「……なんかオメー、変わったよな」
変わった？　俺が？
「出会ったころからするとさ。なんてーかこう、豚骨に全てを委ねた家系ラーメン屋がだんだん素材の味を生かす和風ラーメン屋にシフトしたみたいな……」
……つまんない男になった？
「オイオ〜イ、このグルメ界の織田信長ゴルシ・ド・ゴレーヌを舐めてもらっちゃ困るぜ」
ち、ち、ち、とマグカップを片手に唇を尖らせたゴールドシップが言う。そういえば、彼女の唇もマグカップの縁もほんのり色づいている。珍しくリップをしているようだ。
「ラーメン屋がタピオカ屋になったと思ったらなんか殺風景な食パン屋になり、その後一攫千金を夢見てデイトレーダーになるまでの味変も楽しむ違いのわかるゴルシニスト……それがアタシだ」
俺がそうなる前に止めてもらいたいものだが、何にせよ彼女が楽しんでいるならよかった。
胸を撫で下ろしていると、「ね〜ぇ〜」と砂糖を564kg溶かしたような声がぶつかってきた。

「そ〜れ〜よ〜り〜、トレーナー君ったら〜、朝ごはんまだでしょ？」
声の主は、後ろ手に何かを隠しながらクネクネし始めた。
「もうバカッ！　奥ゆかしい幼馴染のゴルシちゃんが作ってきてあげたんだからねっ！」
これは所謂ツンデレ幼馴染ヒロインだろうか。ダイワスカーレットから着想を得た雰囲気があるような、そうでもないような。
「アンタ食べたいって言ってたでしょ……た・い・焼・き」
別に言った覚えはない。そして、おそらくゴールドシップが作ってきてくれたのはたい焼きではない。
なぜなら、鯛を焼いたような匂いがするからだ。彼女が部屋に入ってきてからずっと。
「ほらもう……コレが好きなんでしょ？　素直じゃないんだからっ」
そう言いながら彼女の高い上背の背後から取り出されたのは……塩焼きにした魚の刺さった竹串。2本。
形からして鰆、だろうか。旬の魚だ。

コーヒーには合わないが、食欲をそそる。礼を言って2本のうち1本を受け取り、食べ始めた。
「ねえねえ〜、トレーナー君はたい焼きどこから食べる派〜？　頭派〜？　しっぽ派〜？」
バリバリと音を立てて鰆の塩焼きを食べながら、ゴールドシップが接近してくる。
「それとも〜……」
ふ、と左耳に甘い息を吹きかけられる。産毛が震え上がる。
近い。
「ア…」
顔が近い。
「ン…」
全部近い。
「コ？」
首を左に傾けて、近くにあった唇を食んだ。

塩味の向こう側に、ねっとりとした甘い味。あとからハチミツの香りが鼻腔を抜けていく。
一昨日、メジロマックイーンがしてくれたクレームという名の近況報告を思い出す。お気に入りのコスメショップになぜかゴールドシップと行くことになり、片っ端からテスターの匂いを嗅ぎまくった彼女がフェイスパウダーを思いっきり鼻から吸い込んで大変なことになったとか。
これはそのときに買ったリップクリームだろうか。マックイーンが選んでくれたのか。
それとも、彼女が自ら選んだのか。
かぶりついた口を放して、自分の唇を舐め取る。
甘じょっぱくて、おいしい。
そういえば、返事を忘れていた。どこから食べる派か、だったか。
頭、かな。

答えながら、ちらとゴールドシップの顔を窺う。
丸くした目の中心に、どこを見ているともつかない瞳が浮かんでいる。放心状態、だろうか。もしかしてキスが嫌だったのかもしれない。詫びを口にしようとすると――
ドサッ！！
暗転。
すっかり肌に馴染んだ麻袋の感触がした。
「なるほどな……オメーは常にテッペン取る気満々の男だったよな」
麻袋越しに彼女の声がする。
「つまりサワラのカシラ……海のヌシを獲らなきゃ満足できねえって顔してるぜ。そうだろ？」
麻袋の中に全身突っ込まれているので顔など見えないはずだが、まあそれでいい。彼女がそうだと思うのなら。

「甘かった……刺身醤油より甘かったぜアタシ……決めたぜおやっさん！　必ずヌシを釣り上げて、ヌシ娘になってやる！！」
ヌシ娘となるともはや種族が変わってしまう気がするが、まあいいだろう。どこへ行こうと、何になろうと、ゴールドシップはゴールドシップなのだから。
「そうと決まりゃ行くぞ！！！　うおおおおおおウォーーーーーターーーーーーー！！！！！」
彼女の肩に担がれ、彼女の足が寮の廊下を駆けていく音をぼんやり聞きながら、暗転する直前に見えた色を思い返す。
頬に差した赤。
あれも、マックイーンと共に買ったコスメだったのだろうか。それとも……。
俺はまだまだ、ゴールドシップのことを知らないみたいだ。

バイオリズム同調してきたな…

尻尾の付け根たたいたら興奮してひっかいてくるぬみたいだな…

ゴルシはかわいいなぁ！

トレーナーとカップルになってるゴルシが書きたかった

私の性癖には合っていますよ！

いきなりチューされて照れるゴルシは胃潰瘍に効くのでもっとやれ

>トレーナーとカップルになってるゴルシが書きたかった
でかした！
煮干しをやろう

あまあまゴルトレ怪文書は鬱病に効く

>いきなりチューされて照れるゴルシは胃潰瘍に効く
お前は養生しろ

一瞬だけ照れるのいいよね…

トレーナーどうなっちゃうの…

これはマックイーンとのトレーニングに使えそうか…？

丁度これくらいの距離感のゴルシが欲しかったんだ
お礼にリトマス試験紙をあげよう

なるほど化粧っ気のあるゴルシ…

初っ端の茶柱のところから完全にゴルシに適合してて凄い

>なるほど化粧っ気のあるゴルシ…
マックイーンが新しくできたコスメショップに行くみたいな会話がホーム画面であったので
これはゴルシ怪文書に活かせそうだと

何かぱっと見比較的常識的な2人に見えるけどゴルシの謎発言を冷静に無視しつつ心から許容したうえで最善解叩き出すトレーナーも大分ヤバい奴になってる
こいつならゴルシと一生いれるという安心感のあるヤバさ

ゴルシはおしゃれさんだからな…

ゴルシにシンクロできる「」レーナーが増えてきてたいへん喜ばしい

>甘じょっぱくて、おいしい。
>そういえば、返事を忘れていた。どこから食べる派か、だったか。
>頭、かな。
つよい…

ゴルシに人生を面白くされた男の末路

そのうち2人で宇宙に行きそうだ…

人生楽しそうだなこいつら…

レンゲです

なんだよこの手描き！

ゴルシは仮にそう言う関係になったとしても普段の接し方はこの調子であってほしいと常々思っていたのでたいへんありがたい

>レンゲです
ナルトついてる…

なんでレンゲだけ塗ってるんだ…

リップ（背油）

甘々見てるつもりなのにいきなりボーボボ見てる気分になった

ボーボボと甘々は並存可能なのでは…？

>ボーボボと甘々は並存可能なのでは…？
何混ぜたってボーボボになるからな

甘いボーボボがあったっていい
自由とはそういうことだ

麻袋常備してるのと麻袋に馴染みがあるのなんなんだろうな本当

おもしれー女…

まあいいか…ゴールドシップだし
で心から気を許してるのがバイオリズム共有してんなこのトレーナー…

甘々かと思ったら突然どっと胃もたれしそうな感じが実にゴルシ

いいやこれは…甘いね！

それで？あんたはこの話をどのウマ娘に有効なトレーニングだと思ったんだい？

ここまで来るともうゴルシ以外の女では満足できなさそうだ

>それで？あんたはこの話をどのウマ娘に有効なトレーニングだと思ったんだい？
ゴルシかな…

いい…

ここまで心をゴルシに占領されてると他の女の人だとコイツつまんねえ〜……って感覚になってしまうんだろうか…

ゴルシ怪文書かける人は3割くらいゴルシ

なるほど…わからん