二次元裏@ふたば

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174954 B21/04/03(土)23:08:30No.789516389そうだねx5 00:09頃消えます
最近、学園での私たち……私とトレーナーさんへの扱いが酷い。
――いや、理由は非常に明確である。例のメール流出事件以降、キスを始めとしてお姫様だっこや投げキッスキャッチ、果ては口移しまでと好き放題イチャつきまくった所為である。
今やこの学園において"バカップル"と言えば私とトレーナーさんを指し、"色ボケ"だの"アホ面"だのと言った不名誉極まりない称号を欲しいままにしている。というか後者に至ってはただの罵倒である。
――――これではいけない。メジロのウマ娘として、それ以前に人として。
思い立ったが吉日。早速この決意を伝えに、我が愛しの彼の元へと向かった。
このスレは古いので、もうすぐ消えます。
121/04/03(土)23:08:41No.789516466そうだねx3
「というわけで私、しばらくトレーナーさんと距離を置こうと思います」
「そうか」
私の決心を込めた宣言は、あまりに素っ気なさすぎる一言で一瞬にして流された。
いや、私のトレーナーさんは元々感情表現も言葉も色々と足りてない類の人間ではある。
しかし――自分で言うのもなんだが――彼は割と、いや相当、私のことが大好きである。
なにせ私たちがバカップルと呼ばれるようになったそもそもの原因は、彼が公衆の面前で私に対してキスをした事なのだ。
そんな彼が、他の誰でもない私から「距離を置こう」と言われて迷いなく肯定の返答をしたことは、それはそれは衝撃的であると言わざるを得ない。
221/04/03(土)23:08:53No.789516553そうだねx2
「い、良いんですか? しばらくはキスも、添い寝も無しですわよ?」
「……? ああ」
念を押す確認に返ってくるのは簡潔な肯定の一言。
これではまるで、私が引き留めて欲しくてその気もない別れ話を切り出す哀れな女みたいではないか。
「そ、そうですか、ではそういうことで……」
ただ頷いて手に持ったタブレット端末に目を落とす彼に軽く会釈をして退室する。
断固拒否、とまでは行かなくとも苦い顔をされることを想定していたので、こうもあっさり受け入れられたのは少し予想外だった。
いやしかし、あの彼のことだ、すぐに私が隣にいないことが耐えられなくなって翌日には抱きついて来ながら赦しを乞うに違いない。
溢れる笑みを抑えながら3時のおやつを食べに食堂へと向かった。
321/04/03(土)23:09:07No.789516661そうだねx2
「それでね、ウララちゃんが…………あの、マックイーンさん、大丈夫……?」
「……えっ? な、なんでしょう?」
上の空で話を聞いていたマックイーンさんに声を掛けると、案の定素っ頓狂な声を出しました。
ここ最近のマックイーンさんは、常にこんな感じです。そして、その理由には心当たりがありました。
それは、最近話題になっている"マックイーンさんとそのトレーナーさんが喧嘩した"という噂。
マックイーンさんとそのトレーナーさんは、とっても仲がいいということで学内でも有名なお二人でした。
二人は常に一緒にいて、食堂や教室でキスをしていることもそんなに珍しいことではありませんでした。
でも、ここ3日ほどはキスどころか、二人が一緒に歩いているところを見た人すらいませんでした。
『あの隙を見せればイチャつくバカップルが。これは何かあったに違いない』
みんな口を揃えてそう言いました。
421/04/03(土)23:09:18No.789516740そうだねx2
そして今、ライスの前にいるマックイーンさんは上の空で、時折ため息を漏らしています。
心配になったライスは、マックイーンさんにお話を聞いてみることにしました。
するとマックイーンさんは、ぽつり、ぽつりと今まであったことを話してくれました。
バカップルと呼ばれている現状をなんとかしたかったこと、そのために少し距離を置くことをトレーナーさんに提案したこと、そしてそれを受けたトレーナーさんが本当に距離を置いてしまったこと。
今のトレーナーさんは、二人がお付き合いする前みたいで、まるで本当に別れてしまったようだとマックイーンさんは不安そうに話してくれました。
「最近、何処かへ一人で出かけているそうですし……もしかして、私のことが嫌いになってしまったのではっ……」
「それは無いと思うな……」
521/04/03(土)23:09:31No.789516838そうだねx2
そうしてお話を聞いていると、突然周りがざわめき始めました。
なんだろうと思って周囲を見てみると、マックイーンさんのトレーナーさんがいて、しばらく見渡した後、マックイーンさんを見つけるとこちらへ向かってきました。
「マックイーン、話がある。後でこっちに寄ってくれ」
「え、ええ……わかりました」
それだけ伝えると、マックイーンさんのトレーナーさんはそそくさと何処かへと消えてしまいました。
「……」
マックイーンさんは、俯いたまま黙っています。
「マックイーンさんは……どうしたい?」
621/04/03(土)23:09:43No.789516914そうだねx2
「マックイーンさんは……どうしたい?」
ライスさんは静かに、私に尋ねた。どうしたいか、と問われれば、その答えは決まっている。
「私は、仲直りしたいです。仲直りして、また一緒にいたいですわ」
721/04/03(土)23:09:54No.789517001そうだねx2
「あぁ、まぁ、とりあえず……マックイーン、誕生日おめでとう」
高級ホテルのレストラン、一通り食事を終えて軽く休憩していると、彼はそう言って話を切り出した。
――あの後、話を聞くためにトレーナー室へ向かうと、彼から夕食に誘われ、こうしてホテルのレストランへと来ていた。
誕生日。そういえば、彼と結ばれた日も自分の誕生日だったことを思い出した。
今と同じようにホテルのレストランで、彼に告白をしたこと。
そんなことを考えながら、私はただじっと黙って彼の話を聞く。
「それで……その、これ。プレゼントだ」
そう言って彼は、私に四角い手のひらサイズの箱を手渡した。
開けていいか、と彼に目線で許可を求めると彼は黙って頷いた。
821/04/03(土)23:10:05No.789517062そうだねx2
「――――!」
開いて、箱の中にあったものを見て思わず息を呑む。
それは、指輪。
喜びと驚きで彼の方を向くと、彼は少し恥ずかしそうにしていたが、すぐに覚悟を決めたような顔になっておもむろに口を開いた。
「マックイーン……メジロマックイーンさん、愛しています。
――どうか、俺と結婚してください」
921/04/03(土)23:10:16No.789517135そうだねx2
気が付けば泣いていた。彼は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにそれが肯定の涙であることを察すると、ただ黙って私が泣き止むのを待っていた。
「……返事、聞いてもいいか」
静かにそう尋ねる彼の前に指輪の入った箱を置いて、私は一言だけ答える。
「指輪、嵌めてください」
私は左手を彼に差し出した。
1021/04/03(土)23:10:27No.789517209そうだねx4
「余りにもトレーナーさんが平然としていたので……私、嫌われたのではないかと不安になりましたわ」
食事を終え、ホテルの一室でデザートのケーキを食べさせ合いながら彼と語らう。
「ああ……いや、最近は指輪のことで頭がいっぱいでな……そういや何で急にそんなこと言いだしたんだ」
フォークに刺した栗を差し出しながら、彼が不思議そうに尋ねる。
「色々ありまして……まぁでも、これで一つ分かったことがありますわ」
彼から栗を口で受け取って椅子から立ち上がり、彼の膝に座っていつかのように口移しで分け合う。
「私、こっちのほうがずっと幸せですわ」
1121/04/03(土)23:11:46No.789517705そうだねx7
congratulations
1221/04/03(土)23:12:10No.789517850+
おばあさま!?
1321/04/03(土)23:14:07No.789518550そうだねx8
>食事を終え、ホテルの一室で
>ホテルの一室で
こいつら絶対この後うまぴょいするんだ!!!
1421/04/03(土)23:14:55No.789518876+
お婆さま!?
1521/04/03(土)23:22:03No.789521721+
こうして生まれたのがゴールドシップ、貴方ですわ
1621/04/03(土)23:22:06No.789521748+
実際育成してるとマックイーン凄いこっちを信頼しきっててくれてかわいい…
1721/04/03(土)23:22:53No.789522019+
>こうして生まれたのがゴールドシップ、貴方ですわ
一世代飛んでますわ…
1821/04/03(土)23:27:52No.789523798+
これが真の一心同体…
1921/04/03(土)23:35:42No.789526823そうだねx1
お幸せに…


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