そんな朝でもトレーニングは怠らない。
担当ウマ娘には普段より入念に準備体操をさせておいた。持ち前の関節の柔らかさを見せつける好機と思ったか普段より体操に気合が入っている。

コースは朝練を行うウマ娘で賑わっていて、いたる所で濃い湯気が立っている。壮観だ。
彼女もコースを数周走り、満足気な表情で立派な湯気を上げていた。
一通りメニューをこなし小休憩。少し用事があると走り去っていった彼女を横目に見送り、隙を見て観客席のベンチからコソコソとトレーニング中の他ウマ娘の観察をする。

しばらくして用事とやらを済ませた彼女が軽く走りながら戻ってきた。すると、彼女が懐から何かを取り出しこちらに差し向ける。
「はいっトレーナー！ずっと立ちっぱで寒かったでしょ？ふふ〜ん！無敵のテイオー様は気遣いも忘れないのであ〜る！」
感謝しなよと言わんばかりに鼻を高く突き上げている彼女の手に握られていたのは、トレセン学園冬の人気名物ホットハチミツにんじんジュース(280ml 校内自販機にて80円)だった。

彼女が休憩中に差し入れをくれるのはそう珍しいことではなかったが、普段から高確率でイタズラが仕込まれているのでこうもまともな物を渡されると逆に警戒してしまう。
感謝の言葉とともに、そのキラキラと派手な金色のラベルを巻いた小さなペットボトルを受け取る。
瞬間。
手のひらに滲む温かさ。思わず頬が緩む。
この温かさ飲み干すのはもったいないと蓋を開けるも飲むのを躊躇っていると、こちらがモノを警戒していると勘違いしたのか彼女が心配そうに口を開く。

「たぶん口には合うと思うよ…？確かにあんまりウマ娘以外が飲んでるの見ないけど、こんなにおいしいのに勿体ないなあって思うんだよね」
味に関しては問題ないと思う。人間が食べる料理でもこの組み合わせはよく見るし実際おいしい。
これ以上躊躇って彼女の気遣いを無下にするのも申し訳ない。覚悟を決め飲み口に口をつけグイと飲み上げる。温かい。それにほんとにおいし━━━

「あっ！そっちボクがさっき口つけちゃったやつだった！！間違えたー！！」
味を楽しむ間もなく隣から聞こえる焦り声。これは彼女の分だったのか。申し訳ないなぁと思いながら買い直すかと尋ねる。
叫びをあげた体勢と表情のまま固まった彼女だったが、時間差で大きくため息をつき肩を落とす。

「なんだよ〜つまんない反応だなー！トレーナーさぁ！！こんな美ウマ少女と関節キ…sしたんだよ？もっと照れるとかさー」
なるほど。それでこちらの焦る反応を見て笑いものにしてやろうという計画だったのか。なるほどなるほど…
「もーせっかくさー？エイプリルフールでトレーナーにどんなことしてやろうかさーマヤノと作戦会議してさー」
ブツブツと何かをボヤきながら目を閉じ頬を膨らませ、足をぷらぷらさせながら本物の自分用ホットハチミツにんじんジュースを一気にヤケ飲みする彼女。

「それさっき俺が飲んだ方だぞ？」
口に含んだホットハチミツにんじんジュースを手元のペットボトルにかなりの勢いで噴射する彼女。
また彼女の頭から濃い湯気が立ち上る。
ゴホゴホと咳込みながら手の甲で口元を拭い、汗でしとついた前髪の合間から真っ赤な顔と睨みつける青い瞳が覗く。
ダメだいけない。腹の底から湧き出る笑いが止まらない。

「うぅ…手べとべとだよぉ…おい笑うなよぉ！」
火照る顔にうっすら涙を浮かべながら濡れた手をプルプルさせている彼女に、笑い死にそうになりながらもタオルを手渡す。
「さすが、面白いこと考えるなおまえたちは」
「う…うるさいやい！」
タオルに顔をうずめてしっぽをぶんぶん振り回す彼女を見ていると、なんだか…
「あっ、いま子供っぽいって思ったでしょ！」
そんなお決まりのセリフで、俺たちのエイプリルフール第1幕が閉じた。


俺たちのエイプリルフールはこれからだ！

トレーナーのやる気が上がった

⤴

4月の陽気が感じられて素晴らしい

私の好みには合っていますね

稍重もいいけど良馬場もいいよね

暖かさは完全に上位ですね
微笑ましさすら感じてしまいます

さわやかテイオーいい……

>うぅ…手べとべとだよぉ…
これは私の性癖には合っていますね

寝る前にテイオー怪文書読みたかったからありがたい…

いい…

カラっとしたテイオーは寝る前に摂取すると快眠をもたらす

湿度高いテイオーもいいが恋の萌芽が芽生えかけテイオーもいいね

実にアプリのテイオーっぽさが出てていい…
好走を期待したいですね

テイオーは可愛いな…

>こ〜い〜しちゃったんだ〜多分〜気づいてな〜いでしょ〜
CHE.R.RY
リリース： 2007年
ジャンル： J-POP

弾道が上がった⤴