様で、レース中にペースを保てると思うか？」
そう言われると、ボクは黙り込むしかない。つい睨むように見てしまうけど、トレーナーは平然とその視線を受け止める。
それが余計にボクを苛つかせる。視線の高さは下からなのに、どこまでも見下されているように感じてしまう。
「トレーニングウェアに着替えてこい、先にコースで待っている。」
そんなボクを放って、トレーナーはさっさと部屋から出ていってしまった。

ボクは出来る限り急いで着替えて、練習用コースに走った。遅れたらきっとまた何か言われる。
「とう！！」
ついでにボクの実力を見せつけてやる良い機会だと思って、柵を飛び越えてトレーナーの目の前に着地してやった。
少しは驚くかと思ったけど、それどころか、渋い顔をしてこっちを睨みつける。
そして、パチ、パチ、パチ、とひどくゆっくりとした拍手をしながら、呆れた声を出した。
「その無駄な行動は何の意味があるんだ？ウマ娘の脚力を見せつけたかったか？それとも大事な脚を痛めつけて自分の可能性を絶ちたかったのか？」

「違う！ボクは無敵の帝王だ！こんな柵ぐらいどうってことない！」
ボクは怒りに握りこぶしを震わせながら怒鳴った。トレーナーの視線が更に冷える。
「忠告しておく、人体もバ体も一瞬の気の緩み、不幸な事故、少しの無理で壊れ、多くは二度と戻らない。
健康なままで居たいなら、二度とこんなことはするな。私のように一生車椅子になりたいのなら別だが。」
トレーナーの脚、車椅子のステップに乗ったままぴくりとも動かないそれを見せられると、ひどく不安な気持ちになる。
何があったのか、どうしてトレーナーになったのか、それを聞くのもはばかられて、ボクは目をそらしてまた黙り込むしかなかった。

きた！

「よろしい、まず走り込みからだ。コースを5周だ。5周で全力を振り絞るように配分しながらだぞ、では行って来い。」
ストップウォッチを手に、何の感情も見せない声。ボクはそれに従うしかなかった。

みんな仲良くしてるのでこういう冷めきった感じのトレーナーもいいと思うんです
でも冷めすぎて嫌われすぎないように加減をがんばります

アスリートを指導しなきゃいけないわけだし当然こういうトレーナーもいるだろうな…

トレーナーが男性か女性か明言されていないから勝手な妄想だけど
女性なら榊原良子の声で再生されてしまう

怪我したアスリートのセカンドキャリアとしては定番と言える

まあ多分お前が諦めないなら自分も諦めない、を完遂するんだろうな
冷たさの中に何かを秘めている

>トレーナーが男性か女性か明言されていないから勝手な妄想だけど
>女性なら榊原良子の声で再生されてしまう
俺は山寺宏一で再生しとくわ

アスリートのトレーナーは能力だけ高めればいいってもんじゃないのが大変なんだよな
結局のところモチベーション管理が最大の業務だから厳しくとも冷たくはいられない
特に未成年相手だと保護者としての役割も果たさなきゃいけなくなるし大変な仕事だ

>俺は山寺宏一で再生しとくわ
夢を心半ばで折ってから再起しようとする役にぴったりだ…

コーチ的なものを感じる

>コーチ的なものを感じる
若本声で再生してたわ

これ長期連載？

エミヤオルタの時の諏訪部でも行けるぞ

テイオーが柵の飛び越え見せつけて渋い顔してるのも
過去に自分も似たようなことしてたとかだとよい

そうかな…

面倒な奴がおるな

mayだったらスレ長く残せるよ

露骨〜！

面倒な奴に荒らされる可能性があるという意味でなら確かに渋でやった方が良いかもな
俺は出来ればここで読みたいけど

私エスパーだけど

ツダケンでもいけそうだ

>女性なら榊原良子の声で再生されてしまう
お祖母様！

めっちゃ面白そうな題材だ…

>>女性なら榊原良子の声で再生されてしまう
>お祖母様！
おばあさまがわざわざテイオーのトレーナー引き受けたと知ったら
マックイーンの脳が破壊されてしまう

そういえばメジロハマーン居たな

こぼれた水はまた汲み直せばいいが体はそうはいかんのだ…

車椅子でテイオーっていうとダイススレのあいつを思い出す