「不安にさせたの悪かった、断り切れなかった俺が悪い。」
「お仕事だから仕方ないことです。トレーナーさんは悪くありません。私の問題です。」
「不安にさせてしまったのなら謝る。誓うよ、君から離れるなんてことはない。
俺はグラスワンダーのトレーナーだ、信じてくれ。」
「もちろん信じています。トレーナーさんはそんなことしないって。それでも心が落ち着かないんです。」
彼女のことだ、その言葉に偽りはないだろう。勝利への執念の間にはあらゆる障害も意味を成さない。
しかし、レースに絶対はない。不安要素は一つでも多く消しておきたかった。
「大丈夫、レースに支障はありません。」
「グラスが言うなら問題ないんだろうが、本当に大丈夫か？」
「ちょっと心配しすぎじゃありませんか？私はそんなに頼りないでしょうか。」
しょんぼり、と耳を垂らしたグラスに慌てて弁明する。
「違う、決して君の実力を疑っているわけでは！」
「ふふふ、わかっていますよ。冗談です。」
からかわれたと気づいた俺を見て、グラスはクスリと笑った。
ともかく機嫌は直ったようだ。

「やっぱり、トレーナーさんといると退屈しませんね。」
「…まあいい、だけどこれだけは覚えていてくれ。俺は君のトレーナーだ。
君の走りに惚れてここにいる。だから、」

―――君のためなら何でもするよ―――

「へぇ。」
瞬間部屋の空気ががらりと変わる。本能的に体が危機を知らせていた。さっきよりも寒い。
例えるならば、まさに刃物のような。

「さっきの言葉、ホントは嘘だったんです。」
「へ、へえ、そうなんだ。」
「ごめんなさい騙してしまって。」
「いや、その、や、気にすることはないさ、俺たちの仲じゃないか。あはは、はは。」
「まあ、優しいですね。トレーナーさんは。」
「優しいなんてそんな。いやぁ。」
あははと乾いた笑いをこぼす事しかできない。一体なにが彼女の怒りに触れたのか。
「そうだ、元はといえば、事の発端は俺なわけだし、」
「トレーナーさん。」
―――私怒っているわけじゃないんですよ。

「え？」
「何度も言いますが不安なんです。トレーナーさんが私を置いてどこかに行ってしまうん
ではないのかって。」
彼女の気迫の前に、否定する言葉を発することもできない。
彼女はキッチンへ向かうと、何かを洗い始めた。
「レースに影響はないと、嘘をついてしまいました。本当ははとても不安で不安で。」
「だから、証拠が欲しいんです。」
「証拠？」
彼女の顔は見えない。背中から感情を読み取ることもできない。
ただ一つわかるのは、自分はこの怪物からおそらく逃げ遅れたということだけだ。

戸惑う俺の目の前に、彼女はまな板と、包丁を置いた。
「欲を言えば、薬指が欲しいです、左手の。」
「っ！グラス！」
「あなたのそこは誰にも渡さない。死んでも絶対に渡すものですか。
でも結婚指輪というのは牽制にもなりますから。」
この間新調されたばかりの刃がギラリと光る。
「あなたに決めて欲しいんです。十本あるうちのどれを私に捧げてくれるのか。
どれなら私に捧げられるのか。」

「誠意、見せてください。トレーナーさん。」

「あれ、グラスちゃんそれお守り？」
いつもの五人組で食堂のテーブルを囲んでいると、スペシャルウィークがグラスワンダーが首から
何か下げているのに気が付いた。
「ええ、トレーナーさんがくださったんです。」
「へえ、なんのお守り？」
「ふふっ、秘密です。」
ただならぬ様子のグラスワンダーに、思春期の娘たちは色めき立つ。
「へえ〜、グラスちゃんも隅に置けないねえ〜。」
「最近調子がいいのはそれのおかげかしら。」
「グラス部屋でもずーとニコニコしてて正直気持ち悪いデース。」
「エル。」
「アウッ！！」
「あら、仲のよろしいこと。」
「マックイーンさん！」

「そういえばスペシャルウィークさん、実はあなたのトレーナーさんから伝言を」
「おーす、マックイーン！」
「きゃぁっ！」
通りかかったマックイーンと突如現れたゴールドシップも加わり、テーブル席は一層活気をを増す。
「あら、グラスさんそれは？」
「ん？……ヒッ！！」
「ゴールドシップさん？」
ゴールドシップは戦慄した。グラスワンダーのお守りから、明らかに
そういった処理をされた香りを感じ取ったからだ。

「ぐ、グラス。それ…」
「ああ、トレーナーさんがくださったんですよ。"これが自分の気持ちだ"って。」
「きゃー！グラスちゃんのトレーナーさんって意外と大胆だったり？」
「へ、へえ。じゃあ、ちょっとアタシはこれで…」
「？何か用事でもあったんですの？」
「いや用事っていうか、どちらかと言えば親父を思い出したというか…」
「ともかく、ということで、じゃ！」
「？」
うおーカリブがアタシを呼んでいるー！
「どうしたんでしょうゴールドシップさん？」
「まぁいつも通りと言えばいつも通りですわね。」
戸惑う面々の中でただ一人、グラスワンダーだけがクスリと笑った。

飴細工で勘弁してくれなかったのか

爪とかで勘弁してくれやってくれんか…？

こ、怖い

これで堪忍してつかあさい…

ヤクザかよて

兄貴の好きな円弧です…

そりゃ昔の遊女とかは切り指なんてえブッソウなこともしましたがね

女の子はちょっとぐらい重いくらいがいいよねってお話です
まあ指欲しいっつってホントにくれるトレーナーも大概かなぁという感じで書いてました

漢　見せてください

なんでゴルシはその匂い知ってんだよ

グラス以外にあと9人指導できるな！

他の子の手助けしただけでエンコ望んでくるのは重いとかそういう話じゃなくない？

なるほどさしウマでマエストロ

💡

タキオンのトレーナー辺りからイモリなどの再生能力に着目した飲み薬もらえない？

こわ〜っ

グラスとトレーナーの関係はトレーナーが男だろうと妻側だと思ってたフシがあるから
妻の指を……？という若干のサイコパスを感じる

この手袋？ああグラスワンダーがくれたんだ

正直凄く好き
それだけ覚悟決めることが出来るトレーナー狂ってるけど好き

指詰めたやつ用の指サックあるんだよね

ゴルシの親父…？
それってスt…

どういう濡れ場になるのかと思ってたら
血に塗れた

切ったのに食べてくれないのか…

小指のマエストロ

>ゴルシの親父…？
>それってスt…
シッ！静かに！

エンコのマエストロを教えたのは誰だ…

トレーナーにベッドヤクザスキルがなかったばかりに
抱いてごまかすこともできなくてチクショウ！

エル…助けて…

指を切り落とす瞬間の儀式感を想像すると凄くいい
それ以上他に誰もどうやっても入り込めなくなる絶対感を感じる

>そりゃ昔の遊女とかは切り指なんてえブッソウなこともしましたがね
そりゃ山田さんちで切り落とした罪人の指じゃないですか…

ああエンコのマエストロってそういう……

何気に包丁で指切り落とすって凄いな
骨で一回止まってめちゃくちゃ痛そう…

グラスワンダーのトレーナーはケジメをつけた

>何気に包丁で指切り落とすって凄いな
>骨で一回止まってめちゃくちゃ痛そう…
まともな人間じゃまず耐えられないだろうなぁ…
グラスに押さえ付けてもらって一気にやったのかな…

ウマ娘の膂力で一息にやって貰った方が楽だろうがグラスはそんな軟弱なことは許さないだろう
自分一人だけでやらせるという確信がある

プレゼントだから自分で用意してもらわないとね！

そうそう
骨で止まっちゃうからちゃんとした器具で立ち会いつけてフォロー貰わないと落ちないのよね

単純に包丁で自分で落とすのはまず無理じゃねえかなぁ…
特に小指じゃなく薬指だと一気に落とそうとすると他の指まで巻き込みかねないし…

ギロチンカッターとか使わせてもらえなさそう

どこから落としたかにもよる
根本からか第一関節からか

>どこから落としたかにもよる
>根本からか第一関節からか
指輪のことを考えると根本じゃねえかな

根本からまるまる行ったのをから首から下げてたらさすがにでかすぎる…

半分くらいはグラスが責任取って食ったのかもしれん

ならばよし

普通に考えておかしいと思わんか？

その時、ふと閃いた！この小指は、エルコンドルパサーとのトレーニングに活かせるかもしれない！

任侠的な誓いなら許すが…

こわい…むり…

>そりゃ昔の遊女とかは切り指なんてえブッソウなこともしましたがね
刑場の死体から拝借するくらいの分別はあったぞ…

>普通に考えておかしいと思わんか？
倫理からずれてる事って妙に興奮したりしない？

>>普通に考えておかしいと思わんか？
>倫理からずれてる事って妙に興奮したりしない？
小指詰められて興奮するのはおかしいと思わんか？

ゴルシがビビってる声を出すレベルのモノだからな…

>>>普通に考えておかしいと思わんか？
>>倫理からずれてる事って妙に興奮したりしない？
>小指詰められて興奮するのはおかしいと思わんか？
だってグラスに頼まれるんだぜ

>小指詰められて興奮するのはおかしいと思わんか？
それを好きな人が愛の誓いとして求めてる事が重要なんだ

男を殺しておぺにす…切り落として持ち歩いてたって事件思い出す凄味

>その時、ふと閃いた！この小指は、エルコンドルパサーとのトレーニングに活かせるかもしれない！
まだ中指人差し指親指、それともう片方の五指もある！

心中立とはまた古風な…

小指詰められると上手く力入らなくなるからわりとキツい

うおおおおお！！
ゴールドシップが恐怖している！

どういう処理したのかな…
ミイラかな…

>男を殺しておぺにす…切り落として持ち歩いてたって事件思い出す凄味
阿部定…

肉食

塩漬けにして時々なめしゃぶってそう

善悪すら超越した狂った愛…

グラスのトレーナーのイメージが久瀬の兄貴みたいになっちまうー！

ねえ救急車沙汰になるんだけど
病院にはなんて説明を

エンコのマエストロってつまりクリークは…

動物標本作成のバイトで嗅いだにおいがしたんだ…