「ネイチャー！お客さんだよーっ！」
っとここで階下にいるおふくろからお呼びが掛かった。お客さんって誰だろ？まあ腐れ縁のアイツだろう。まっ暇だし行ってあげますか！
一階に降りると目の前には確かに見慣れた顔が…この三年間ほぼ毎日目にしていたあの顔…そうトレーナーさんだ。
動揺したアタシは思わずたじろいだ。
「ええっ！？トレーナーさん！何でここに！？…えっとちょっと訳分かんないんですけど…！？」
ここでトレーナーさんはアタシから目を反らし、顔を赤らめてる…どしたん…？
するとお母さ…おふくろが呆れた様子でこう言った。
「ネイチャ…アンタ…自分の格好見直してみな…」
んん？格好？…うぎゃー！？Tシャツに下着のまんまじゃん！アタシのバカバカッ！しかも今日はくたくたパンツじゃんッ！うわーっ！
「トットレーナーさんっ！今の事は忘れるよーに！絶対にだよ！ちょっと着替えてくるから待ってて！」
アタシはそうトレーナーさんに叫ぶと、2階に駆け込み急いで精一杯のコーディネートをして、再び階下に降りた。

「ごめんっトレーナーさん！急に来るとは思わなかったから…でもマジでさっきの事は忘れるよーに！」
早口でそう捲し立てたアタシに、トレーナーさんは笑顔で親指をグッと立てた。…こりゃ忘れる気は無いな…まあアタシの落ち度だし…トレーナーさんになら…って！何考えてんだーアタシはー！
するとお母さ…おふくろが突然
「ちょっと買い物に行ってくるわ。トレーナーさんにご馳走しなきゃでしょ！今日のスナックは臨時休業よ！後は若者同士でよろしくやんな！」
と言い出し買い物へ出掛けてしまった…うう…二人っきりじゃん…まあいつも二人っきりの場面は多かったんだけどシチュが違うんですわ、シチュがね…
ここでトレーナーさんがようやく重い口を開いた。
「ネイチャ急にすまない。君のお母さんからトレーナーさんウチに来てよ〜一緒にネイチャのお祝いしましょうよ〜、と強くお願いされてな…」
なるほど…やはりお母さん…おふくろの差し金だったか…というかいつの間にやり取りを！？
思わず怪訝な表情を浮かべたアタシにトレーナーはこう答えた。

「ああ、その事ならまず俺宛にお母さんから手紙が来てね。そこから手紙〜メール〜SNSのメッセージとやり取りするようになったんだ。」
なるほどねぇ…って勝手に何してくれてんのよお母さん！トレーナーさんもトレーナーさんだよっ！
ムッとした顔のアタシに苦笑しながらトレーナーさんは続けてこう言った。
「君のお母さん、『ネイチャはきっとやれる！あの子は3等止まりなんかじゃない！だからどうかどうかよろしくお願いします！』って書いてくれててな、同じ意見を持つ俺としてはモチベーションが上がったよ。いいお母さんで良かったな！」
そっか…お母さんそんな事を…くっ…いつもは「いつでも帰っておいでー。仕事なら腐る程あるからさー。」とか憎まれ口叩いてる癖に…こんなの…ズルいじゃん…！
ちょっと涙ぐんできたアタシにトレーナーさんは、
「ちょっと君の部屋見せて貰っていいか…？…いや！年頃のウマ娘にこんなデリカシーに欠けたお願いは駄目だな。いや大丈夫だ、ここでいい。」

うーん…アタシは考えた。トレーナーさんにならアタシの部屋見せて良いのでは…？いやっ！でも今の状態は非常にマズイ！
「トレーナーさん！部屋に来るのはOKだけどちょっとだけ待ってて！片付けるから！それにお茶も淹れてくるからさ！」
アタシはそう言うと急いで部屋へ駆け込み、散乱していた下着類を差しで片付けた！よしっこれならOK！
トレーナーさんを部屋へ招き入れ、お茶とお茶うけを持っていくと、トレーナーさんは部屋に飾られたトロフィー類を見て顔が綻んだ。
「そうか…これがネイチャの軌跡か…！ふふっ、この写真は良い表情だな！無表情に見えて悔しさが隠しきれてない！」
「あーっ！ちょっとトレーナーさん！それまじまじ見るのはナシだって〜！」
思わずトレーナーさんに飛び掛かったあたしは勢い余ってベッドに突き倒してしまった…そしてお互い見合う形に…ちょっ…ヤバい…！距離近すぎ…！どっどうしよっ！？すると…
「ネイチャ、本当に良い表情をする様になったな。一等星なんかになれない、そう言っていた頃とは大違いだ。」

〜〜〜〜〜〜〜〜〜！！！！！！！！！
ちょっとちょっとこの場で何言ってくれてんのさこの人は！？アタシの頬がどんどん紅潮していくのを実感していく…ヤバい！もうダメッ！…その時…
（がちゃっ）「トレーナーさん、ネイチャただいまー！…あらまっほんとによろしくやってんのね♥こりゃまた失礼♥お邪魔しました〜♥」
「ちょっちょっとー！お母さんこれは違うってーっ！」
「…お母さん？おふくろじゃなくて？」
やばっ…普段お母さん呼びしてるのバレちゃったよ…ちょっと格好つけでやってるのがバレるなんてハズすぎだわ…
「はははっネイチャらしいな！まあなんとなくだが分かっていたぞ！」
トレーナーさんはアタシの頭を撫でながら高らかに笑う…正直悪い気分じゃない…それどころか気分が不思議と高揚していく…この人にならアタシの全てを知られても構わない…
そう強く感じたアタシに、トレーナーさんは持っていた鞄から何かを取り出しアタシに手渡した。

「ネイチャ遅れてすまない、ヘロヘロトロフィーだ。本当におめでとう、そしてありがとう。これからも一緒に勝ち続けるぞ！」
トレーナーさんが渡してくれたヘロヘロトロフィーはこれまでより大きく綺麗に仕上がっていた。最早ヘロヘロでは無い。
アタシは思わずトレーナーさんに抱き付いた！やっちまった！？
「お礼を言うのはこっちの方だよ！ぐすっ…心までブロンズ色だったアタシを輝かせてくれて本当に…本当にありがとう！」
トレーナーさんは優しく抱き返してくれた…トレーナーさん温かい…まだこのまま…
（がちゃっ）「二人とも〜そろそろご馳走食べる…あらん♥まだよろしく中だったのね♥失敬失敬！」
「…うぉいこらーっノックくらいせんかーい！…ったくウチのお母さんは本当にもう………ぷぷっ！」
「ふふっ…はははっ！本当に面白いお母さんだな！」

抱けーっ！

思い切り笑い合ったアタシ達は、この後おふく…お母さんの作った料理を美味しく頂きつつ談笑。
食事を終え、トレセンに帰るトレーナーさんを見送ると、アタシは部屋に戻りトレーナーさんお手製のトロフィーを最前列真ん中に置き、じいっと眺めた。
するとアタシは、トロフィーに紙切れが挟まっている事に気付いた。
紙切れを取り出すとそこには…『打倒皇帝』の文字が…おいおい…トレーナーさんよ…気は確かかね…？
でもまあ、チャレンジしない訳無いんだけどねっ！だってアタシにはあの人が居るから！だからきっと達成してみせる！

終わり

実家でだらしない格好してるのいいね·····

抱けーっ！

精神的には抱いたようなもんだ！

マルゼン姉さんネタを考えてる合間に練ってました
ウマ娘で1レス完結じゃないのは初めてです

あまあまネイチャはいくら摂取しても良いとされる

これには小倉の人もニッコリ

えっこのすっきり爽やかな怪文書を書いたのがあのゲロマブマルゼンさんのと同一人物…？

あと実はネイチャが家ではお母さんと呼んでいるのでは？と妄想してニヤニヤしてましたのでこれはあくまで個人的な視点です

これトレーナーも結構脈あるやつじゃん！
行けネイチャ押せ押せだ

自分の部屋に入れてイチャイチャするのはもう最後の直線ぶっちぎってますよこれは

やっぱり長文は難しい
疲れる

思いの丈を書き殴るタイプならすぐ長くなるけどなあ

甘々ネイチャ怪文書がクソボケで傷ついた心に染みてありがたい‥‥
これで熟睡できる‥‥