しばらくぶりの祝福ムードにあてられながら新婦席に座っていると、大柄な影が横に立つ。
それは、少し前までバーベキューセットの前で大暴れしていたタイキシャトルだった。
彼女にしては珍しく、小さく手を振りながら静かにこちらに話しかけてくる。
「向こう側の人払いは済んでマス、だから、ネ？」
フロアの外を指差しながら、彼女は小さく微笑む。
そういえば、昔もそんな事があった。溌剌として、周囲を振り回すタイプに見えて、意外と気配りに長けた彼女に、しばしば助けられたものだ。
「後で、お礼するから」
と、夫と共に小さく頭を下げると、
「ノー！主役に楽しんで貰う努力に、リターンなんて望んでまセン！これはパーティのベーシック！だから…後で幸せな顔、見せてくださいネ」
などと、なんとも彼女らしい理由で捲し立てられる。

さあ行った行ったと言わんばかりに背中を押され、フロアの外に出ると、確かに人が居ない。
なんだか他人事のようになった祝宴の喧騒を背に、改めて晴れ着姿で互いに見合う。
「────────」
静寂。揃いも揃って、言葉が出ない。何か言おうとしたけど、もう何も言えない。
感無量とはこの事だろうか。ただ大きな感情が、胸を埋め尽くしている。
スズカ、と呼ぶ声にふと気付くと、両手を握られて、じっとこちらを見つめられている。
きゅ、と手を握り返す。目を閉じて、少し上を向いて────
唇が離れた時、やけに静かに感じた。
フロアの方に目を向けると、そこにはこちらを覗き見る、かつての学友たちの姿があった。どうやら、静寂は気のせいではなかったらしい。
次の瞬間、彼女らの視線はタイキの方へ集中した。

────後で幸せな顔、見せてくださいネ。
イタズラっぽいところも変わりなく。どうやら、一杯食わされたらしい。
怒りとも恥じらいとも言えない、なんだか不思議な、笑ってしまうような感情の中で、彼女たちの方へ身体を向ける。
「……ねえタイキ？私の1600mの最終タイムっていくつだったと思う？」
「い、いっぷん────」
次の瞬間、私はヒールを脱ぎ捨てていた。

笑顔と、涙と、祝福で満ちた結婚式。
この日の事は、きっと一生忘れられないなと感じた。

完勝です

貫禄さえ感じてしまいますね

着差以上の強さを見せつけた！

いい仕上がりです

今後の新婚生活に期待したいところです

強い！

勝負服以上のテンション与えているんだろうな…

大差ですね

いい大逃げだ

先頭の景色は譲らない…！Lv5

スズカさんウェディングドレス似合いそうだよね

すらっとしてるしね

97年組のユウジョウ！

スズカさんには和服を着せたい

ゴールで待ってるからって言ってくれた人がスズカさんのゴールだったというわけだね？

>ゴールで待ってるからって言ってくれた人がスズカさんのゴールだったというわけだね？
なんて綺麗な物語なんだ…